ハイスクールD×D ~それは現か幻か~   作:DDX

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今回もまだ原作の内容には入りません

でもまあ・・・・それなりには楽しめるかと

それでは本編どうぞ


第17話

放課後、旧校舎の一室にて俺はグレモリー、及びグレモリー眷属達と模擬戦をしていた。

 

なんでそんなことをしてるかって?グレモリーに幻術使いを相手取る時の対策がしたいからと頼まれたからだ。なので全員でかかってくることと、屋内で戦うということを条件として俺はそれを了承した。

 

なぜそのような条件を出したかというと・・・・こいつらの戦い方が結構ド派手だからだ。だから狭い屋内で一人相手に複数人で相手取るのはかなり手こずるだろうな思って出した条件なんだが・・・・・効果はテキメンだった。連携を取ろうとするもののほとんどの奴が動き制限されてぎこちなかったからな。

 

故に・・・・・

 

「あはははは。皆まだまだですね~」

 

「「「「ぐっ・・・・」」」」

 

こうなっているのだ。余裕に笑う俺に対して、皆は苦々しげな表情を浮かべて睨んできている・・・・全身カラフルなペンキに染まりながら。

 

このペイントは俺が幻術で作り出した銃で撃ったペイント弾によるものだ。そして全員がカラフルなのは・・・・そのペイント弾に当たりまくったからである。

 

「なんていうか・・・・うん。皆戦い方が素直だ。おかげで俺すっごいやりやすかったですよ」

 

「・・・・・殴りたい。その笑顔」

 

「おお、殴ってみろイッセー。今こそ鍛えた成果を見せる時だぞ?」

 

「うぐっ・・・・」

 

俺に挑発されようとも殴りかかっては来ようとしないイッセー。

 

その理由は・・・・散々殴りかかってきて全部躱されたり当たったと思ったのに幻だったりしたからだ。やっても無駄だとうことがわかっているのだろう。

 

・・・まあ、実際無駄だしな。今皆が見てる俺だって幻で本物は皆に見えないように姿をくらませてるんだから。

 

さて・・・・これで終了でいいだろう。

 

「よし、じゃあ今日はここまでにしましょう」

 

俺が指を鳴らすと、皆に付いたペンキが全部消えた。幻術を解除したためだ。

 

「とりあえず・・・・皆もっと屋内での戦闘に慣れておいたほうがいいかな?一人一人の攻撃力は高いけど、その故か攻撃手段が派手すぎる。こういう周囲の状況を気にしないといけないところで戦闘が発生するときもあるんだからある程度セーブして戦う方法も身につけておくべきですね」

 

「・・・・悔しいけど言い返せないわ」

 

反論しようにも、俺の指摘がもっともなものであったため悔しそうにするグレモリー。

 

「そう言った意味では一番いい動きをしてたのは木場だ。起動力を活かして俺を視界から外れて攻撃しようとしてたのは中々だった。まあ、全部見えてたけどな。俺視力いいし」

 

「・・・・いや、朧くん目良すぎるでしょ。狭い屋内で全速力じゃなかったとは言え普通の人間じゃ目で追えるようなものじゃないんだけど・・・・」

 

「私の視力は53万です」

 

「・・・・斬って捨てたくなるような笑顔だね」

 

木場にまで言われてしまった・・・・まあわかるけども。俺も向こうの立場だったら銃を乱射してやりたいと思う。

 

「でもまあ、実際俺の視力はかなりいいよ。マサイ族もびっくりなほどだし。ぶっちゃけ最低でも10.0ぐらいはあると思う」

 

「「「それ良すぎだから(です)」」」

 

全員に突っ込まれてしまったが、実際問題それぐらいはあるだろう。俺の目は特別性だからな。

 

『これも私のおかげね』

 

・・・・ああそうだよ。お前のせいだよラム。まあ、いいんだけどさ。

 

「そんなことよりも、さっきも言ったように皆戦い方が素直すぎます。幻術使いを相手取るなら目で見た情報を信じちゃダメです。今目の前にいる俺も幻だって疑うぐらいじゃないと」

 

「え?今私達が見てる朧さんは幻なんですか?」

 

「いや、俺は本物だよ。嘘だけど」

 

「嘘・・・なんですか?」

 

俺の言ったことに面白いぐらいに翻弄されるアーシア・・・・正直少し胸が痛いです。

 

「・・・・うん、まあこういうのも良くないな。幻術使いのいうことを一々鵜呑みにしちゃいけない。俺は嘘つきだから」

 

