あれは嘘で1月の事だ
水面歩行をやらされた・・・・・・面倒だなおい
『そう腐るなアシュラ』
(いやだってさ、あの糞上忍完全に俺を試してるんだってばよ?)
『だからこそだ、見ろ。今もこっちを見て観察してやがるぞ』
「そろそろ出発したいんだがいいか?」
「良いってばよ」
溜息混じりに答えると、「不満か?」と聞いてきた。「当たり前だ」と返すと興味が失せたのか、サスケ、サクラに発破をかけ出発する。
もう木ノ葉を出て2週間だ、ペースが遅いせいでまだ湯の国に着かない。が、わずかに硫黄の臭いがするからもう少しって所まで来ている。
正直なところ術式の開発が捗らない、足で風圧拳を出すことに成功はしたけど、問題点・・・・・・脚部シールドが無いとやっぱり足が保たない・・・・・・。しかし、そんな素材はない・・・・・・ならば風圧拳そのものを足に纏うしかない。
形態変化のチャクラに性質変化を乗せるのはまだ簡単だ、だが性質変化の術をさらに形態変化させ、それを広範囲に維持するとなれば話は変わる。それがチャクラを集めにくい足の裏なら尚更だ。
「はぁ」
『諦めるのか?』
(んなわけねぇってばよ、諦めないド根性だってばよ!)
『ド根性忍伝か、マダオの師匠が書いた小説だったな』
(おう、一度会ってみたいってばよ!)
そんな自分の世界に入り浸っているアシュラを横目にカカシは他の2人に問いかけた
「そうそう2人とも水面歩行はどうなのよ?」
「歩けるようにはなった」
「私は何とか飛び跳ねられるくらい」
「順調に進歩してるようで何より、じゃあ次は滝登りでもしてもらおうか。それをクリアしたら、この修行は修了だ」
滝ねぇ・・・・・・と考えたアシュラは再び術式について考え出した
一つの流れから様々な水滴が連なり滝となるが・・・・・・いっそのこと最初から全ヶ所から出してみるかと試してみると、足がバラバラになりそうになった
何事かとカカシ達に見られたが、九喇痲のチャクラで一気に治癒し追いかけようとすると、反対の川辺にどこかで見た眉なしとガールがいた・・・・・・
こっちを見て笑いやがったムカついた、腹が立ったので風圧拳を投げてやった、水が思いっきりかかったようでニヤついていると
「いい度胸だな・・・・・・赤毛!」
「はっ、人がこけたの見て笑うお前が悪いんだってばよ!」
「てばよ?もしかして君ナ『アシュラと呼んでやれ』、アシュラ君ですか?」
九喇痲ナイスアシストだってばよ!
「おう!久しぶりだな白の姉ちゃん!」
「どっかで見たことがあるなと思ってたら・・・・・・ククク、そうかてめぇか!あの時はよくもやってくれたな!」
「何の事だ、額に肉のことかってば?」
「ぶっ殺す!」
「ちょっと再不斬さん!」
のらりくらりと攻撃をかわすアシュラ、再不斬は頭に血が上り冷静さを失っているかのように見えた
「先生!アシュラが!」
「あいつは霧の抜け忍再不斬!いや、しかしヤツは死んだはずでは!?」
(あの野郎、ヘラヘラ笑いながらほぼ紙一重でかわしてやがる!)
「まぁいい、サクラ!サスケ!アシュラの戦いをよく見ておけ」
攻撃を繰り返す再不斬は、アシュラの回避パターンを分析していた、戦いの中で相手の動きを見切るのは昔からやっていたが、あの時から動きのパターンを見て回避できない攻撃で倒す事をやってきた。
が、それすらも見切りかわしていくアシュラだった
(やっべぇってばよ、眉なしすげぇ強くなってる、反撃できねぇ。あの時は父ちゃんに手も足も出なかったのに、今は父ちゃんくらいの攻撃速度だ。父ちゃんの本気ほどじゃないけど・・・・・・)
『下だアシュラ!』
クソっ!と毒づきながら九喇痲のアシストで何とかかわし続けるアシュラからは、先程までの余裕の表情が消えていた
「ちっ、やっぱアシストしてやがるなあのヤロウ!白!」
「はぁ仕方ありませんね・・・・・・アシュラ君、強くなってるのは再不斬さんだけじゃありませんよ」
氷遁を使い川を氷らせ、表面を少しだけ水の状態で残した。
この状態で残すと言うことは・・・・・・
「うわっと」
そう滑るのだ。慌ててチャクラで吸着させるが、白の精密な氷遁にうまく吸着できない。氷に吸着させても表面の温度が高くすぐに水になり、水に吸着させれば氷遁をコントロールし氷に変換させバランスを崩させる。川の外側に逃げようにも氷の結界に覆われ脱出できない。普通に立てば滑るだけ・・・・・・少しでも気を抜けば再不斬の刀と白の氷の針の的になる。
そして他に足場は・・・・・・無い
「せ、先生!あれ!」
「ちっ、あいつはどこで恨みを買ってきたんだ!」
「ウスラトンカチが!やるぞカカシ!」
「「火遁!業火球の術!!」」
「・・・・・・まだよ・・・・・・」
「行け!サクラ!!」
「しゃあああんなろおおおお!」
「サクラ!コントロールが甘い!!もっと一点に集中しろ!サスケ!業火球に集中しろ!」
「くそ!もう一度だ!」
火遁で溶かし、サクラの桜花掌で一撃を入れるも氷の結界はビクともしなかったように見えたが・・・・・・
「やりますね・・・・・・、もう少し強ければ危なかった」
結界にダメージはあったようだ
「これで終わりだ!小僧ぉぉぉぉ!!」
「ぐうっ!」
「決まりましたね、では結界を解きましょう・・・・・・」
結界が解け、七班が見たモノは傷だらけのアシュラと、息を切らせた再不斬の姿だった
「霧の抜け忍再不斬・・・・・・」
「・・・・・・そいつはもう死んだぜカカシさんよぉ」
「なぜここまで痛めつけた・・・・・・」
「さてな・・・・・・行くぞ」
「はい再不斬さん」
そう言い去っていった、残された七班は
「アシュラ!おい、しっかりしろ!」
「カカシ、温泉街はどの辺だ!」
「後少しだ、アシュラは俺が背負う、全速力で付いて来い!」
アシュラを背負い、全速力で駆けるカカシ、それを追う二人
そしてそれを見送る再不斬と白は
「あいつの親もスパルタだな、殺さないように痛めつけたが、まぁ普通なら全治三ヶ月と言ったところか」
「それにしても驚きました、風遁で足場を作るなんて」
「あぁアレの開発途中にできた副産物なんだろうよ、おかげで動きが分からなくなったが、実戦経験が足りなさすぎたな」
「えぇ、ですがこれで・・・・・・」
「あぁ。しかし面倒な依頼だ、実戦経験をアイツを含め3人に付けろなどとな」
さて次は早々と五十路のばb