ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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今回から本格的にレーティングゲームを開始いたします

もっとも、朧視点なので色々割愛しておりますが・・・・

それでは本編どうぞ


第26話

『で?実際のところはどうするつもりなのかしら?』

 

ルキフグスがイッセー達にゲームについての説明をしに行っている間に、ラムが俺に尋ねてくる。

 

どうするつもりもなにも・・・・・俺のやるべきことはもうやった。ここまで来たら何もするつもりはないよ。

 

『ふ~ん』

 

・・・・なんだよ?

 

「別に。ただ、見えてさえいればモニター越しでも幻術にはめることができるんだから手助けしないのかなと思っただけよ』

 

アホ言うな。確かに精度が落ちるとは言えモニター越しでも幻術はかけられるが、どんなにうまくやったとしてもルキフグスを欺くなんて難しいに決まってるだろ。そんなリスクの高いことできるか。それに・・・・・そんなことしたらお前は俺のことつまらないとか言って見限るだろう?

 

『どうかしらね?あなたのこと溺愛している今の私なら仕方ないの一言で済ませるかもしれないわよ?』

 

溺愛って・・・・それならハーレム入れよ。

 

『それは絶対に嫌』

 

そこ頑なだなお前は。まあいいけど。

 

それよりも・・・・・そろそろ転移が始まる。ルキフグスも戻って来るだろうから黙ってろ。

 

『は~い』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ・・・・・学校が舞台だなんて面白いですね」

 

イッセー達が転移されたゲームの舞台は駒王学園。もちろん本物ではなく、そっくりそのまま真似て作られたコピーであるが。

 

「これは部長へのささやかな配慮ってやつですか?学校が舞台なら多少は部長達に有利になりますし」

 

「・・・・・舞台を決めたのは私ではありませんのでそのあたりのことはわかりません」

 

「じゃあ舞台を決めたのは誰ですか?もしかして・・・・・魔王様自ら?」

 

「・・・・・」

 

「沈黙は肯定ととりますよ?まあ、そんなことどうでもいいですけどね」

 

確かに舞台が学校であれば地の利のあるグレモリー側に有利だろう。だが・・・・それでも結果に影響などしないだろう。地の利があろうとも、実力差ってものはそうそう埋まるものでもないし。

 

「そんなことよりも、お嬢様達の陣営の動きをどう見ますか?」

 

「ん?まだ俺の戦略性とか観察眼とか知ろうとしてるんですか?」

 

「・・・・・」

 

「また沈黙ですか・・・・まあいいですけど。まず序盤はそこまで大きな動きはないでしょうね。せいぜいがトラップを仕掛けるぐらい。ゲームはまだ始まったばかりだから下準備と作戦を考える時間は必要でしょうからそれが定石でしょう」

 

まあ、俺だったら序盤から速攻仕掛けるけどな。格上相手にするなら意表を突く戦略が重要だし。向こうが分散してなにかしらしてる間に敵本陣に切り込んで王の首を取る。俺の場合は能力的なものもあるけど。

 

「ゲームが動くのは中盤だ。おそらくまず最初に大きな戦闘が行われるのは体育館。あそこはルート確保の要になるから両陣営狙う()()()ぐらいは見せるだろう。配置する駒は場所を考慮して戦車(ルーク)兵士(ポーン)。部長達は塔城とイッセーでライザー側は戦車を含めた4、5人ってところかな」

 

「・・・・まあ、妥当なところですね」

 

「まあ、実際どうなるかは見てのお楽しみですけどね。さて、どうなるか・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後、俺の読み通りの展開になっていた。

 

「あなたの言うとおりになっていますね」

 

「まあ、これぐらいは少し考えれば誰でも思いつくでしょう。それにしても・・・・ライザー側は4人か」

 

4人・・・・・犠牲にする数としては妥当なところか。

 

「どうかしましたか?数としてはあなたの予想したとおりとなっていますが?」

 

「ええ、そうですね・・・・・それじゃあここで一つ予言しようか。この戦いの最終結果はライザー側の戦車、兵士は全滅。そして部長側の方は・・・・最低でも一人脱落。脱落するのは高確率で塔城。最悪イッセーも脱落かもしれない」

 

「・・・・随分と具体的な予言ですね?根拠はあるのですか?」

 

「もちろん。根拠は・・・・おおっ!?」

 

俺が予言の根拠を話そうとしたその時・・・・・俺はモニターに映る映像に思わず釘付けになってしまった。

 

なんと、イッセーが手で触れたライザー側の眷属3人の服が弾け飛び、全裸になったのだ。

 

「なにこれなにこれなにこれ!?すっごい愉快なことになってるんだけど!すっごい眼福なんだけど!」

 

モニターの中のイッセーの説明によると、今のはイッセーが開発した『洋服崩壊(ドレス・ブレイク)』という技らしい。

 

ほとんどないといっても過言でない魔力の才能の全てをつぎ込み、相手(女性限定)の服を弾き飛ばすことだけをイメージして作り出した技のようだ。

 

「くくくくくっ・・・・・これはたまらんな。女でありながらよもやこのような恐ろしくも素晴らしい技を開発しようとは・・・・流石は我が親友、性欲の権化たるイッセーだ。俺も見習わなければ」

 

「・・・・・控えめに言って最低ですね」

 