「「「それはもう十分すぎるほどわかってる」」」

 

アーシア以外の全員が口を揃えて言う。

 

・・・・この短期間でこの評価。うん、幻術使いとして鼻が高いです。

 

『あなた泣きそうよ?』

 

ほっといてくださいラムさん。

 

「まあ、ともかく幻術使いとの戦闘中に敵からもたらされる情報は信じないほうがいいです。だからこそ、一番有効だったのは姫島先輩のアレだったわけだけど」

 

「アレ?」

 

「あまりにも俺に攻撃が当たらない上、俺からの挑発でイラついてやたらと雷落としまくってたあれです・・・・正直あれが一番危なかった。姿くらませてた時にあれやられると中々焦るんですよ」

 

実はあの時一発雷喰らったんだよなぁ。あれは痛かった。いや、痛いで済んでる時点で俺も大概なんだけどさ。

 

・・・・・この体じゃなかったらやばかった。

 

「・・・・つまり幻術使いと戦う時は幻に惑わされずデタラメに攻撃すすればいいってことですか?」

 

「それが対策になるってわけじゃないけど、他に手がないなら有効ではある。まあ、幻術使いを相手にする時っていうよりは俺を相手にするときはって言ったほうがいいけど・・・・・」

 

「そうですか。わかりました・・・・その時はそうします」

 

「・・・・念のため言っておくけど塔城ちゃん、俺君たちと敵対するつもりはないんだけど?」

 

「幻術使いは嘘つき」

 

「いや、確かにそう言ったけれども」

 

ぶっちゃけ将来的に敵対する可能性があるので洒落にならない。まあ、別にデタラメに攻撃されたって困りはするけどどうにでもなるからいいけど。

 

・・・・肝心な秘密はまだ教えてないし。

 

「まあ、とにかくこれからも何度か模擬戦の相手をしますんで少しづつでもいいのでコツを掴むといいですよ。それじゃあ俺はそろそろ・・・・」

 

「もう帰るのか?」

 

「もうって・・・・そろそろ日が暮れるぞ?イッセー達はまだ仕事があるだろうけど俺は帰って夕食の準備やらしないといけないんだからな」

 

「そっか、朧は一人暮らしだもんな」

 

「そうだよ。だから色々やること多くて大変なんだ」

 

嘘です。本当はレイナーレと二人暮らししてます。最近はレイナーレも家事負担してくれてるからひとり暮らしの時よりも色々楽になってます。

 

「あれ?でも保護者がいるのに一人暮らしなのか?」

 

「あのひとは仕事で世界中回ってるんだよ。この学園に入るまでは俺も一緒だった。まあ、この街にもしもあのひとが居たら・・・・」

 

「やめて頂戴朧・・・・・想像したくないわ」

 

「はい。すみません部長」

 

あのひとがこの街にいたらと想像してしまったのであろうグレモリーはすごいゲンナリとした表情をしていう。

 

・・・・うん、それは仕方ないよな。あのひとがこっちで暮らしてたら絶対色々と問題になるから。

 

『私は好きなんだけどね彼女』

 

そりゃお前は楽しければなんでもいいだろうよ。

 

「とにかく俺はこれにて失礼します・・・・っと、そうだ忘れてた。部長、これを」

 

俺はカバンを開けてプリントを3枚グレモリーに渡した。

 

「これは?」

 

「部活の活動報告書と活動予定表と部費の増額願書です。この3枚を生徒会に見せれば部費が増額するかもしれませんので。一応目を通しておいてください。不備があれば修正いたしますので。それでは皆さんまた明日」

 

皆にヒラヒラと手を振って、俺は部屋を出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・はあ、なんだか調子が狂うわね」

 

部長は朧が手渡したプリントを見ながらそう言う。

 

「調子が狂うって・・・・朧がですか?」

 

「ええ。正直監視目的で部に置いているから警戒しているのだけれど・・・・あそこまで真面目にやることやってもらうとね」

 

「真面目・・・・ですか?私には巫山戯てるようにしか見えません」

 

部長の言葉を否定するようにバッサリと言う小猫ちゃん。容赦ないなぁ・・・・あ、そうだ。

 

「小猫ちゃん。朧が仕事終わりにでもって言ってお手製のゼリーを冷蔵庫に入れてたけど?」

 

「訂正します。少しは信用してもいいと思います」

 

この変わり身の速さである。小猫ちゃん・・・・それはちょっとチョロすぎると私思うな。

 

「ですが部長、あの態度からは真面目だとは到底思えないのですわ」

 

