ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
誰なのかは・・・・・まあ、章タイトルから察せられるかと
それでは本編どうぞ
「ふぁ・・・・・」
イッセー、アーシアの3人での登校時。イッセーは寝ぼけ眼をこすりながら欠伸をした。
「随分と眠そうだなイッセー。何かあったのか?」
「ん?あ~・・・・・まあちょっと」
イッセーはチラリとアーシアの方を横目で見ながら歯切れ悪く言う。
アーシアがいるから話すのと躊躇ってるのか?となると・・・・エロ方面か?
「イッセー・・・・・まあ思春期なんだから恥ずかしがることはないと思うぞ?」
「何を想像したのか知らないけどそうじゃない・・・・・こともない」
アーシアに聞こえないように最後のところをボソッと小声で言うイッセー。やっぱりそうなんじゃないか?
「なにがあったんですかイッセーさん?私気になります」
「うっ・・・・」
興味津々といった様子で尋ねてくるアーシア。そんなアーシアを前にして何も答えないという選択肢は選び難く、イッセーはたじろぐ。
「いや、その・・・・・昨日アーシアがお風呂に入ってる時に部長が来て」
どうやら話すことにしたようだ。
だが・・・・これはつまり昨夜グレモリーとそういうことになったということだろうか?
「部長さんが?」
「ああ。それでまあ・・・・・色々とあったんだけど途中で銀髪の女の人が来て、多分部長の家の事情のことを色々と話してて・・・・そのまま二人でどこかに転移して行ったんだ。その時のこと考えると眠れなくて」
その時の事を考えると・・・・か。イッセーが言うその時のことってアーシアの手前話してないだけどやっぱりグレモリーとそういうことになってたってことだろう。そしてイッセーの言う銀髪の女の人が途中で乱入したってことかな?
銀髪の女の人でグレモリーの家の事情の事をはなしてたとなると・・・・・
「イッセー、その女の人ってグレイフィアって名前じゃなかったか?」
「え?あ、確か部長がそう呼んでたような・・・・・朧どうして知ってるんだ?」
「やっぱりか・・・・そいつはグレイフィア・ルキフグス。部長のお兄さんの眷属・・・・
「あの女の人が・・・・部長のお兄さんの女王?」
「ああ。そこそこ有名な悪魔だ」
まあなにせグレモリーの兄・・・・魔王ルシファーの妻だしな。
「朧さん詳しいんですね」
「名前だけ保護者のあのひとから聞いたことがあるだけだよ。あの人知り合い多いから・・・・・まあ、ぶっちゃけあのひとの知り合いの中には知り合わなければよかったと後悔してる奴はごまんといるだろうがな」
「・・・・・本当に何者なんだよお前の保護者って」
おそらく悪魔の歴史上最大の破天荒な問題児です。本当に頭が痛い・・・・・・
まあ、それはともかくとして・・・・・
「それよりも、グレイフィア・ルキフグスがそこに現れるということは・・・・・部長の実家の方で何か起きてるのかもしれないな」
「なにか?」
「ああ。グレモリーは悪魔の中でも有名で相当な権力を有している一族だ。だからこそ色々とあるんだろうよ」
それこそ厄介な問題がな。なんというか・・・・・グレモリーの事を思うと多少は同情するな。
「色々・・・・か」
「気になるか?」
「まあ・・・・俺は部長の眷属だし」
「私も・・・・気になります」
・・・・・これも主を思ってというところかね?眷属の鑑だな。
「気持ちはわかるが、あんまり気にしすぎるのも良くないぞ?部長からしたらもしかして触れられたくないことかもしれないし・・・・・だから気になったとしてもあんまり詮索しないでやりな」
「・・・・はい」
「・・・・わかった」
俺が言うと、渋々といった感じに二人は了承した。
だが・・・・なんだろうな。そのことに関してひと悶着ありそうな気がする。
『あなたの勘って結構当たるからそうかもしれないわね。そうだったとしたら楽しみだわ♪』
本日も我が相棒は平常運転なようです。
「はあ・・・・ようやく終わった」
業後になり、いつもならイッセー達と一緒にオカ研の部室に向かってたのだが今日は違っていた。今日、俺は日直であったため、日誌を書いて担任に提出しなければならなかったので遅れてしまっていたのだ。
・・・・・うちの担任って日誌ちゃんと書かないと再提出とか平気でさせるから面倒なんだよなぁ。
『いいじゃない。あなた得意でしょう?それっぽいもの捏造するの』
捏造言うな。一応は真面目に書いてるんだからな。
『そうね。一応真面目にそれっぽいものを捏造してるのよね?さすがは嘘つき』
・・・・嘘つきは今は関係ないだろう。
そんな風にラムとモノローグ会話をしているうちに、旧校舎のオカ研の部室前にたどり着いたのだが・・・・
『あら?何か聞きなれない声が聞こえてくるわね・・・・・来客かしら?』
かもな・・・・・もしかして朝の俺の勘が的中したとか?
