死の支配者と英雄の王の邂逅   作:霞梳卯狩

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初めまして!
かときうかるです!
自分の好きなキャラと好きな作品を混ぜてみたかったのでやってみます!


異世界転移

長いようで短かった

そんな時間が今終ろうとしている

 

DMMORPG ユグドラシル

 

12年と数か月のクローズドやオープンのテスト期間も含めて遊びつくして金を注ぎ込んだこのゲームが今終る

 

少ないフレンドや多くのギルドメンバーはすでに引退しここにいるのは自分と隣に立つNPCだけ

 

今振り返っても有意義な金の使い方をしたと思っている

幸いなことに両親も自分もお金を稼ぐことは得意だったようでそれなりの高水準な給料を生活費以外はすべて注ぎ込んでいたといいっても過言ではない

それでも自分の姿や隣にいるNPCを見るとそう思う

 

Fate

 

2000年代初期に流行したゲームや小説を掘り出しプレイしもっとも気に入ったキャラクターギルガメッシュ

そんな彼になりきれると喜んでクローズドから始めたこのゲーム

 

そんな彼の姿の中でももっとも惚れたのがFate EXTRA CCCでの彼だ

主人公を気まぐれで助けてその姿を見て楽しんでいたかと思えば真剣に主人公と肩を並べて共に進む

あの数々の名言に心を打たれ彼のようになりたいと思った

 

だからユグドラシルでもそうした

財を集めギルドを組み国を支配しワールドの一つを支配する王になった

ワールドキング

その称号を得て運営からの報酬で望んだものは一つだった

「天地開闢以前、星があらゆる生命の存在を許さなかった原初の姿、地獄そのものを再現する剣、乖離剣エアがほしい」

そんな無茶な要求に運営が出した回答は快諾だった

そんな運営から送られたワールドアイテム「原初の剣(乖離剣エア)」は我専用のワールドアイテムだった

それとは別に王の財宝(ゲートオブバビロン)も送ってくれたのだから運営には感謝の言葉しかない

どちらの性能も原作通りワールド一つを支配するには過剰なほどのものだった

 

そんなアイテムを持ち、ワールドを支配した自分にはほかにすることがなくなってしまった

王の財宝はワールド内で作られるギルド武器を除くすべてのアイテムが貯蔵されていく、それが神器級であろうとすべてを貯蔵していった

あくまでオリジナルがコピーされて貯蔵されているだけなので贋作者の方に近い気がするが回復薬などの道具や乗り物までも貯蔵できるのでそこは黙っておくことにする

 

そんな暇な自分の為に作った個人用NPCがCCCの主人公、岸波白野だ

レベルは100だが防御や補助メインで攻撃はあまりできない構成で作ったのでCCCのラストあたりくらいにはなるんじゃないだろうか

この諦めないことしかできない主人公がいると思えば一人でいるのも寂しくはなかった

 

そんな玉座の間で終わりを待つ日々が今日終わる

ギルドランキングでは結局5位で終わってしまって不本意以外の何物でもないがこればかりはもうどうしようもない

 

何度目かのため息をつきながら玉座から立ち上がり横で座っている岸波白野を見る

このNPCともお別れだ、データは保存してあるのでほかに似たようなゲームができればそこでまた作ることでもできるだろうがそれは少し悲しい気がする

 

「立て、ついてこい」

 

NPCコマンドで岸波白野を付き従いさせる

 

最後くらい外の世界を見ながら終わるのを待つのもいいかもしれないと玉座の間のテラスへと向かい移動アイテムヴィマーナを取り出す

 

「乗れ」

 

岸波を先に乗せ自分も乗り席に座る

ヴィマーナを動かし上昇し移動を開始する

最後まで待ったんだ、最後ぐらい自由に動き回っても誰も文句は言うまい

 

サーバーダウンまであと30秒

せめて景色を目に焼き付けようとギルドホームを空から見る

あと20秒

都市と言えるほどのギルドホーム、輝かしき栄光の残骸

あと10秒

もう満足だと思いギルドを離れ真っ直ぐに速く、速く、飛ぶ

あと5秒

「さらばだ…」

0秒

 

 

 

 

 

 

その瞬間

 

光が消えた

 

 

視界が開けた先は先ほどと変わらない景色だが絶対にありえないことが起こっていた

視界からUIが消えていたのだ

 

「なにが…」

 

何が起こっていると言おうとするもそれは横からの声に遮られた

 

「おい!おいギル!ギルガメッシュ!一体どこまで行くつもりだ!さっき何かに飲み込まれたぞ!おい!おいって!」

 

横にいたNPCであるはずの岸波白野がこちらを向いてしゃべっていたのだ

 

「あ、ありえない…」

「何がだ!?何がありえないんだ!?またか!?また慢心したのか?」

「ええい!落ち着け!落ち着かんか!」

「王様が落ち着きすぎなんだ!さっきの黒いナニカは何だ!?」

 

さっきの目の前が真っ暗になる感覚はログアウトの感覚ではなかったのか

どうして、何が起こっているのか

考えることはいくらでもあるが考えられるのはユグドラシル2へと移行したのかサーバーダウンが延期されたのか

 

だがそれならNPCがしゃべるのはありえない、声の設定なんてできない以上はしゃべろうとしても声がつくはずがない

「いいから一度これを止めてくれ!何が起こっているか確認させてくれ!」

 

たしかにとヴィマーナの移動を止める

「おい、こっちによれ」

 

