ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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メインヒロインであるレイナーレが全然登場しない・・・・・

ま、まあそのうち出るのでしばしお待ちを・・・・

それでは本編どうぞ


第6話

夕麻ちゃん(仮名)を手に入れようと決めてから数日、情報収集はまずまず順調だといえる。

 

彼女がまだこの街にいることを実際にこの目で見て確認することができたし、他にも彼女以外の堕天使が数人この街に来ていること、そして街の廃教会を拠点にしていることも把握できた。残念ながら彼女達の目的は未だわかっていないが・・・・それもおそらくは時間の問題であろう。

 

ただ・・・・今俺は別の問題に直面している。というのも、イッセーの様子がおかしいのだ。

 

「なあ朧・・・・」

 

「なんだイッセー?」

 

「・・・・・ごめん、やっぱ何でもない」

 

またか。登校してから放課後の今まで・・・・これで4回目だ。

 

神妙な面持ちで俺に声をかけてきて、どうしたか尋ねるとなんでもないと返される。こんなことこれまでの付き合いで初めてだ。

 

ただまあ・・・・・なんとなくだが検討はつく。おそらくイッセーは・・・・気がついたのであろう。自分が悪魔に転生してしまったことに。

 

堕天使に接触したのか、はたまたイッセーの神器に宿った例のドラゴンに聞いたのか、それともイッセーの主たる悪魔にとうとう告げられたのか・・・・あるいは別の要因か。ともかく何らかの理由で自分が悪魔であることを自覚したのだと思う。そしてこの態度は・・・・・それを俺に告げるかどうか迷っているのだろう。

 

普通ならそんなこと告げるべきではないだろう。主である悪魔の立場を危うくさせる可能性もあるからな。だが・・・・それでも俺に告げようとするのはおそらく俺がイッセーの親友だから。

 

それでこうして迷ってくれている・・・・・まあ、俺の考えすぎの可能性もあるがそうだとしたら嬉しいものだな。

 

だが・・・・あんまり思いつめた顔をされても困る。これは俺の好きなイッセーではないからな。

 

だからまあ・・・・・こっちから言ってやるのがいいだろう。

 

「イッセー、なにか俺に隠し事か?」

 

「!?ど、どうして・・・・」

 

「どうしてわかったって?4回も声をかけられてどうしたって尋ねても何でもないって返されれば簡単に察せるに決まってるだろ?」

 

「うっ・・・・」

 

俺の指摘に思わずたじろぐイッセー・・・・・こう言ってはなんだがやはりイッセーは少々頭がよろしくないな。まあ、そういうところも気に入ってるのだが。

 

「イッセー・・・・・別に無理して言うことないんだぞ?」

 

「えっ?」

 

「俺とお前は親友同士だ。俺にとってイッセーは唯一無二の友達だし俺の自意識過剰でなければイッセーにとっての俺もそのはずだ」

 

「・・・・うん。それは間違いない」

 

おおう・・・・・恥ずかしいこといった自覚はあるし実際結構恥ずかしかったけど、間違いないって返されるとさらに恥ずかしいな・・・・・それ以上に嬉しく思うが。

 

「だがな、親友だからなんでも包み隠さず話すって考えは正しくないと俺は思う。誰にだって知られたくないこと・・・・・それこそ墓場にまで持っていきたい秘密や隠し事はあってもおかしくない。もちろんイッセーも例外ではないと思っている。例えば更衣室や銭湯で見かけた理想のおっぱいをもった女の人の事を思って自分を慰めていたり、夜な夜なおっぱい的な儀式にふけっていたり・・・・」

 

「お前は私をなんだと思ってるんだ!確かにどっちもやったことはあるけども!」

 

・・・・え?どっちもあるの?前者はともかく後者は完全に冗談だぞ?なんだよおっぱい的な儀式って。切り出したの俺だけどわけがわからないですよイッセーさん?しかも暴露したってことはそれイッセー的に隠し事にならないの?

 

「まあともかく・・・・人には何らかの秘密や隠し事があって当然。それを教える教えないのはお前の自由だが・・・・別にそれを教えてくれようがくれまいが俺のお前に対する印象やら友情がマイナス方面に働くことはない。俺の心の中の黒髪神やうなじ神やくびれ神や鎖骨神に誓ってもいい」

 

「朧・・・・・」

 

「だから・・・・言いたくなければ言わなければいい。な?」

 

俺はイッセーの頭を撫でながら言う。すると、イッセーの表情は目に見えて明るくなった。

 

「・・・・ありがとう朧」

 

「別に礼を言うほどのことでもないが・・・・ま、どういたしましてだな」

 

これで大丈夫そうだな・・・・よかった。

 

でも・・・・ごめんなイッセー。お前が隠したい事実・・・・お前が悪魔であるということは俺はもうすでに知ってしまっている。そして俺がそれを知っているとお前がわかるまでおそらくそう時間はかからないだろう。

 

だけど、それまでは・・・・・何も知らない親友を演じさせてもらう。

 

さらに言うなら俺はイッセー以上に秘密や隠し事が多いしな。

 

罪悪感は多少あるが・・・・・それでも話すわけにはいかない。少なくとも今はな。

 

「ところで朧、さっき言ってた黒髪神やらうなじ神やらってなんだよ?」

 

「イッセー・・・・・俺の心の中には理想の黒髪やうなじ、くびれ、鎖骨を持つ女神様がいるんだよ。俺はそれを崇拝している・・・・それだけだ」

 

「そ、そうか・・・・・」

 

