ちゃうねん・・・
「これより先ほど行われた戦闘について意見交換を始めるわ」
ナザリック地下大墳墓の9階層の一室に守護者全員が揃ったことを確認しアルベドは口を開く
「誰か気がついたことはある?」
「ではまず私から3点挙げさせていただきます」
「いいわ、言いなさいデミウルゴス」
「まず一つ目、恐らく彼自身の戦闘能力は我々よりも遥かに低いと思われます。」
「ソレハドウイウコトダ」
「彼は最初から最後まで我々の攻撃や妨害をすべて防ぐか弾いていました」
「それって当然のことじゃない?」
「いいえ、我々とレベルが同等であり装備も揃っているのならそれなりの耐性は有しているはずです。だからこそ、我々は耐性のある攻撃やスキルは無視します、ですが彼はすべてを防いでいた」
「た、耐性があっても痛いのが嫌だったんじゃ」
「その可能性も捨てきれないが生命感知や看破などの魔法もあの波紋から現れた盾で防がれました」
「わざわざ?」
「えぇ、耐性があるならばわざわざ防ぐ必要などないはずです」
「確かに・・・」
「続いて二つ目ですがあの波紋からの攻撃や防御を行う際ですが必ず波紋が出現してからしか武器や防具が出てきませんでした」
「準備が必要ということ?」
「ナルホド」
「なにがなるほどなの?あれどこに出るかわかんないし数が多すぎて撃ち落すのめっちゃ大変なんだよ」
「奴ノ攻撃ハ全テ波紋カラシカ行ワナイトイウコトハ波紋ヲ攻撃スレバ先手ヲ打テルトイウコトダ」
「あ~、そういうことか」
「でもそれらを撃ち落すのにスキルの回数やリキャストが足りるかどうか怪しいでありんすぇ?」
「そこが問題でもあるね、だが我々はアインズ様の僕だ、彼がアインズ様に牙を向いた際に我々は彼に勝たねばならない」
「そういうことよ、シャルティア」
「さて、最後に三つ目だが彼の従者は先の戦闘でも彼の後ろにいた、従者であるならば主よりも前に出るべきであるのにだ」
「そうだよね、ずっと見てるだけだったし」
「そこから推測できるのはあの従者は弱いがそれだけの価値があるということです、ですのでそこを突くのも手になるかと」
「で、でもあの人狙ったのも全部防がれちゃいましたよ?」
「だったら防げないようにしちゃえばいいんだよ」
意見交換は進んで行く
部屋に近づく者に気づかずに
「それではこれで意見交換を「雑種共よ!」
「「!?」」
突然の乱入者に守護者全員が警戒する
「どうしてあなたがここに?」
「なに、アインズに聞いてみれば先の戯れの意見交換をしていると聞いてな、この我自ら来てやったのだ!」
「すまない・・・止めたんだ・・・本当にすまない・・・嵐だと思って諦めてくれ・・・」
「あ、あぁ、君も苦労しているんだね・・・」
上機嫌な怨敵と心底疲れていそうなその従者に一同が激情するべきか同情するべきか困惑した
「どうした?我に見惚れるのもいいが意見交換はどうした、良いぞ、我は今機嫌がよい、何でも答えてやろう」
「ギル、彼らは困ってるんだ、大人しく部屋に戻ろ!な!」
「い、いえ、構いませんが本当に何を聞いてもよろしいのですか?」
「あぁ、よい、赦す。聞きたいことがあれば聞くが良い」
硬直から一番に回復していたデミウルゴスからの質問に英雄王ではなくAUOとなっているギルガメッシュは上機嫌に答える
「では、あなたは何が目的でここにいるのですか?」
「何が目的か?なんだ、そんなことでよいのか?」
「えぇ、我々からすればこのナザリック地下大墳墓に来る人間は攻め滅ぼそうというものだけでした。あなたのような方を我々は怪しまなければならないのです」
「なるほど、では答えてやろう。我がここにいる目的を」
回復したほかの守護者達も耳を傾ける
敵対するような言葉があればすぐにでも攻勢に出れるように
「我がここにいる目的。それはこの場所が最も愉悦を感じれる場所だからだ」
「愉悦・・・ですか?」
拍子抜けしたように力が抜ける守護者達とあぁ全くと呆れる白野
「そうだ、我は我の支配の及ばぬ領域になど興味はない」
「世界征服には興味がないと?」
「だが世界を支配しようとする貴様等には興味が湧いた。この世界にはまだ見ぬ愉悦があるはずだ」
「そんなことの為に我々を利用すると?」
「そんなこと、とは言うではないか。貴様等にもあるだろう、己の内に芽生える悦びが」
「ッ!」
「それ、慌てるでない。我は手出しがしたいのではない、見たいのだ、他者の征服というものを、貴様等の願望を」
「我々の・・・願望?」
「主に尽くすのみなどと抜かしてくれるなよ、貴様等は人形ではなくなった、己を認識する生命となったのだ。であるならば自らの内に願望を見るは道理だ」
英雄王の口の端が釣り上がる
言葉を紡ぐ事が
守護者達の様が
愉しいと面白いとでも言うかのように
「答えよアルベド、貴様は己の内に何を望む」
「わ、私は・・・」
突然の名指しに口が勝手に動く
これは敵の罠だと
守護者達の本能が告げている
逃げなければいけないと
敵を滅さなければいけないと
「モモンガ様を愛したい・・・」
勝手に動く口が発した言葉
だが、本心であった
アルベドがそう告げると同時に守護者達が解放されたように動き出す
「貴様!何をした!」
「そう吼えるな、悪魔。我はただ奴の本音を聞いただけだ。あぁ、貴様はどうなのだ?」
「黙れ!我々は主に忠誠を誓う者!それ以上の悦びなど、ありはしない!」
「そうかそうか、忠誠の塊のような奴らよな。良い、その姿勢を認めよう。して貴様先ほどモモンガを愛したいと申したな」
身体の自由が戻った後にアルベドは動けなかった
だが顔を歪ませギルガメッシュを射殺さんとするほどに睨む
「・・・だったらどうだと言うの」
「良い、貴様等の忠誠は確と見届けた。故に赦す、貴様の愛が届くよう見繕ってやる。」
「どういうこと・・・」
「骸骨の不死者を愛するのも不便であろう、ならば仮初でも肉体があったほうが心地よい、我はそういうアイテムも持っておる。それを譲ってやろうというのだ」
「「なっ!?」」
「なに、気が向いたらまた呼ぶがいい、行くぞ白野」
「待ってくれ王様」
嵐のように現れ散々場を乱した英雄王は最後にアインズが頭を抱えて苦悩するであろう爆弾を投下し去っていた
だって
敵対しそうだけどなんとかしようとか考えたら世継ぎできるようにとかかなって・・・
あとノリだけで書いてごめんなさい()
あとモモンガ様が悩む姿って面白いし・・・
(ギルガメッシュが使用したスキルは『王の威光レベルⅤ』ですアインズの絶望のオーラと似たようなスキルです、効果は効果範囲内への恐怖、畏怖、本心暴露などのデバフです、クラスによる効果上昇でアルベドにも効いたってことにしておいてくだしぃ)