「まあ、確かに小猫や朱乃の言うとおり態度は巫山戯ているようにしか見えないわね。でも・・・・その実これよ」

 

部長は手にしている3枚のプリントを私達に見せてくる。3枚のプリントはどれもびっしりと丁寧な字で埋め尽くされていた。

 

「3枚とも内容は事細かに書いてあるわ。不備もなければ誤字も一切なし。彼なりに色々と考え、調べて書いたのでしょうね」

 

「これを朧さんが・・・・すごいです」

 

「さっきの模擬戦にしたってそうよ。ふざけた態度をとることは多々あるけれどそれでも戦闘自体は幻術使いとしてまともに取り組んでいた。それは皆もわかっているのではないかしら?」

 

「・・・・そうですね。態度はともかく幻術を使ってでのあの戦い方はこちらの要求通りのものでした。彼は彼なりに真面目に取り組んでいたと僕も思います」

 

木場もまた、朧は真面目に事に取り組んでいたことに納得している様子だ。

 

・・・・自分に言われてるわけでもないのに嬉しいと感じるのはやっぱり朧が私にとって親友であるということなのだろう。

 

「朧さんは真面目でお優しい方です。私も学校生活の面で色々とお世話になってます」

 

確かに、朧は何かとアーシアを気にかける。昼は桐生とヒートアップしてしまっていたが、アーシアの前では下ネタを言うのを極力控えてるしな。

 

ただまあ、朝変な神様を教えようとしてたのはダメだけど。

 

「とにかく、こんなふうに真面目なところを見せられると・・・・警戒しないといけないのにその警戒が少し緩んでしまいそうなのよね」

 

「それが彼の思惑であるという可能性もありますわよ部長?」

 

「わかっているわ。だからこそ・・・・・この上なく厄介で調子が狂ってしまうのよ」

 

部長は俺達眷属に多大な愛情を持って接してくれている。だが、だからこそ朧のことも警戒しながらも身内として見てしまうところもあるのだろう。

 

「部長・・・・私は朧を警戒する必要はないと思います。朧はあれで・・・・優しくていい奴だから」

 

「・・・・イッセーがそう言う気持ちもわかるわ。でも・・・・警戒はやはりするべきよ。おそらく彼はまだ私達に隠してることがあるでしょうから」

 

・・・・・・それは否定できない。だって朧は一年も親友である私に自分の事を隠していたのだから。きっとまだ隠してることはあるのだろう。

 

でも・・・・それでも私は朧を信じてる。

 

朧が私達の敵になることなんてないって・・・・私は信じたいよ朧。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ・・・・もう最っ高」

 

俺は今幸せの絶頂に浸っている。というのも、初めてレイナーレの髪を洗うことができたからだ。

 

夕食を食べ終えてしばらくして、お風呂に入りに行こうとするレイナーレに冗談半分で髪を洗わせて欲しいと言ったらなんと了承してくれたのだ。

 

ということで、現在俺は風呂場でレイナーレの美しい髪を丁寧に洗っているのだ。

 

「・・・・毎度思うけれどそんなにいいのかしら?」

 

「幸せすぎて俺の男の象徴がエレクチオンして絶頂しそうです」

 

「あっそ」

 

最近レイナーレのスルースキルが(俺のせいで)上がってきた気がするけどそんなこと気にしてられない。とにかくこの幸せを謳歌しなければ。

 

「というかあなた・・・・この状況で興奮するのは私の髪に対してだけなのかしら?」

 

レイナーレが若干呆れたような声色で俺に尋ねる。

 

この状況というのは・・・・バスタオルを体に巻いた状態で俺の目の前にいるという状況のことだろう。

 

「そんなことはないぞ?一番俺を魅了するのが髪ってだけでレイナーレの躰も綺麗だと思ってる。いっそこのまま襲いかかって体中まさぐってしまいたいとさえ思っているんだ」

 

「ならすればいいじゃない」

 

「嫌だ。そもそもそうならないためにバスタオル巻いてもらってるんだからさ」

 

はじめはレイナーレはバスタオルを巻かずに浴室に入ろうとしていた。だが、その状態じゃ髪を洗うのに集中できないからと俺がバスタオルを渡したのだ。ちなみに俺も濡れてもいい服を着ている。

 

まあ・・・・その時色々と見えたけどな。それについてはすっごい嬉しかった。

 

「嫌って・・・・何?私とそういうことしたくないの?」

 

「今はまだな。今したらレイナーレに嫌悪感抱かれそうだし」

 

「そう・・・・・ちょくちょく思うけどあなたって結構いい人ね」

 

