ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
書いてて気がつく、俺この二人の絡みが割と好きだ
それでは本編どうぞ
放課後、いつもならイッセーやアーシアとオカ研の部室のある旧校舎に向かうのだが、今日は学校の屋上に来ていた。理由はまあ呼び出されたからなのだが、その呼び出した人物というのは・・・・
「どーも生徒会長」
駒王学園の生徒会長にして上級悪魔のソーナ・シトリーであった。
「こんにちは現世くん。わざわざ来ていただきすみません」
「いえいえ、美人なお姉さんからあのような形で呼ばれてしまっては来なければ男がすたるというものですよ」
今日の昼休みの時、シトリーはリアスと新しい眷属(リアスはイッセーとアーシア、シトリーは匙)の顔合わせをさせるためにオカ研の部室に訪れた。そのとき、誰にも気づかれないようにこっそりと俺のポケットに手紙を忍ばせたのだ。わざわざそんな手の込んだことしてまで俺なんかと話がしたいだなんてシトリーも変わってらっしゃる。
『それにわざわざ応じるあなたもどうかと思うわよ?話の内容だなんてわかりきってるのに』
自分が変わってるだなんて自覚してるよラム。ただまあ、せっかくだし付き合ってやるのもやぶさかではないと思ったからな。というかお前は面白そうと思ったから止めなかったんだろ?
『当然じゃない』
やっぱお前も大概だよ・・・・まあいいけど。
「さて、普段ならここで小粋な世間話でもして場を和ませるのが紳士な俺のやり方ですが、早いとこ部室に行かないとリアス部長達に変に勘ぐられてしまうかもしれませんからさっさと本題に入りましょう。頼みを断ったにもかかわらずリアス部長をどうして助けに行ったのかってこと以外なら可能な限り聞きたいことにお答えいたしますよ?」
「・・・・・・」
ははっ。むっとした表情でジト目で俺のこと見てる。やっぱり図星だったか。シトリーが俺を呼び出す理由なんてそれぐらいしか思い当たらないからな。
『わかっていながらあんな言い方するなんてひどい男ね』
別にいいだろ。自覚はしてるんだからさ。
「あはははっ。一体どれだけのひとが会長のそんな可愛い顔を見たことがあるんでしょうね。会長の眷属達でもそうそう見られなさそうだからこいつは貴重だ」
「・・・・どうしても教えてくださらないのですか?」
随分とまあしつこいな・・・・というより、ちょっと考えればわかることなのになんでわからないかね。
まあいいか・・・・このままじゃしつこすぎて鬱陶しいし、対価をもらって話してやるか。
「仕方がありませんね・・・・そこまで言うのなら教えますよ。ただし交換条件です」
「交換条件?」
「ええ。俺が会長の疑問に答える代わりに、会長は俺の質問に答える。それでどうですか?」
「・・・・・あなたの質問の内容によります」
まあ、そうだろうな。答えられない、もしくは答えたくない質問なんてされても困るだろうからな。
「まあ聞くだけ聞いてみてくださいよ。それから判断すればいいですし」
「わかりました。それで?質問というのはなんですか?」
「・・・・木場って聖剣計画の関係者なんですか?」
それが俺の質問の内容だった。正直シトリー自身のことで聞きたいことはないし・・・・・だったら今気になってる別なことを聞いたほうがいいだろう。リアスの親友だっていうシトリーなら知ってそうだし。
「・・・・・どうしてそんなことを私に聞くのですか?リアスに聞けばいいのでは?」
「そこはまあ、球技大会で張り切ってるリアス部長にそんなことを聞くのは気が引けてしまいますのでね・・・・というか、少々迂闊ですよ会長」
「迂闊・・・・私が?」
「ええ。さっきの返しでは俺の質問に答えてるようなものですよ。木場は聖剣計画の関係者だってね。知らない、あるいは答えたくないなら『そうなんですか?』とか『なんのことですか?』とか言って答えるのが普通なのにね」
「・・・・・」
俺に言われて自分の迂闊さを自覚したのか、シトリーの表情は苦々しげだ。まあ、あえてそうやって判断できるような形で聞いたんだけど。
「そう気を落とさないでくださいよ。何を聞かれるのだろうかと身構えていたところを自分と関係ないことを聞かれてしまって気が緩んでしまったついああやって答えてしまったというのは理解していますから」
「・・・・警戒している相手に励まされても嬉しくありませんね」
「だったら何があっても俺相手に気を緩ませないことです。まあ、難しいかもしれませんがね。幻覚を操る神器を持っているとは言え俺は所詮脆弱な
「・・・・肝に銘じておきます」
悪魔と人間じゃ力に差があるすぎるのは明白。神器を持っていたとしても俺は英雄と呼ばれるような超人などではないのだから、警戒が緩んでしまうのは仕方のないことだろう。野生の虎やライオンだって常に小動物を警戒するなんてことしないだろうしな。
『確かに同感ね。それで?なんでわざわざ敵対する可能性のある相手にそんな忠告をするのかしら?』