以前流行した異世界転移物のゲームやライトノベルの可能性、それを知るべく、ゲームでは絶対にできなかったことをここで試す

 

「なんだ、あともうちょっと下に下げてくれ、こんなに高いんじゃ下が細かく見え…」

 

ズキュゥウウウウウンという効果音でもつきそうな勢いでギルガメッシュと岸波白野はキスをした

 

「なっ!?ばっ!?な、なんなんだ!AUO!またなにかの冗談か!?」

 

ゲームの世界ならこんなことをすれば即BANなのに何かが起こることはない

つまり、ここはゲームではない

 

「おい!せめてなんか言え!言ってください!、ああもう、なんか悲しくなってきた」

 

ここは異世界で現実だということだ

 

「フフ、フハハハハハハハハハハ!よい!そう喚くな雑種、嬉しさのあまり泣くのはいいが嬉ションはするなよ?我が財が汚れる」

「するわけないだろう!そこまで墜ちた覚えはない!全く、それでここはどこなんだ」

 

 

「わからぬか?」

「ホームからかなり離れているにしてはこんな地形見たことない」

「そうだ、ここは異世界だ」

「は、はああああああああ!?」

「ハハハハハハッ!よい!よいぞ!いいリアクションだ雑種」

「全く、なにかするならちゃんと伝えてくれ!あとそろそろ下へ降ろしてくれ、周りの確認ができない」

「降りた先は地獄かもしれんぞ?」

「こんな平らな草原地帯に地獄なんてあってたまるか、それにあったとしてもギルなら何とでもできるだろう」

「無論だ、我を誰だと思っている」

「はいはい、最強無敵のAUO様ですよ~」

「引っかかるがまあよい」

 

NPCと会話する、それだけだったが今自分は心躍るほどに興奮していた、あの夢にまで見た岸波白野との会話、ぶっちゃけ超美少女だし何より声がいい

あと初キスがNPCなのは経験とカウントされるんだろうか

 

心ではソーラン節でも踊りそうになりながら平静を装い下へと降りていく

 

「なあ、あれってナザリック地下大墳墓じゃないか?」

「なに?」

 

言われた方向を見るとそこには確かにナザリック地下大墳墓の表層、入り口が見えていた

 

「あとなんかこっち見てるおじいさんがいる、すっごいナイスな老執事っぽい!」

確かに少し離れた位置に燕尾服を着た老人がこちらを見ている

「不用心に近づくなよ雑種、あれが味方とは限らん」

「でもなにか知ってるかも」

 

岸波の言う通りではあるが老執事の位置からしてあれはナザリックから出てきたものだろう

ならばこちらに危害を加えてきても不思議はない

いつでも岸波を守れるように王の財宝展開の準備だけはしておく

 

「もし、そこのお二方はこのあたりの住人でいらっしゃいますでしょうか」

 

警戒してところ呼びかけられる

「ほら、多分大丈夫だって、違います、私たちここに転移させられてしまったみたいなんだ」

「これは失礼を、私はナザリック地下大墳墓の執事をしています、セバスと申します」

「私は岸波白野、こっちはギルガメッシュ」

「ふん、貴様がここにいるということは周辺の偵察と情報把握の為か?」

「はい、我が主の命により偵察と情報収集を行っていました」

「ならばその主とやらに伝えろ、英雄王がいるとな」

「了承いたしました」

 

________________________________________________________________

 

 

『なに!?ギルガメッシュだと!?それは確かか』

『はい、自らを英雄王と名乗り隣には岸波白野という人間の少女を連れています』

『彼らから敵対行動はされていないか?』

『はい、ギルガメッシュ様はこちらを警戒しているようですがあくまで岸波様を害されない様にしている程度でこちらに敵意があるようには見えません』

『わかった、して、彼らは転移させられたと言ったのだな』

『はい、恐らくは我々と同じような状況かと』

『わかった、あとはこちらで話そう、二人を第6階層まで案内してくれ』

『よろしいのですか?』

『もし敵対した場合は非常に厄介だが第6階層には守護者たちが全員揃っている、いざとなれば勝てなくはないはずだ』

『わかりました』

 

 

________________________________________________________________

 

 

 

「主よりお二人をお連れせよと伝言が入りました、どうぞこちらへ」

「わかった」

「入った先で総戦力が待っているなんてことがないといいがな」

「ッ!」

「なに、AUOジョークだ、笑うがいいフハハハハハハ」

「すまない、放っておいて先に進んでくれ」

「おい!雑種!貴様、王をなんだと思っている」

「王の中の王ギルガメッシュ様ですよ~」

「なんだわかっておるではないか」

 

そんな彼らのやり取りを背にセバスは第6階層へと彼らを案内するのであった

 

 

 

 

 

 

 




感想でもありましたが自分でもかなりしっくりこなくて修正していきます!
すまない!思いつきで走ろうとしてすまない!



あと岸波白野はここでも苦労します!(ただし移転後の世界でそのステータスは)
岸波のステータス
属性中立~善 カルマ値100
人間
ウィザードLV5
アカデミック・ウィザードLV10
ハイ・ウィザードLV15
クレリックLV5
ハイ・クレリックlv10
ファイターLV5
ガーディアンLV10
エレメンタリスト(エア)LV10
バードLV5
ハイ・バードLV10
タクティカルインストラクターLV15

LV100ですけど専門職までいってないのでユグドラシルなら戦力的に下の中くらいかなと

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