『そうかもね♪』
そんなに声を弾ませないでくださいラムさん。俺落ち込んじゃいますよ?
それにしても・・・・・どうしたものか。ここでこの扉に手をかけてしまったら・・・・俺もなにかに巻き込まれてしまう気がする。
『開けましょう。それが宿命よ』
頼むから煽らないでくれ・・・・・
『でも開けないなんて選択肢があると思ってるの?』
・・・・わかってんだよ無駄な抵抗だっていうことは。でも覚悟を決める時間ぐらいくれたっていいじゃないか。
『そうね・・・・それじゃあ3秒で覚悟を決めなさい』
短いわ。せめてその十倍は・・・・
『はい3秒経ったわ。開けなさい』
くっそ・・・・・もうどうにでもなれ!
意を決した俺は部室の扉をあけた。
そして俺の目に映るのは・・・・・グレモリーとその眷属達の姿はもちろんのこと、銀髪のメイド服姿の女性、そしてどこかホストっぽい容姿をした男とその男の周囲いる15人の女性の姿だった。
全員部屋に入ってきた俺に視線を向けている・・・・まあ、詳しくはわからないが空気が若干ピリッとしているから重要な話をしているのだと予想できるし、そんな中での俺の来訪は注目を集めるのは仕方がないことだろう。だけど・・・・俺はそんな連中の視線に意識を割くほどの余裕はなかった。
俺の視線は今、真っ直ぐに一人の少女に注がれていた。西欧のお嬢様が来ているかのようなドレスを着ており、ドリルのようにカールした髪をツインテールにしている少女。
俺はその少女から目が離せなかった。なぜなら・・・・・・彼女は俺好みの至高を超えたうなじの持ち主であったからだ!
「・・・・失礼お嬢さん」
しばし見とれていたが、それからの俺の行動は速かった。俺はこの場でどのような話が行われていたのか一切考えることなく、その少女に声をかけていた。
「え?な、なんですか?」
突然俺に声をかけられ、困惑している少女。俺はそんな少女にひとまず自己紹介することにした。
「俺は現世朧・・・・・あなたの麗しいうなじに魅了されたしがない人間でございます」
「・・・・は?」
俺の自己紹介でさらに困惑しているようだ。だが、それを気にすることなく俺は言葉を紡ぐ。
「お嬢さん・・・・・俺はあなたのうなじの虜になってしまいました。あなたのうなじは素晴らしい。そして、そのうなじを持つあなた自身も心から美しいと思いました。ですから・・・・・どうかあなたの隣に、俺の居場所を作っていただけないでしょうか?」
「な、なななっ・・・・!!」
俺が少女の手を取り、笑みを浮かべながらそう言うと、少女は顔を真っ赤にさせた。
照れているのか、恥ずかしいのか・・・・・どちらにしてもその姿は愛らしい。
「そ、そんな・・・・困ります。私は・・・その・・・・」
「嫌・・・・ですか?」
「それはその・・・・そういうわけでもないといいますか・・・・」
満更でもなさそうに自身の髪を弄る少女。
これは・・・・脈アリか?こういう時はイケメンフェイスに生まれたことに感謝だな。
「・・・・おい」
もうひと押しでいけると思い、さらに言葉を紡ごうとしたとき、ホストっぽい男・・・・・とりあえずホスト男でいいか。とにかくそいつが声をかけてきた。
「なに?今忙しいから用があるなら後にして・・・・」
「・・・・俺の眷属に色目を使うなゴミが」
俺の言葉を遮るようにしてホスト男が言うと、ホスト男は俺に紅蓮の業炎を浴びせてきた。
燃やし尽くされ炭化する俺の体。そんな俺を見て、ホスト男はざまあないと言いたそうに鼻をならし、ホスト男の周囲にいた女の子達はクスクスと笑っている・・・・・俺が口説いていた女の子を除いて。
「お兄様!?いきなりなにを!?」
お兄様?てことはこの娘はホスト男の妹?
・・・・・似てない兄妹だな。
「何って・・・・下賎な輩が俺の眷属・・・・いや、フェニックス家の者に触れたんだ。燃やすのは当然じゃないか?」
随分な言いようだなおい。気位が高いって言っても、そいつは横暴だろ。
「確かにいきなりで無遠慮でありましたが・・・・だからって燃やしてしまうことはありません!」
俺のこと思って言ってくれてるのかな?優しいお嬢さんだ。ぶっちゃけホスト男の言ってることことももっともだと思うんだけどね。
でもまあ・・・・そんなに声を荒げなくても大丈夫だよお嬢さん。
ほら、銀髪の女・・・・多分彼女がグレイフィア・ルキフグスなんだろうが、彼女は本当に俺が燃やされたと思って顔をしかめてるけど、イッセーやグレモリー、そしてグレモリー眷属達は顔色ひとつ変えてないだろ?
