下忍合格の翌日
「九喇痲おはようだってばよ」
『あぁおはよう、それより机を見てみろ』
「ん?机?」
九喇痲と挨拶を交わし促されるままに机を見ると、馴染み深い気配がした。そう死霊秘法の写本、ミコである
「おはようアシュラ」
「ミコ、おはようだってば」
「まずは母様からよ、『義理とは言え、妾の息子であれば合格して当然、これからも精進せよ!』だそうよ」
『相変わらずだな』
「次は父様よ、『よくやったな、任務は何でもやるんだぞ。でないと、でないと・・・・・・うわぁはぁぁん』赤貧時代を思い出して話にならなかったそうよ」
「父ちゃんカッコ悪いってばよ」
「兄様と姉様からもあるけど、聞く?」
「またの機会で頼む・・・・・・辛辣なコメントが頭を過ぎるってばよ・・・・・・」
この後は寝起きの日課を済ませて朝食を取る
今日は、久しぶりにミコと食事ができるので、せっかくだからと九喇痲も呼び出し和気あいあいと食事をした
そしてアシュラはポストを確認する、火影名義で書類が着ている、忍者登録のための書類だ
封を開け、書類が揃っているか確認する、記入が必要なものに記入し出かける準備をする
ミコは父の筆跡を真似、同意書にサインし書類全てを整えて、書類が入っていた封筒に入れた
「うっし!ミコはどうするんだ?」
「残った魔力を取っておくわ、私が必要な時に呼んで。制限時間は20分よ、良いわね?」
「わかった!」
『儂はそうだな、まぁいい中に戻るぞアシュラ』
「おう!」
「じゃ、行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
そう言うとミコは魔導書の姿へと戻り、九喇痲もナルトの中へ戻り、部屋の中に静けさが戻った
そして火影執務室へと向かう
火影邸に着くとまずは写真撮影、その後書類を提出し、身分証明書や、忍者として他国へと行く際に必要となる忍者登録証ができるまで、火影執務室で話を聞いた
そして登録証を受け取り帰ろうとすると執務室の扉が開いた
「ジジイ!勝負しろコレ!っいったぁぁぁ!」
勢いよく入ってきた子供が転んだ、その後すぐに罠だなんだとわめき始めた
「・・・・・・おい大丈夫かってば?」
「さっきの罠はお前の仕業かコレ!」
「いやお前が勝手に転けただけだろ」
「う、うるさい!」
「やはりここですかお孫様!さぁ勉強の続きですぞ」
「うるさい、お孫様お孫様って、オレの名前は木の葉丸だコレ!」
(そうか・・・・・・)
「申し訳ありません。すぐに連れて行きますので」
「おいガキ」
「何するんだコレ!は、放せ!」
「良いから黙って付いて来い木の葉丸!」
「え?うわああああ」
そう言って木の葉丸を執務室から連れ出したアシュラは、先日の演習場へと向かった
「ふぅここまでくれば大丈夫だろ」
「何なんだよお前!」
そう木の葉丸が言うとガン!と言う良い音が木の葉丸の頭から聞こえた
「お前じゃねぇ、風波アシュラだ!!」
「アシュラ兄ちゃん?」
「おう!」
「それで何なんだよコレ」
「少し親近感がわいた。俺も昔は、名前なんて、三代目の爺ちゃんと、一楽のおっちゃんにしか呼ばれなかったからな」
「兄ちゃんも?」
「あぁ、詳しくは言えないんだけどな」
ニシシと笑うアシュラを見た木の葉丸は思った
「オレが子分になってやるんだなコレ!」
「はぁ?」
「お前が先で、オレが後だから子分だ」
「あぁ、そう言うことか。ホントムカつくよな名前以外で呼ばれるのはよ、俺もいつかこの里のバカどもに認めさせてやるんだ、俺は俺だ、化け物じゃねぇってな!
俺達にも親から貰った命があるんだ、名前があるんだ、だから俺は親から受け継いだ意志だけは絶対に護る
そんで、自分の言葉は真っ直ぐ曲げねぇそれが俺の忍道だ!!」
「にい・・・ちゃん?」
「・・・・・・見つけましたぞ木の葉丸君!」
「見てろよ木の葉丸、こういうむっつりメガネにはこうすんだ!影分身の術!!続いて変化!!」
「「「うっふ~ん」」」
「あらぁオジ様どうされましたの?」
「あらやだ、は・な・ぢ・出てますわ」
「オ・ジ・さ・ま・のスケベ」
「なななななな、何というハレンチな!うぅぅ」
ブッパアアアアアと鼻血を噴出させて空の彼方に飛んでいった
「名付けてハーレムの術!」
これを見た木の葉丸は決意した
「子分なんかやーめた!」
「もう飽きたのか」
「うん、これからはどっちが先に里の皆に認められるかライバルだコレ」
「・・・・・・おう!」
アシュラは思った、俺にもあの時木の葉丸のような強い意志があれば、あの状況を変えられたのだろうか、自分に良くしてくれた兄ちゃんを傷つけずに済んだのだろうかと
だが今はどうでもいいとも思った、過去(きのう)は変えられないけれど現在(きょう)は未来(あした)は変えられるのだから
ちっこいライバル、だけど絶対に負けないと自分の忍道に賭けて誓った
その頃鼻血噴射で飛んでいった、黒い忍び装束のメガネ上忍は
「風波アシュラですか、一体何者なのでしょうか、彼も過去に何かあったのでしょう。名前を呼ばれない辛さですか、考えもしなかった・・・・・・」
ここに1人アシュラを認めようとする人物が現れた