ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
しかもそれなりに甘いです
それでは本編どうぞ
「わかりました。では、次の日曜日の10時にここで待ち合わせということでいいのですわね?」
「ああ」
レイヴェルが来て10分少々して、デートの相談については終わったようだ。
それにしても本当に驚いた。まさか朧がレイヴェルとデートの約束を取り付けていたなんて・・・・・可愛い子とデートだなんて羨ましいゾちくしょう。
「というわけで部長。ここを待ち合わせ場所にしてしまいましたがいいですか?」
「ええ。なんだかんだであなたには雑務やらなんやらこなしてもらってるからそれくらいは構わないわ」
「それはどうも。いや~、やっぱり普段の行いって大切ですね」
確かにそうだけど・・・・やはり釈然としない感じは。確かに普段、色々と雑務をこなしてくれてるけど・・・・・いつもの態度のせいで台無しになってる感が強い。
「朧様。その・・・・・わ、私・・・・」
朧に何かを告げようとしているレイヴェルだが恥ずかしそうに顔を赤らめてなかなか言えずにいた。
「・・・・レイヴェル。日曜日のデートすごく楽しみにしてるよ」
「!?は、はい。私も・・・・・楽しみにしています」
レイヴェルが言いづらそうにしていたであろう言葉を、朧が笑顔で先に言った。そして、レイヴェルも顔を赤らめたままであるがその言葉を口にする。
「では私はそろそろ帰りますわ。リアス様、重ね重ね突然の訪問申し訳ありませんでした」
「いいえ、気にしなくてもいいわ」
部長は再び礼儀正しくお辞儀をするレイヴェルに、部長は気にしなくてもいいと告げる。初めはライザーの報復で来たのかと思っていたが、そうではないとわかって先程と違って刺はなかった。
「それと・・・・一誠様」
レイヴェルは次は、私に話しかけてきた。というか様って・・・・
「その、一応言っておきますが、お兄様のことで一誠様が気を病む必要はありませんわ。昨日のことに関しては、私を含めフェニックス家はあなたを咎めるつもりはありません」
「え?でも私部長の家とフェニックス家の縁談をダメにしちゃって・・・・」
「それに関しては思うところもありますが、それでもリアス様の意思を無視した両家にも反省すべき点があったのは確かですので・・・・ですから一誠様はお気になさらず。むしろ、天狗になっていたお兄様にはいい薬になったと思っていますわ」
いい薬って・・・・まあ確かにライザーの奴、結構調子に乗ってる感はあったけど。
「それと・・・・・あの時の、リアス様を取り戻すために戦うあなたの姿は私にとって尊敬に値するものでしたわ。私もあなたのような勇ましさを身につけられるよう、精進する所存です」
「尊敬?私を?」
こんなに可愛い子が私のことを尊敬か・・・・・うん、それはそれで悪くない。くっそ~・・・・朧の目当ての子じゃなかったらハーレムに加えたかったなぁ。
「その・・・・言いたいことは以上です。それでは失礼いたします」
そう一言告げて、レイヴェルは魔方陣で転移していった。前に会って話したときは結構きつい感じだったけど・・・・なんだか印象が変わったなぁ。
おっと、そんなことよりもだ。
「朧・・・・あれ?」
レイヴェルが帰ったので、朧にどういう経緯でレイヴェルとデートすることになったのか聞こうと思ったのだが・・・・・朧の姿は部室になかった。
「・・・・あの野郎!」
朧め・・・・レイヴェルとデートをすることになった経緯を説明するのが面倒だったから逃げやがったな!
