死の支配者と英雄の王の邂逅   作:霞梳卯狩

13 / 16
飛ばしてもイイかなって思ったけど・・・

次回から!次回から活躍しますから!(アインズ様が)



漆黒の戦士と愉快な仲間たち

その日のエ・ランテルはいつもと変わらない日常だった

 

そんな日常では見ないような光景が住民や冒険者達の前に繰り広げられていた

 

「それでモモンさん、まずはどうするんですか?」

 

「冒険者組合という場所があるそうなのでまずはそこで冒険者として登録しようかと」

 

「わかりました、僕たちもご一緒してもいいですか?」

 

「構いませんが・・・」

 

「すまない、モモンさん」

 

「構いませんよハクノさん」

 

「・・・」

 

漆黒のフルプレートと並ぶ金髪赤眼が目立つ小柄な美少年、その二人についていく草臥れてはいるが美少女に黒髪ポニーテルの美女

 

そんな集団が冒険者組合へと向かっていく

 

目立たないわけがない

 

「ここですね、ではいきましょう」

 

美少年を先頭に受付へと向かう

ここにくるまでに周りからの好奇心や嫉妬の入り混じった視線が多く突き刺さっているが草臥れた少女以外はどこ吹く風状態である

 

冒険者登録を済ませ組合に紹介された宿へと向かう

 

「冒険者とは言いますけどこれただの何でも屋ですよね」

 

「私も少々期待してはいたんですがそのようですね」

 

「モモンさんでも冒険にはわくわくするんですか?」

 

「もちろんですよ」

 

「ギル君、着いたみたいだよ」

 

ギルドからそう離れていない場所にあるその宿は

 

「案内された時点でわかってはいましたが」

 

「駆け出し向けの安い宿って言う奴ですね」

 

「私は大丈夫だが、ギル君とアインズさんがここ入るのか?」

 

「僕は特に構いませんよ?大人の僕なら一番高い宿に向かいそうですけど」

 

「それじゃあ入りましょう」

 

若干立て付けの悪いドアを開けて店内に入る

 

室内にしては暗いその空間は酒場となっているのだろう

それなりに広くなっていてその奥にカウンターや酒棚がある

 

「ちょっと暗いですね」

 

その声を聞き下卑た笑いがそこかしらから聞こえる

 

ガキだぜ、おいおいここは酒場だぜ、ママのミルクならここにはねーぜ

 

一瞬にしてアインズと白野が目を合わせてから子ギルを見るが本人はどこ吹く風のようだ

 

「どうしたんですか?二人とも」

 

「いや、なんでもない」

 

それなりに汚い場所であることは予想していたがここまでとは思わなかった

どこを見ても汚物が目に付くのだ

アインズは内心でため息を吐き出すと店の奥へと向かった

 

「宿だな。何泊だ」

 

「一泊でお願いしたい」

 

「銅のプレートか。相部屋で1日五銅貨だ」

 

「出来れば二人部屋を2つお願いしたいのだが?」

 

後ろから微かに鼻で笑ったような声が聞こえた

 

「この街には冒険者御用達の宿屋はうちを含めて三軒ある。その中で一番下が俺の店なんだが・・・・・・組合の人間にここを紹介されたんだろうが、どうしてか分かるか?」

 

「分からないな。教えてもらえるか?」

 

即答するアインズに店主がドスを効かせた声で怒鳴る

 

「ちっとは考えろ!そのご立派な兜の中はガランドウか!」

 

「(伽藍の堂へようこそ~って?)」「(白野はなにを言っているんですか?)」「(ごめんわすれて)」

 

「ちっ・・・・・・それなりに肝は据わってるようだな。ここに泊まるのは大体が銅か鉄だ。同じ程度の実力なら手を組んだりする可能性がある。そうやって駆け出しの仲間を探すのに俺の店がもってこいだからだ」

 

「個室に寝泊りするのはいいが接点がなけりゃあ仲間は出来んぞ、後ろにいるのをお守りするんなら、そういうことも必要だ。最後に聞くぞ、本当に二人部屋で良いんだな?」

 

 

「あぁ、構わない。あと食事は必要ない」

 

「あとで後悔するんじゃねぇぞ。一日七銅貨。前払いだ」

 

銅貨を支払い階段へと向かう先へスッと行く手に足が出された

アインズはその足の主を見るとため息を吐き出し軽く蹴り払う

 

「おいおい!いてぇじゃねぇかよ!」

 

「そうか。この兜だと視界が悪くてな。足があったのが見えなかったよ」

 

「足が短くて見えなかったとか?」

 

「あ゛あ゛ん!?」

 

「くっくっくくく」

 

「ぐっく、ま、まぁいい。俺は寛大だからな、そこの女二人を一晩貸してくれたら許してやんぞ?」

 

男がそう言った瞬間にその場が凍った

 

「まぁまぁ、そう怒らないでください」

 

全員の目がその少年へと集まった

 

「ところで、いったい誰の許可を経て誰を貸して欲しいんですか?」

 

見惚れるような美少年は何事もなければその場を和ませただろう

 

「聞いてるんですよ?誰を貸して欲しいって?」

 

その少年から感じる圧力に全員が屈している

 

「ギル君、私は良いから」

 

そんな中で本来なら怒る側のはずの少女が彼を制止した

 

「てめぇらいったい」

 

「お前はもう黙れ」

 

そう言ってアインズが男を軽く払うと

 

「う゛っ!?!」

 

華麗な放物線を描いて

 

「うっきょぉおああああああああああ!??!??!」

 

とあるテーブルへと落下した

 

そこからその場の収拾は早かった

 

アインズの膂力を知った男達は平身低頭になり悲鳴の主に割られたポーションの弁償を求められマイナー・ヒーリング・ポーションを渡しその場は収まった

 

「部屋に着く前に疲れてしまいましたね」

「そうですね」

「は、ははは」

「・・・」

 

さっきの奴ら何者だったんだ?全身鎧の野郎もだがあのちっこいガキもなんだありゃ、なんかやばいやつだな、逆らっちゃいけないような

酒場での話題はさっきの出来事で持ちきりだった

 

「おいブリタ、さっきからどうした」

「おやっさん、こいつさぁ」

「ん?なんでぇそりゃあ」

「さぁ」

「さぁっておめぇ」

 

 




これ本当にどうしよう

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。