ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
このお話を最後に、次回から4巻の内容にに突入します
それでは本編どうぞ
ボク、無雲零華はいわゆる転生者というやつだ。前世で神様の手違いによって死んでしまい、そのお詫びとして『ハイスクールD×D』の世界に(ほぼ強制的に)転生させられた。それも特典能力付きで。正直言って、この状況をボクは素直に喜べない。
ハイスクールD×Dは前世で好きだったラノベの一つだった。原作のキャラをこの目で見れるというのは嬉しいといえば嬉しい。だがボクは知っている。この世界は死亡フラグ満載且つ力のインフレが止まらないやばい世界だということを。神様からは二天龍クラスの力をもらったけれど
はっきり言おう、冗談じゃない。前世で神様の手違いで死んでしまったというのにこんな命の危機的な意味でやばい世界に放り出されるとかまじふざけんなと思った。だから、死にたくないボクは決めたのだ。可能な限り原作には関わらないで、尚且つ原作の顛末を眺めてやろうと。たとえ関わるとしても命の危機の少ない桐生ポジションに居座ろうと。ボクはそう決心をし、駒王学園に入学したわけだが・・・・入学したボクを驚かせることが二つあった。
一つは主人公である兵藤一誠ことイッセーが女の子であったことだ。ハーレム願望を持ち、おっぱいを愛し、おっぱいで数多の奇跡を引き起こしたあのイッセーがなぜか豊満なおっぱいを持つ女の子であったのだ。ただまあ、これについてはまだマシか。驚きはしたが、この世界のイッセーは原作イッセーと同じようにおっぱいを愛し(自分のは嫌いなようだが)、ハーレムを志す百合少女だったから性別以外原作とは大して違いはない・・・・・まあ、原作展開的にいろいろ問題も生じるかもしれないが、それはおっぱいの奇跡で何とかしてくれるだろう。多分。
問題は二つ目・・・・・そのイッセーの親友に私の知らない男がいたことだ。男の名は現世朧。イケメンではあるが原作イッセーに引けを取らない変態でハーレム願望持ち・・・・・つまりは残念なイケメンだ。初めは無駄にイケメンだけどイッセーの性別が違うということもあってボクが知らない奴が居てもおかしくないと思っていたのだが・・・・・神様から貰った(押し付けられた)能力で知ってしまった。こいつが
なぜか女の子になったイッセーの身近に居てイケメンで変態でハーレム願望を持っていてボクの知らないドラゴン系の神器の持ち主・・・・・ボクは彼が転生者ではないかと思った。それもロクデナシでクズな踏み台系転生者ではないかと。そう思ったボクは彼を警戒し、色々と調べていたのだが・・・・・・調べれば調べるほど、転生者であるかはともかく、彼はもしかしたらクズではないのかもしれないと思うようになった。
下心丸出しの顔で女の子を目で追うし、人前で平気でイッセーとおっぱいやらフェチやらの話をしているのだから間違いようのない変態ではある。けれど・・・・・それでも彼は優しかった。付き合った女の子には紳士的に振舞うし、困っている女の子がいたらすぐに助けようとして・・・・・基本的には男はスルーしていたが、それでも積極的に見返りを要求するようなことはなかった。さらに言うなら、彼はイッセーを親友としてこれ以上ないほどに大切にしていた。百合だの変態だのと蔑まれていたイッセーのよき理解者であろうとしていた。変態というところに目をつぶれば、普通にいい奴だと思った。そしてそんな彼を・・・・朧くんのことをボクは段々・・・・・
朧くんと関わろうと思った。だからボクはわざわざ風紀委員に入って、変態行動を取る彼に厳重注意をするという名目で話をする機会を得たのだ。話してみると、より一層彼の人の良さが窺い知れた。本人は否定しているのか、あるいは自覚していないのか、自分のことをクズだと言い張っていたがボクはそう思えなかった。当然のように女の子を・・・・ボクを気遣うことができる彼をクズだなんて思えるはずがない。まあ、なぜか彼の中のドラゴン・・・・ラムにはひどく嫌われてしまってはいるが。
そんなこんなで彼への想いと昂ぶらせている中・・・・・この世界は原作に突入した。だが、原作は現世朧というイレギュラーが原因で正史とは違う流れとなっていた。
朧はレイナーレやレイヴェルといった原作キャラと関わりを・・・・・二人を自身のハーレムに入れた。原作キャラに手を出したのだからやはり転生者なのかとは思ったが、それでも彼を嫌悪したりはしなかったし、クズだなんて思うこともなかった。むしろ・・・・・ハーレムに入ったレイナーレやレイヴェルが羨ましくてたまらなかった。
朧くんがかつて母親と共にコカビエルに捕らえられ、母親をコカビエルに陵辱された挙句に殺されたことを知った。それを聞いて彼は転生者ではないと確信した。わざわざ転生しておいて過酷な過去を背負うとは思わなかったからだ。ただまあ、転生者であろうがなかろうがもはやどうでもいい。彼がどんなふうに原作に関わり、原作を歪めていったとしてもどうでもいい。
そうだ・・・・ボクは朧くんのことを調べていくにつれ、朧くんに惹かれてしまったのだ。彼のことが愛おしくなってしまった・・・・・彼のことを好きになってしまったのだ。
あんな変態をどうしてなんて言う奴もいるかもしれないが、元々ハイスクールD×Dのことを知っていたボクからすればどうってことない。そっ閉じ案件多発の原作が好きだったボクからすれば朧くんのフェチなど大した問題ではない。むしろ可愛いものだ。得体の知れないイレギュラーだからなんだって言うんだ。そんなの転生者であるボクも大して変わらない。
好きだ・・・・・好きだ好きだ好きだ。大好きだ。どんな原作キャラよりも、木場よりもヴァーリよりも曹操よりもボクは朧くんの方がカッコいいと思う。朧くんの方が可愛らしく思う。朧くんの方が・・・・好きで堪らない。彼のハーレムに入りたい。そのためにボクは唯一自慢できる太ももを磨き上げ、彼を魅了し続けていたのだから。
もうすぐ起きる三種族会談。原作におけるターニングポイントの一つ。そこで彼は何かをしようとしていて・・・・それを終えたら、二度と会えなくなるかもしれないと言っていた。何をするのかはわからないけれど、君がそう言ったんだ。もしかしたら君は・・・・この世界からいなくなってしまうかも知れないね。
君の選択を阻むつもりも否定するつもりもないから手出しはしない。けど・・・・それでも・・・・どうか許してくれ朧くん。邪魔はしないけれど・・・・君のその目論見が上手くいかないことを僕は願う。君がこれからもこの世界に有り続け、いつかボクが君のハーレムに入る未来が訪れることを期待する。そんなボクを・・・・どうか許しておくれ。お詫びと言ってはなんだけれど、いつかボクが君のハーレムに入ることができたなら、ボクの全てを君に捧げるから。ボクの全てを滅茶苦茶にしてしまっていいから。
ああ朧くん・・・・
ボクは・・・・ボクは・・・・
ボクはもう・・・・・・・君に呪われてしまったよ
永遠に覚めない恋の呪いに・・・・
だから・・・・ボクは願うよ
これからも君が・・・・・この世界にあり続けることを
ボクは・・・・・願うよ
ということで、今回は転生者、零華さんの独白でした
強力な力を持ち、朧に好意を寄せている彼女ですが、本格的な原作介入はかなり先になりますのであしからず
そして次回からは4巻の内容・・・・・またシリアスな話になっていきますのでご容赦を
それでは次回もまたお楽しみに!