死の支配者と英雄の王の邂逅   作:霞梳卯狩

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慢心?
するけどしないよ?
追記:ちょっと直してみた


王の中の王

「まさかとは思っていたけれど、これもアインズ様は読まれて」

「そうとしか思えません、あの人間が我々を怒らせアインズ様に伝言を送った直後にアインズ様はいらっしゃった」

「アノ者トアインズ様ガ事前ニシナリオヲオ考エニナラレタトイウノカ」

「あぁ、先の村ではこの世界の人間も天使も脆弱だと再確認できただけでした。アインズ様は常に脅威に対して万全を期するように我々に申し付けてくださった、だがそれだけではやはり足りないのだと、自らの目で我々の忠誠を確認したいのではないだろうか」

「アインズ様ノ命デアレバ我ラハ唯実行スルノミ」

「その命を実行できるかを確認したいということよ」

「でもあんな奴使わなくてもいいと思うんだけどな」

「あの者の行動や言動が演技とは思えないが客人の粗相に対する我々の対応を見ていた可能性もある、そうなると先ほどの我々は少々・・・」

 

守護者達がそんな意見を交し合っていると知らずに闘技場へ向かうアインズとギルガメッシュは小声で慌てていた

 

(すみませんモモンガさん、ちょっと噴出してしまったのが勘違いされてしまったみたいでうまく誤魔化せませんでした!)

(仕方ないですよ、でもこれからどうするんですか?彼らはNPCとはいえlv100なんですよ?)

(正直に言うと真面目にやれば勝てます、ですがモモンガさんたちの子供みたいなものでしょう、だからどうしようかなって)

(・・・・・・勝てるんですか?)

(殺すことは簡単です、でも生かしつつ参ったと言わせるのは不可能に近いかと、なにかルールが必要ですね)

(簡単かぁ、そう言われると傷つくなぁ)

(あくまで予想ですが彼らはNPCなのでプレイヤーのように連携や策の経験がないんです、だから個々に撃破する感じになるならという意味で簡単と言っただけで彼らが連携や策を生かせるようになれば私相手なら話にならなくなると思いますよ。)

(あぁ、気を使わせてしまってすみません、えっと、一応ルールについてなんですが俺が生命反応でHP確認して5割程度で敗北判定でどうでしょうか)

(いえいえ、こちらこそ申し訳ない、ルールについてはそれでいいと思います、武器とや鎧が壊れたらこっちで修理アイテム出します)

(そうしてもらえると助かります)

「王様さっきからずっと黙ってるけど機嫌悪いのか?」

「いや、こういう催しも悪くないと思ってな、貴様はどうする?」

「どうするも何も私の居場所は王様の隣だ、ギルが戦うのなら私はその隣に立つ」

「ほぅ、よい度胸だ、その度胸に免じ、特等席で我の勇姿を見ることを許す」

 

 

嬉しい事を言ってくれるというか無駄にかっこいいな、惚れそうだ

そうしているうちに六階層の闘技場に到着する

 

「審判は私が執り行う、問題はないな」

「いいだろう、心して掛かって来るがいい」

 

 

「まずはわらわからでいいでありすんかぇ」

「イヤ、ワタシカラダロウ」

「どっちでもいいから早くしてよ!」

 

この時に守護者達はまだ幼子と変わらなかったのだ

戦闘は知っていても相手を知り自分がどうすべきか理解していなかったのだ

 

自分たちの前に立ち偉そうにするモノが何か知らなかったのだ

 

「・・・・・・たわけどもめ」

 

そう呟いただけ

それだけでその場の温度が下がったようだった

 

「我は心して掛かれと言った筈だ、何故待たせる」

逆らってはいけないという本能

本来ならば主人にしか浮かばないであろう本能が相対している相手に働こうとした

 

誰から行くかと話し始めた守護者に対して放たれたのはワールドキングのパッシブスキル『王の言葉(キングワード)』ワールドクラスを除く全てのレベル関係なく畏怖させるという効果を持つスキルだ

畏怖に対する耐性があったとしても怯ませる程度の効果はある

 

そのスキルに乗せて放たれた言葉に守護者達は畏怖を抱いてしまったのだ

だがそれを許せるほど守護者達は腐ってはいなかった

「舐めた真似を・・・!」

「今の言葉を後悔させてやる!!」

 

 

「雑種如きが粒で来ようとするでない、全員まとめて来るがいい」

その瞬間ギルガメッシュの後ろの空間が歪む

『王の財宝』

ギルガメッシュの持つスキル支配したワールドの武器、防具、アイテム、乗り物、その全てを内包する蔵

その中に内包された伝説級(レジェンド)の武器の数々が黄金の波紋から顔を見せていた

その数はおよそ30

その全てが守護者達のほうへと向いていた

 

 

「なっ!?」

「呆けている暇はないぞ?」

その全てが弾丸のような速度で発射された

 

 

最初に反応したのはアルベドだった

「ウォールズ・オブ・ジェリコ!ふんぐぅああああああ!!!!」

いつもならカウンターアローやミサイルパリィで迎撃してがこれは駄目だと察したのか全体防御で対処する

 

「いつまで持つかな?」

 

英雄王の手数に追われ防御が手放せなくなってしまった

だがその間に動くものがあった

 

「隙アリ!」

「消えろ!」

 

アルベドが防いでいる間にコキュートスとシャルティアが大技で止めに入る

 

「風斬!」

「清浄投擲槍!」

 

交差するように放たれる攻撃

lv80程度のプレイヤーならばこれで終わりだっただろう

 

「たわけ」

「「!?」」

 

二人の攻撃は直前で現れた盾により防がれ眼前に現れた波紋からの武器射出により弾き飛ばされる

 

「グゥ!」

「ぐ!」

コキュートスの外殻が削られシャルティアのドレスが切り裂かれる

 

「マーレ!、アウラ!二人に援護を!」

「は、はい!」「りょーかい!」

 

〈影縫いの矢〉〈トワイン・プラント〉〈石化の視線〉

 

拘束系のスキルと魔法がギルガメッシュへと向かう

 

やはりこうでなくては

 

なんの策も連携も取れないNPCだと侮っていた

所詮はレベルだけの雑魚だと

 

だが手抜きとはいえ自分を前にこうして抗っている

そのことに喜びを感じてしまう

 

 

「よい開幕だ。死に物狂いで耐えろよ雑種―――!」

 

 

 




ごめんちょっと待って

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