ハイスクールD×D ~それは現か幻か~ 作:DDX
まあ今回は・・・・・
それでは本編どうぞ
レイナーレとの激闘から一夜明け、授業後私達はいつものようにオカ研の部室に集まっていた。ただ・・・・・いつもとは違うことが二つある。
その一つは・・・・・
「アーシア、やっぱり落ち着かない?」
「は、はい・・・・・少し」
この場にアーシアがいることが。
昨日、アーシアは部長の悪魔の駒で転生し、部長の眷属・・・・・僧侶となった。
アーシアが目を覚ました後、事情を説明したらそれはもう驚いていた。アーシアは熱心な信者だったから当然であろう。
だけど・・・・アーシアは受け入れた。これから悪魔として生きていく宿命を受け入れ、私達の仲間となったのだ。
ちなみにアーシアは部長の計らいによって近々駒王学園に転入することになっている。まあ、部長の眷属となるのだからその方が都合がいいのだろう。
ただまあ・・・・流石にアーシアが私の家で暮らすことになったことについては驚いたけど。部長曰く、関わったからには責任を持てということらしい。しかもアーシアまで乗り気だし・・・・・まあいいけどね。
冷静に考えればアーシアみたいな可愛い娘と暮らすなんて・・・・・やばい、役得すぎる。すっごい嬉しい。何かもう・・・・・えへへへへへ。
「イッセーさん?どうしたんですか?」
「へ?」
「・・・・イッセー先輩。いやらしい顔してました」
なん・・・・だと?
くっ・・・・アーシアとの生活のことを考えてついついにやけてしまっていたのか。これではアーシアに変な奴だと思われてしまう・・・・まあ、事実なんだけどさ。
エロくて同性愛者とか・・・・・どう考えても普通じゃないよね。
まあ、直すつもりは毛頭無いけどね!私は我が道突き進むぞ!ハーレム築くぞ!おっぱい揉みしだくぞ!
・・・・と、まあこの話はここまでにして。次行こう次。
もう一つ、いつもとは違うことがあるのだ。そのもう一つというのは・・・・・今日部室に集まった目的だ。
いつもは部活動やら悪魔としての活動のために私達は部室に集まったのだが・・・・今日はそれ以外にも目的がある。
それは、朧に話を聞くこと。昨夜、レイナーレとの戦いに割り込み、神器を用いて朧はレイナーレを殺した。それだけならまだしも朧は悪魔に関する事情も色々と知っているみたいだった・・・・故に私達は、それに関して朧から話を聞くために今部室に集まっているのだ。
そう、集まっているのだが・・・・その肝心な朧が部室に来ていない。
「イッセー、彼とは連絡は取れないの?」
「はい・・・・・電話しても出ません」
部長が連絡は取れるかと私に尋ねるが、残念ながらそれは不可能だった。電話しても朧の奴出ないんだよなぁ・・・・しかもあいつ今日学校休んでるし。
朧・・・・・なんで来ないんだよ?