「おいイッセー・・・・お前何引いてやがる?どうせお前の中にもおっぱい神はいるんだろ?というかお前ほどのおっぱい星人の心の中におっぱい神がいないはずない」

 

「私をなんだと思ってるんだ・・・・・・まあいるけど」

 

お前最後にぼそっと言ったの聞こえてんぞ。やっぱりいるんじゃねえか。

 

それをイッセーに突っ込んでやろうとした瞬間・・・・声をかける人物がいた。

 

「やあ、ちょっと失礼」

 

俺とイッセーは声をかけてきた人物を見る。

 

そこにいたのはイケメンフェイスに爽やかな笑顔。全身から漂うモテオーラ・・・・同学年の、いや、学園一の美男子、木場祐斗であった。

 

正直イケメン度は俺より上だろう・・・・まあ、別に悔しくないけどね。ただ一回くらいもげないかなと思ったことはあるけど。

 

だが、こいつがここに来たとなると・・・・

 

「・・・・なんのよう?」

 

イッセーはジト目で木場に尋ねた。相変わらず女の子の癖に徹底したイケメン嫌いだなコイツは・・・・別に構わんが。

 

「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ」

 

その言葉を聞いた瞬間、イッセーは目を見開いた。完全に心当たりがあるのだろう。

 

かく言う俺も・・・・合点がいった。木場が来た時点でそうなんだろうなと思っていたが・・・・やはりイッセーを悪魔に転生させたのはリアス・グレモリーか。

 

・・・・正直少し安心したな。シトリーでも悪い目には合わないからいいと思っていたが、グレモリーは悪魔の中でも一際愛情深い一族だ。そのグレモリーの眷属になれたのならば・・・・それなりの幸せは約束されているだろう。

 

「・・・・私はどうしたらいい?」

 

「僕についてきて欲しい」

 

イッセーの問いかけに木場がそう答えた瞬間、教室内は女子の悲鳴に包まれた。

 

やれ、どうして木場くんが兵藤なんかをだとか

 

やれ、木場くんが汚れてしまうだとか

 

やれ、兵藤じゃ木場と釣り合うはずがないだとか

 

やれ、木場×兵藤なんてカップリング許せないだとか

 

・・・・・お前ら木場に気があるのはわかるが言いたい放題だなおい。

 

というか別にいいだろ・・・・イッセーは確かに性格というか性癖がかなりアレだが見た目はクラスどころか学年の中でもトップクラスといっていいほどの美少女だぞ?本人はコンプレックスにしてるけどおっぱい大きいんだぞ?正直木場とだって十分に釣り合ってると言っても過言じゃないんだぞ?

 

・・・・いや、最後のは撤回する。木場にイッセーは勿体無い。木場×兵藤なんてカップリング俺も許さん。もしも本当にそうなりそうになったら木場のをもいでやる。イッセーは絶対に嫁にやらんぞ。

 

『嫁にやらんって・・・・あなたイッセーちゃんのお父さんでもなんでもないじゃない』

 

うっせーよラム!てめぇ今まで静観してたくせにこういう時だけ突っ込んで来んな!そして父親だとかそんなの関係ない!イッセーを娶りたいなら最低でも俺を圧倒できるぐらい強くなきゃダメだ!認めない!

 

『じゃあ白龍皇なら認めるの?』

 

冗談じゃねぇ!あんなバトルジャンキーにイッセーはやらん!それだけは何があっても嫌だ!たとえイッセーが惚れても全力でくっつくの阻止してやる!

 

『あなためちゃくちゃね・・・・面白いからいいけど。それよりもイッセーちゃんが見てるわよ?』

 

ラムの言うとおり、イッセーがチラチラとこっちを見ている。どうやら俺に遠慮しているようだ。仕方ないな。

 

「俺のことは気にしなくてもいいから行きな」

 

「朧・・・・ありがとう」

 

「ただまあ・・・・木場、一つお前に言っておく」

 

「なんだい?」

 

まさか自分に振られるとは思わなかったようで、木場は驚いた様子を見せながらも返事を返してきた。

 

「一応言っておくけど・・・・・イッセーに変なことするなよ?絶対にするなよ?したら・・・・くけけけけけ」

 

「あははははは・・・・・肝に銘じておくよ」

 

何をするかは明言していないが、それでも嫌な予感はしたようで顔色を悪くする木場。

 

木場・・・・何を想像したか知らんが多分それ以上に悍ましいことになるからな。

 

「それじゃあ行こうか」

 

「わかった。またな朧」

 

「ああ。また明日」

 

俺と挨拶を交わした後、イッセーは木場のあとについて教室を出て行った。

 

・・・・さて、俺も行くか。

 

『こっそり潜り込んで話を聞くつもり?』

 

さすがラム、鋭いな。なにか堕天使どもの情報について聞けるかもしれないし・・・・何よりイッセーがちゃんと馴染めるかどうか心配だからな。

 

『さっきのことといいあなたまるでイッセーちゃんの保護者ね・・・・それより潜り込むのはいいけど見つからないように気をつけなさいよ?』

 

大丈夫だよ。そんなヘマはしない。俺には・・・・お前の力があるんだからな。

 

『・・・・そこまで買ってくれるなんて相棒として嬉しいわね。ありがとう』

 

どういたしまして。

 

さて、それじゃあ・・・・・色々と聞かせてもらいますよ。グレモリーさんとその眷属さん達。

 

 




朧の秘密、隠し事はかなり多いです

まあ、隠しておかないと色々と面倒ですからね・・・・それでもいずれは判明しますが

それでは次回もお楽しみに!

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