「どうやら逃げられたようね。私もレイヴェルとのデートの件で色々と問い詰めたいのだけれど・・・・・これだから幻術使いは」
「部長、その言い方では幻術使い全員がロクデナシなように聞こえますわよ?」
いや、朱乃先輩。その言い方だと朧がロクデナシに聞こえるんですが・・・・・いや、間違ってないけれども。
「・・・・大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫って・・・・なにが小猫ちゃん?」
「その・・・・朧先輩は学内でも屈指の女好きとして有名です。そんな朧先輩とデートって・・・」
あ~・・・・なるほど。確かに朧の学内での評判はだいぶ悪いからな。小猫ちゃんはまずいことにならないか危惧してるんだろう。
仕方ない。ここは朧の親友として弁護してやろう。
「大丈夫だよ小猫ちゃん。確かに朧は悪い意味で男らしくて女の子関連での評判は悪いけど、実際には結構紳士的なところあるからそうそう問題は起こさないよ」
私の知る限り、付き合った子は結構大切にしてるみたいだし・・・・まあ、桐生とはなんか色々あったっぽいけど。
「朧さんが優しい方だっていうのは私も知ってます。だからきっと大丈夫です」
私の言葉にアーシアが同調してくれる。まあ、アーシアに関して、朧は特別優しくしてるって感じもあるけど。
「まあ、親友であるイッセーが言うなら確かなんでしょうけど・・・・・それでも不安は拭えないわね」
どうやら、部長はまだ不安らしい・・・・これも普段の行いが原因だろう。
「決めたわ。今度の日曜日・・・・朧達を尾行しましょう」
「・・・・・え?」
・・・・・ごめんなさい我が親友朧。今度の日曜日のデート、私達は出歯亀となりそうです。
「♪~」
「・・・・・やけに機嫌が良さそうね。何かいいことでもあったの?」
夕食の準備をしていると、レイナーレが俺に尋ねてきた。
「わかる?わかっちゃう?やっぱりレイナーレにはわかっちゃうか~」
「そりゃそんな鼻歌が聞こえてくればわかるわよ。というかその返し前にも聞いたわよ」
あ~・・・・・そういえばレイヴェルとあった日にそんなやりとりをレイナーレとしたな。
「それで?なにがあったの?まあおおかた、うなじ女とのことで何か進展があったってところでしょうけど」
「イグザクトリー。その通りだよレイナーレちゃん」
「ちゃん付けやめて。キモい」
キモいときましたか・・・・・結構傷つくんですけど。
『仕方ないわよ。私だって気持ち悪いと思ったもの』
そりゃないっすよラムさん。
「俺がキモいかどうかは置いておいて、と。実は、今度の日曜日レイヴェルとデートするんだよ」
「デート?ああ、昨日のグレモリーの婚約パーティーに乗り込んだ時に色々と仕込んだ結果ってことね」
「その通りだよ。その時色々あってね、デートの約束を取り付けたんだ。それで今日、レイヴェルがオカ研の部室に来てデートの日取りを決めたってわけだ」
「そう・・・・結局はあなたの思惑通りということね。その為に親友やグレモリー達を利用するなんてとんだクズね」
「利用したのは結果論だが・・・・まあ、クズであることは否定しないよ」
これくらいクズにでもならないと、女を落とすなんてできないからな。レイナーレの件にしたって最低なことしたわけだし。
「クズな俺は嫌いかい?」
「別に。どうでもいいわよそんなこと。ただまあ・・・・」
「どうしたレイ・・・・」
突然のことだった。急に振り返ったレイナーレが俺の頭を掴んで自分の方に引き寄せ・・・・キスしてきた。
唇に感じる軟らかい感触は非常に心地よく・・・・ずっとそうしてたいと思うほどであった。
「・・・・・少しぐらい動揺しなさいよ。可愛げがないわね」
数十秒ほどして、唇を離したレイナーレが、つまらなそうな表情で言う。
「男に可愛げなんていらないだろ。というか、急にどうした?」
「・・・・・面白くなかったのよ」
「え?」
「あなたのものになったのは私の方が先なのに・・・・私はまだあなたとデートなんて一度もしたことないわ。別に、行きたいわけじゃないけど」
行きたいわけじゃないと言いつつも、レイナーレは不機嫌そうな表情でそっぽを向く。
「それは・・・」
「わかってるわよ。迂闊にデートなんてしてグレモリー達に見つかったら厄介なことになる。だからデートなんて気軽にできないに決まってるわ。だけど・・・・だから面白くないのよ。朧が別の女とデートするのが」
これって・・・・いや、でも・・・・え?
「レイナーレ・・・・・妬いてるのか?」
「・・・・悪い?」
まさかと思って聞いてみたら・・・・ビンゴだった。いつの間にそんなに好感度上がってたんだ?
「だから・・・・キスしたのか?初めてのデートをレイヴェルに取られたから、初めてのキスは譲りたくないって?」
「・・・・・そうよ」
「ッ~!?」
ちょ・・・・待った。なんだよそれ・・・・可愛すぎるだろ。そんなの聞いたら・・・・もう・・・
「・・・・レイナーレ」
俺はレイナーレをあまりにも愛おしく感じてしまい・・・・正面から抱きしめた。
「・・・・キス一つで随分と調子に乗るわね」
「悪いか?」
「・・・・別に」
そっけなく言うレイナーレであるが、俺の腰に手を回してきていた。
「デート・・・・初めてはレイヴェルとだけど、今度一緒に行こうか」
「別に行きたいわけじゃないって言ったじゃない・・・・というか、そんなことしたらグレモリー達に私の事知られるかもしれないわよ?」
「幻術で誤魔化す」
「ずっと幻術かけ続けるつもり?疲れないの?」
「耐える」
「そう。馬鹿ね」
馬鹿でもいい・・・・疲労なんていくらでも耐えてやる。そんなものより・・・・大事なことなんだ。
「・・・・そこまで言うなら仕方ないわね。そのうちデートしてあげるわよ。個人的にはどうでもいいけど・・・・しないとあなたが可哀想だから」
「ありがとう」
「・・・・ふんっ」
ああ・・・・本当に愛しい。さっきまでレイヴェルとのデートに心を弾ませていたはずなのに・・・・今は・・・・
今は・・・・レイナーレが愛おしくて堪らなかった。
ヤキモチ焼くレイナーレは可愛い。異論は認めない
にしても今更だけどようやくキスまでいったんだよなぁ・・・・先が思いやられる
それでは次回もまたお楽しみに!