決まってるだろ?過度な警戒してる相手が無警戒なやつと同じくらい幻術に嵌めやすいからだよ。
『ふふふっ・・・・正解よ。確かにそういう相手ほど嵌めやすいわ。なにせ一々こっちのやることなすこと疑ってくれるんですもの。それがわかってるならいっぱしの幻術使いとしては合格をあげられるわね』
そいつはどうも。
「さて、と。直接的ではないにせよ、俺の質問には答えてくれたわけだ。俺もあなたの疑問に答えるとしましょう。あなたの頼みを断ったにもかかわらず、俺がリアス部長を助けに向かった理由は簡単。俺自身がそうしたいと思ったからですよ」
「・・・・え?」
「袖振り合うも他生の縁。同じ部活に所属しているので、リアス部長には情があります。だからついでとはいえ助けようと思っていた。まあ、俺がしたのはサポートでメインはイッセーに任せましたがね。ただ、イッセーが目を覚まさなかったら俺が助けてましたよ。もちろん、レイヴェルの事を一番に優先した上での話ですが」
「つまり頼まれるまでもなく助けるつもりだったということですか?なら私のしたことは・・・・」
「まあぶっちゃけ無意味ですね。わざわざ唇を捧げてまで頼み込もうとしたあの行動に意味はありません」
むしろそのせいで俺の反感を買ってしまったんだからマイナスといってもいいかもな。
「というより、俺はあの時あなたの頼みは聞かないとは言いましたが、助けないとは一言も言っていないんですから、それで察することもできたでしょうに・・・・それとも察するだけの余裕もなかったんですか?」
「・・・・・」
沈黙は肯定、と。ソーナ・シトリー・・・・彼女は間違いなく聡明な女だ。だが、その聡明さを活かしきれていない。まあまだ成人もしていないんだし・・・・・心が未熟なのは当然。粗もあって当たり前だろう。
そして・・・・俺もひとのことは言えない粗だらけのガキだ。
「・・・・・人間も悪魔も未熟なら大差はない、か」
「どういう意味ですか?」
「さあ?悪いですがそれに答える義理はないのでね。それじゃあ俺はそろそろ失礼。オカ研の皆にお茶を淹れて差し上げないといけませんので」
「・・・・待ってください」
シトリーに背を向け、その場をあとにしようとしたが、シトリーは俺に待ったをかけた。
「なんです・・・・か?」
立ち止まり、シトリーの方に振り返ろうとする俺であったが・・・・突然俺は頬に軟らかい感触を感じた。そして、目の前にはシトリーの顔がある。つまり、俺はシトリーに頬にキスをされたのだ。
「・・・・なんのつもり?俺はあんたの頼みを聞いたわけじゃないんだからこんなことされる理由なんてないんだが?」
俺の口から出た言葉は、おそらくひどく冷たいものだっただろう。それほどまでに、シトリーのその行為に俺は腹が立っていた。
「そうですね。現世くんは私のお願いなど関係なしに、ついでとはいえあなたの勝手な意思でリアスを助けに趣いてくれた。だから私は、そんなあなたに対して勝手にお礼をしたんです。私の勝手なのですから非難される理由はありませんよね」
シトリーはどこか勝ち誇ったかのような表情で俺に言う。その表情は、まるで鏡を見ているかのように気味が悪かった。
「・・・・ええ、そうですね。その通りですよ」
シトリーの言ってる理屈に俺は反論できない、反論しようがない。なにせ自分で前例を作っているようなものだからな。俺は勝手にしたのだから、シトリーだって勝手にしてもいいだろう。
「でも、そういうことはメインで助けたイッセーにしてくださいよ。あいつなら会長にほっぺにチュウされれば歓喜してくれますよ?」
「わかりました。検討しておきましょう」
「・・・・さいですか。では、もう用はありませんよね?俺はこれにて失礼します」
今度こそ俺は、シトリーに背を向けて屋上をあとにした。
『うふふ・・・・また女の強かさを侮ったわね』
うるさい。あんなもん予測できるわけないだろ。
『予測できないのなら男としてまだまだな証拠ね。というより、あんな綺麗な女の子にほっぺにチュウされたのに嬉しそうじゃないわね』
・・・・それに関しては俺も多少驚いてるよ。まさかこんなにも嬉しくないものだなんてな。
『まあそれだけ本命であるレイナーレちゃんやレイヴェルちゃんが大事だって証拠よ。それを再認識できただけでもあのチュウには価値があると思わない?』
否定はしないでおいてやるよ。
まったく・・・・・なんか無駄に疲れたきがするな。帰ったらレイナーレに甘えるかな。
ソーナは賢いけど細かい心情を読み解くまでは至ってないと個人的には思ってる
まあ、朧は特別わかりにくいというか、読み解きにくいように思えるから仕方ないけどね
ちなみにわざわざほっぺにチュウまでしてるのでソーナは朧の悪っぽいところに惹かれかけてたりしてまう。真面目故の弊害みたいなものだと思っといてください
でも大丈夫。ソーナヒロインはありえないので
それでは次回もまたお楽しみに!