自分でも思ってるけど…やっぱ他人から言われると傷が深いや
あ、水着ガチャ引きました。
大爆死でした。
周囲が闇に包まれた世界で、一つの存在が咆哮を静かに鳴らしている。
─ダカマ…
─イタイカタタハレワ…
唸りをあげ
─イタシロボホヲテベス…!
牙を尖らせ
─エカタタ…
─エカタタ…!
目を邪悪に染め上げ
─ロレイケウヲレワ…!
─ヘタナカノクリツサ!
その腕を奮い立たせ
─ヘココヲイソラア
言語を変え
─滅びを…ここへ
人の形をとり
─我は貴様を受け入れようぞ…
その輪郭は
─あぁ…
─戦いがしたい…
どこか見覚えがあった
─血を浴びたい…
その存在は悶えて狂い
狂い
狂い
狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂い狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂狂
「はぁっ…!はぁ…はぁ…はぁ…。」
そこで刃は目を覚ました。
「なんだ…今のは…!」
掌のじっとりとした汗の感触を感じながら、ベッドに腰掛ける。
「何か飲もう…そうすればあの夢も晴れるはずだ…。」
「どしたの?その顔。それにうなされてたけど。」
いつ起きたのか、ティアナが片肘をついて刃を見ていた。
「…なんでもない、ただ悪い夢を見ただけだ。それよりも…お前、見ていたな?」
「環境変わって寝付けなかったの、察しなさい。それより、飲むんでしょ?付いていくわ。」
「お前も?」
「えぇ、ちょうどあたしも喉がカラカラなの。」
「いいだろう。」
そう言って刃は寝巻きの上にパーカーを、腕を通さず羽織る。
ティアナも真似をして着る。
少し肌寒い廊下を、歩いている。
「それで、どうなんだ?ここでの生活は。」
「まぁまぁね、なのはさんとは違うタイプの訓練だけど、あたしにはわりにあってると思う。銃しかり、デュエルしかりね。棒立ちになるなとか狙いすぎとか、言われてたっけ。それでも…強くなったんだってしっかりわかるの。」
「そうか…ん?あれは…」
ふと前を見ると、ジェイルがベンチでうなだれていた。
「ドクター、あんた一体どうしたの?」
「ん?あぁ、ランスターか。ちょっと…な。」
刃はティアナとジェイルの会話を尻目に、自販機へと向かう。
「…無限の欲望たる私でも…ゲートは出来なかった。届きはしたさ、信号がな。」
「信号?」
「あぁ、コウモリの超音波って知ってるか?」
「ううん、そんな詳しくは知らない。」
「…コウモリはな、目が見えないんだ。だから超音波を発し、反射するまでの差で物体との距離を測る。これは現代の技術にも使われている。測量機や金属探知機なんかがそうだ。」
「…つまりは信号が帰ってこなかったのか。」
「いや、見つけることはできたさ、ただ…。」
「ただ?」
「小さかったんだ、穴がな。通せないことはない、だが広げても封筒サイズが限界だ。」
そこでジェイルは一度区切り、ティアナを向いて続けた
「簡単にはできない、そんなものは知っている。だがな、見つけることは出来なかった。無限の欲望と言われた私が、このザマだ。」
「でも、今も続けてるんでしょ?だったら見つかるんじゃないの?」
「…そうかもな…あぁ、そうだ。ありがとう、ティアナ・ランスター。君は…優しいのだな。」
「別に?ただ私は、単純に見て見ぬふりができないだけ。それにさ、ドクター。そんな目の下にクマ作って頑張ってる人に、無下な扱いができないの。目の下のクマ、気がついてない?」
ティアナが懐から取りだし、開いて差し出したコンパクトミラー。そこには顔が少しやつれ、目の下にうっすらクマができた男の顔ができていた。
「…っはは、本当だ。」
「気をはるなと言っただろう?」
声に反応して、ふたりはその方向を向く。
「刃…。」
そこにはボトル2本と缶1本をそれぞれ別の手に持った刃が立っていた。
「好物がないかと探していたが…やれやれ、どうやらなかったようだ。仕方なしにコーラを選んだが…よかったか?ティアナ。」
クスッと笑ってから、ティアナは答える。
「いただきます。」
「ジェイル、お前にはこれだ。」
「缶コーヒーか…なかなかに温かい…」
「ブラックでよかったか?」
「飲めなくはないさ、ミルクコーヒーが好みだがね。だがまぁ、ちょうどよかった。」
そう言ってジェイルは受けとる。
カキャッ、と音をたてて缶コーヒーがあく。
「じゃあ、俺も。」
フシュ、と鳴ったところで一旦手を止める。
少し待った後でもう一回、今度は完全に開ける。
あいたボトルコーラを口につけて流し込む。
ティアナも真似をしてあけ、喉を潤す。
「…ふぅ、おいしい。そういえばなんで途中で開けるのを一度やめたの?」
「あれか?ああやると吹き出しにくいんだ。いざ吹き出そうものなら、一度閉めればいい。受け売りだけどな。」
「賢いじゃない、その人。」
「まぁな。ジェイル、お前が言っていたゲートって言うのはできたか?」
「…いや、まだだ。」
「そうか…焦らなくていいぞ。お前ならいつかできるって思って待つ、俺にできるのはそれだけだ。」
「恩に着るよ。ところでランスター、君はカードの使い方が理解できたか?」
「まぁね、ギンガさんには及ばないけど…それでも頑張ってる。ナンバーズの子にはデバイスでの戦闘を教えてもらってる。」
「本来なら俺が教えるべきだったんだが…あいにくと銃の使い方はあまりわからない。闘い方もな。」
「いいの、苦手なことも分からないものも誰にだってあるし。あーそうだ。」
そう言ってティアナはポケットをまさぐる。
そうして出てきたのは1枚のカード、進化する翼
「このカード、あんたに返すわ。あなたのでしょ?」
「…いや、それはお前が持っていろ。お前の心を象徴するカードだからな。それに渡した手前、返してもらうなんて俺にはできない。」
「…そう、ならサイドデッキにでも入れておく。」
「…俺は先に戻る、ティアナも落ち着いたら寝ておけ。」
「了解。」
その言葉を最後に、刃は廊下の暗闇に消えていった。
「ねぇ、ジェイル…」
「ん?なにかな?」
「…刃は…何か病気でも患ってるの?」
「いや、患ってないさ。それがどうしたのか?」
「寝てるときに胸を押さえてたからどうしたのかと…」
「…刃は何かに憑かれている。科学者がオカルト思考など馬鹿げているとは…私でも思う。だがそうとしか思えない…」
「…一体…なにが…」
今回は不穏さを出してみました。
それと書くネタが尽きてきました。
ゆりかごまでカットしてもいいのかな?これ