「・・・・いい人?」

 

その言葉を聞いた瞬間・・・・・俺はレイナーレの髪を洗う手を止めてしまった。

 

「どうしたの?」

 

「・・・・違う。俺は・・・・いい人なんかじゃない!」

 

「ッ!?」

 

突然俺が大声を出したのに驚いたのか、レイナーレは体をビクリと震わせた。

 

「違うんだよ・・・・レイナーレに嫌悪感を抱かれたくないのは・・・・そうなったら俺が俺自身を嫌ってしまうからなんだ。俺がいい人だからじゃない・・・・俺は自分さえよければそれでいいんだ」

 

そうだ・・・・俺はいい人なんかじゃない。そんなんじゃない・・・・あるはずがない。

 

「・・・・・なんでそこまで否定するのよ?別にいい人だって言われるのは悪いことじゃないと思うわよ?」

 

「そうだな・・・・レイナーレからしたらそうなんだろうな。だけどな・・・・・いい人っていうのは幸せになれないんだよ。いい人ほど・・・・幸せになれずに早く死ぬんだよ。幸せになれたとしても・・・・守ってくれる存在がいないとすぐにそれは手から零れ落ちる」

 

そんなの・・・・俺は嫌だ。

 

「俺は・・・・幸せになりたい。幸せになるんだ!もうあんな思いは・・・・大切な幸せが失われるのなんてゴメンだ!そんなの絶対に嫌だ!」

 

思い起こされるのは・・・・・かつての幸せだった日々。父さんがいて、母さんがいて、そして俺がいて・・・・・毎日が楽しかった。

 

けどそんな幸せは・・・・奪われたんだ。天使が、堕天使が・・・悪魔が俺から全てを奪ったんだ。

 

だから今度こそ俺は幸せになってやるんだ。

 

失わないためには・・・・・いい人なんかじゃいられない。

 

「俺は・・・・いい人なんかじゃ・・・・ない。俺は・・・幸せに・・・・」

 

「・・・・なれるわ」

 

「・・・・え?」

 

「あなたぐらい強かな人間ならなれるわ。自分の幸せのために悪魔どころか親友さえ欺けるぐらいの度量があるなら・・・・幸せになれないどうりはない」

 

「レイ・・・・ナーレ」

 

「というより・・・・その為に私を連れてきたのでしょう?だったら私を惨めにしないためにも・・・・幸せにくらいなってみせなさい」

 

レイナーレは俺の胸ぐらを掴み、顔を近づけて言う。

 

ああ・・・・この女は自分が惨めにならないために・・・そのためだけに俺の幸せを願っている。あくまでも自分のために人の幸せを願ってやがる。

 

ははは・・・・・なんだよおい。レイナーレも俺と同類のエゴイストじゃないか。より一層好きになったぞ。

 

「・・・そうだな。俺はほかの誰でもない俺の為に幸せになってやるよ。お前が惨めになるとかならないとかそんなことだって考えたりしない。俺の幸せの為に・・・・お前を利用してやる」

 

「そう・・・・まあ、それでいいんじゃないの?どうでもいいけど」

 

どうでもいいと言いながらも俺の言葉に満足したようで、レイナーレはニヤリと笑みを浮かべて見せた。

 

「だったら早く私の髪洗いなさいよ。それもあなたの幸せなんでしょう?」

 

「ああ。もちろんだ」

 

そう言って俺に背を向けるレイナーレ。そして俺は再びレイナーレの髪を手にとって洗い始めた。

 

「それと・・・・さっき言ったあなたがいい人だっていうのは取り消すわ。自分の幸せの為に私を利用するようなあなたが・・・・・いい人だなんてありえないもの」

 

「・・・・くくっ。ああ、そうだな」

 

ああもう・・・・なんどこうたびたび嬉しいこと言ってくれるんだよこの女は。

 

『全く・・・・前に言ったのに、あなたまた女の強かさを舐めたわね』

 

そうだな・・・・俺もたいがい学習が下手なようだ。

 

まあ、そんなことは置いといて・・・・と。

 

「んー・・・・やっぱレイナーレの髪最高♪」

 

「そう・・・・それは何よりだわ」

 

今はとにかく・・・・・この幸せを謳歌するとしますか。

 

 




朧はいい人と言われるのを極端に嫌っています

その原因・・・・というか決定つけたのが桐生とのことなのですが

でもまあ、実際朧は善と悪のどちらかと言われればギリギリで善ですがね

それでは次回もまたお楽しみに!

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