それは・・・・・俺がまったくもって大丈夫だって理解してるからだよ。
さて、それじゃあそろそろ俺が無事だってこと・・・・このお嬢さんに教えてあげるとするかな。
「声を荒げる必要はないよ・・・・俺は無事だから」
「え?」
俺がお嬢さんの後ろから耳元でそう囁くと、お嬢さんは後ろを振り返る。そこにはまあ、俺がいるわけだが。
「ほら。俺はここにいますよ?」
ニッコリとイケメンスマイルを浮かべて言ってやると、お嬢さんは安堵の表情を浮かべるのと同時にまた顔を赤らめた。
・・・・うん、これは好感度上昇かな。
「あなた・・・・どうして?だって・・・・」
お嬢さんはさっきまで俺がいたところに目を向けるが、そこには何もないわけ。
さっきホスト男に燃やされたのは俺の幻。声をかけられたと同時に入れ替わってたんだ。殺気を向けられていたから何かされるだろうなと思ってたからね。
「貴様・・・・一体何をした?」
ホスト男が忌々しげに俺を睨みながら尋ねてくる。
「・・・・あんたの妹さんとデートさせてくれるって言うなら教えてあげるよ?」
「ッ!!レイヴェルそこをどけ!そいつを燃やす!」
「君レイヴェルっていう名前なんだね。いい名前だ」
「あ、ありがとうございます」
「聞けっ!」
「え?いやだって男の言うこと聞くよりも自分好みの女の子と話すほうが楽しいし・・・・お前は違うのか?」
「ぐっ、それは・・・・」
あ、たじろいだ。コイツも同じ考えってことか・・・・
でも、だからってこんなことでたじろぐとかコイツ結構チョロい?
「くっそ・・・・とにかく貴様!レイヴェルから離れろ!」
「え~・・・・個人的にはこのままレイヴェルを連れてランデブーと洒落込みたいんだけど?俺本気なのよ?」
「・・・・・この建物ごと燃やすぞ?」
「それは物騒。でもやめておけ。そんなことしようものなら・・・・・俺も温厚でいられなくなる」
俺はレイヴェルの近くに居た幻を消し・・・・・ホスト男に銃口を突きつけた。
「なっ!?いつの間に・・・・」
「いつだろうね?今?さっき?あるいはこの部屋に入った瞬間からかもしれない・・・・さあいつからでしょうか?」
「貴様・・・・まあいい。それよりもそんなおもちゃでどうするつもりだ?そんなものではフェニックスである俺にダメージを与えることなどできないぞ?試しに撃ってみるといい」
ホスト男は自分に突き立てられている銃を恐れていないようだ。フェニックス家の悪魔だからこの程度恐るるに足らないと思っているのだろう・・・・・まあ、実際のところフェニックスからすれば俺の能力は相性最悪なんだけどな。
「・・・・いいや、やめておこう。ここで試したらレイヴェルを悲しませることになりそうだからな」
「つまり俺に燃やされても構わないということだな?」
「だったらこう返そう・・・・・燃やせるかどうか試してみるといい」
俺は銃を消し、手を広げてホスト男を挑発した。
「いい度胸だ・・・・だったら骨も残らず燃え尽きるがいいさ!」
俺を燃やそうと炎を纏うホスト男。
だが・・・・その炎が俺に放たれることはなかった。
「そこまでですライザー様。これ以上は・・・・・流石に止めさせてもらいます」
ルキフグスが俺とホスト男・・・・どうやらライザーというらしい・・・・の間に割って入ってきた。
「・・・・ちっ。わかりましたよ」
舌打ちしながらも引き下がるライザー。まあ、流石に最強の女王に言われたら止まらざるをえないか。
「あなたもです現世朧。無闇に挑発しないでください・・・・・彼女がこのことを知ったらここに飛んでくるのではないですか?」
「うわっ、それは勘弁・・・・というか俺のこと知ってるのか?」
「はい・・・・ザーゼクス様からあなたのことは聞いております。あの方の息子だとか・・・・」
「お願いします。その認識改めてください」
お、俺があのひとの・・・・息子?いやだ!想像しただけで寒気が止まらない!
「さて、最悪な気分だが今日はここで失礼しよう。またなリアス。次はゲームで会おう」
そう言ってライザーが手の平を下に向けると魔法陣が光りだした。
そして、ライザーとその眷属の女の子達は光の中に消えていく。
「あ、あの・・・・」
レイヴェルが光の中に消えていく直前に、俺の方を見て声をかける。
「・・・・・縁があったらまた会おうレイヴェル」
俺がそう告げると、レイヴェルは小さく微笑みを浮かべて光の中に消えていった。
『それにしても、あれだけ入るの渋ってたくせにこの結果とはね』
はい。嬉しい誤算でした。
というわけで二人目のハーレムメンバーはうなじ要員のレイヴェルでした
なお、結構好感触な模様
それでは次回もお楽しみに!