ルキフグスが汚いものを見るかのような目で俺を見ながら言ってきた。

 

「そうはいいますけど俺だって年頃の男の子なんですよ?女の裸は見たいに決まってるじゃないですか。たとえ好みの女の子でなくてもこみ上げてくるものがあるのです」

 

「・・・・そうですか。では、あなたが好意を寄せるレイヴェル様の服も彼女達のもののように弾き飛べばいいと思っているのですか?」

 

「あ、それはないです。むしろそんなことにならないように心の底から願ってます」

 

「・・・・・なんでですか?」

 

俺の発言に疑問を抱いたのか、ルキフグスは意外そうな表情で聞いてくる。

 

「だってレイヴェルは本命なんですから。そりゃ本命の女の子の裸はみたいですけど、そのせいで辱められるのは流石に嫌なんです。俺、自分がクズだって自覚はありますけどその一線だけは超えたくありませんので」

 

『いわゆるクズ紳士ね』

 

新しい言葉をつくらいないでくださいラムさん。それ結構きついっす。

 

「まあ、そんなことよりも・・・・撃破(テイク)の宣言の準備をしておいたほうがいいですよ?そろそろ体育館・・・・消し飛ぶと思うんで」

 

「・・・・わかりました」

 

俺に言われ、ルキフグスは視線をモニターに戻した。

 

モニターに映るのは体育館から出て行くイッセーと塔城の姿。そしてライザーの眷属達が二人が何故逃げ出したのか分からず困惑している隙に・・・・それは起きた。

 

体育館に降り注がれるのは轟雷。その圧倒的にしてド派手な雷は体育館を跡形もなく消し飛ばしてしまった。

 

当然、そうなってしまえば体育館にいたライザーの眷属4人が無事で済むはずもなく・・・・

 

「ライザー・フェニックス様の兵士三名、戦車一名、戦闘不能」

 

ルキフグスの宣言をもって、舞台から退場した。

 

「まったく、派手にやってくれちゃってもう・・・・これが本物の体育館だったらと思うとゾッとするね」

 

「・・・・この展開を予想していたのですか?」

 

「ええ。体育館は重要なスポット・・・・だからこそ囮にする価値がある。姫島先輩の全力の雷なら建物を消し飛ばすぐらいはできるってのはわかってましたから・・・・まあ、この展開は読めていましたよ。

 

そう、この展開は舞台が学校で、両陣営が新校舎と旧校舎で分かれていると知れた時点で容易に予想することはできた。

 

だが・・・・そんなことを予想していたのは俺だけではない。

 

モニター内では、作戦がうまくいったと嬉しそうにするイッセー、塔城、姫島の姿が。そんな姿を目にした俺は・・・・苦笑いを浮かべざるを得ない。

 

「・・・・・一応忠告しておいたのになぁ」

 

俺がその言葉を発するのと同時に・・・・爆発が起きた。

 

爆発を引き起こしたのはライザーの女王(クイーン)。そして爆発に巻き込まれたのは塔城だ。塔城はその衝撃で吹っ飛び、体も服もボロボロになってしまった。脱落は免れないだろう。

 

「リアス・グレモリー様の戦車一名、リタイア」

 

ルキフグスが塔城のリタイアを宣言。塔城は舞台から退場した。

 

「油断しやがって・・・・まあ、実戦経験、それこそ初めてのレーティングゲームならしょうがないだろうけど」

 

「・・・・あなたの言うとおりになりましたね。両陣営の女王(クイーン)が待機していたことに気がついていたのですか?」

 

「気がついていたというよりは作戦としては定石だから予想できたって感じですよ。重要拠点の囮なんてそう珍しいことではないですし・・・・相手が何かを為して油断した隙をつくなんてこともよくあることですよ」

 

本当・・・・両陣営共素直な戦い方をするものだ。まあ、この程度のレベルのゲームならそう言う素直な定石に則った戦い方は通用するし有効なんだろうけどさ。

 

「あなたにとっての定石というのがどこからどこまでのことをいうのかが気になる発言ですね」

 

「強いて言うなら俺程度でも思いつく戦術は全て定石ですよ。一応それなりに命懸けの修羅場っていうのは何度もくぐってるので」

 

「苦労してるのですね」

 

「心にもない慰めなんていりませんよ。あなたからすれば俺は存在しないほうがいい人間でしょうし。まあ、そんなことよりも・・・・やっぱりこうなっちゃったか」

 

モニターを見ると、姫島とライザーの女王が対峙しており、イッセーは木場の下に向かっている。おおよそは俺の想像通りの展開だった。俺の想像通りということは・・・・それは敗北という名の線路を疾走してるのと同義だ。

 

塔城の退場・・・・それによってグラモリー陣営の勝率は半減したといっていいであろう。そして、このまま姫島が戦えば・・・・まず間違いなく敗北する。そうなれば勝率はさらに半減だ。

 

・・・・・はあ、本当にままならない。現時点で俺の想像は何一つ覆されていないし、イレギュラーなことも起きていない・・・・つまらない展開だ。

 

たとえ負けてもいいと思っていても・・・・・贔屓している側の敗北が決まりきってる試合なんてやはり見ていて気持ちのいいものではないな。

 

 




洋服崩壊が原因で朧はとある技を開発しちゃったりします

それについてはいずれわかるでしょう

それでは次回もお楽しみに!

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