「・・・・もしかして初めから来るつもりがなかったのかしら?」
「・・・・ありえますね。昨日ああ言ったのはその場から逃れるためだけの可能性があります」
溜息を吐きながら言う朱乃先輩の言葉に、木場が同意する。
「いや、いくら朧でも流石にそれは・・・それは・・・・」
「「「それは?」」」
「・・・・・十分にありえます」
だってあの朧だもんなぁ・・・・あいつ何考えてるのか私でもわからないことあるし。何よりあいつ・・・・・・卑怯とか卑劣とか言われても結構気にしないタイプだし。
・・・・やばい、なんか本当に朧の奴来ないで逃げたんじゃないかと思えてきた。すごく皆に申し訳なく思えてきた。
「なんか・・・・本当にすみません」
「イ、イッセーさんが謝ることじゃありません!」
「そうよイッセー。悪いのは彼の言葉を鵜呑みにしてしまった私と・・・・なにより私達を騙した彼よ」
「ちょっとちょっと。その言い草は流石に酷いんじゃないですかね?」
「「「!?」」」
私達の耳に、その場にいなかったはずの人物の声が聞こえてくる。
声のする方へと振り向くとそこには・・・・
「やあ。こんにちは」
ニッコリと笑顔を浮かべる朧が、部室に備え付けられたソファに座っていた。
「いやぁ、このソファやっぱり座る心地いいですね。うちにも欲しいなぁ」
「朧!?な、なんで!?いつから!?」
私は朧がそこにいたことに驚きを隠せずにはいられない。それは他の皆も同じようで、表情は驚愕に染まっていた。
だって・・・・そこにはさっきまで間違いなく誰もいなかったはずなのだから。
「いつから、と聞かれれば・・・・・誰よりも早くからと答えておこうか」
「・・・・どういうこと?」
依然笑顔のまま答える朧に、部長が睨みながら尋ねる。
「皆さんが部室に来る前から俺はこのソファに座っていましたよ。ただ、皆さんはそれに全く気が付かなかったようですが」
「まさか・・・・・幻術で姿をくらませていた?」
「イグザクトリー。その通りでございますよ姫島先輩」
どうやら朱乃先輩の言うとおりであったようで、朧はおどけたような態度で肯定した。
「・・・・趣味が悪い」
「あははははっ、きっついなぁ搭城ちゃん。でもさ、自分がいないところで自分の事どう言われてるかとかって気になったりしないかい?」
・・・・その気持ちちょっとわかるかも。自分の事どう言われてるかってやっぱり気になるからなぁ・・・・でも、だからって自分の姿消して話を聞くのもどうかと思うけど・・・・まあ、朧だからしょうがないか。うん。
「それより・・・・随分とまあ俺のこと疑ってくれましたね。そんなに俺って信用ありませんか?」
「そう思っているのなら姿を隠さずに堂々と待っていて欲しかったのだけれど?」
「うん、ごもっともですね。まあそもそも俺は幻術士・・・・信用なんてできるわけがないか」
「そんなことない!」
朧が自嘲気味の笑みを浮かべながらそういうのを聞いて・・・・私は思わず叫んでしまっていた。
「イッセー?」
「私は・・・・朧のこと信用してる。だって・・・・親友だし」
・・・・うわぁ。私今すっごい恥ずかしいこと言ってるよ。絶対顔赤くなってる・・・・信じられないくらい熱いもん。
でも・・・・言ってることは本当だ。私は誰がなんと言おうと・・・・たとえ朧が何者であろうとも朧の事を信用してる。
朧は・・・・私の一番の親友だから。
「・・・・・」
「どうしたんですか?」
何やら額に手を当てて黙り込んでいる朧に、アーシアが声をかける。
「いや、その・・・・ちょと涙腺が崩壊しそうになって・・・・」
・・・・え?それってまさか・・・・感極まってとか?朧が?
「えっと・・・・朧?マジで」
「悪いかよ!こちとら生まれてこのかたイッセー以外に親友はおろか友達なんて一人もいなかったんだ!だから嬉しかったんだよ!」
おう・・・・マジで感極まってだったのか。
というか・・・・朧、お前友達いなかったんだな。確かに私以外と話をしてるところなんて一回も見たことなかったけどさ・・・・
「「「・・・・・」」」
皆の朧を見る目がどこか優しい気が・・・というより同情に満ちてる気がする。さっきまで疑われてたのが嘘みたいだ。
「あ~・・・・朧。なんていうかアレだ・・・・何があっても朧のこと信用してるから。だから・・・・まあ・・・・ずっと親友でいよう」
自分でもかなりくさいこと言ってるって自覚はある。でも、こんな朧見てると・・・・言ってやらないといけないって気になっちゃったんだ。
それにまあ・・・・・・私自身が朧とずっと親友でいたいって思ってるしな。
朧といると・・・・楽しいし。
「ありがとうイッセー・・・・・・でもまあ、友達はいなかったけど彼女は何人かいたから寂しくはなかったけどね~」
「「「「感動を返せ!!」」」」
朧のこの一言に、アーシアを除くその場に居た全員が突っ込んだ。普段物腰柔らかい木場でさえだ。アーシアだけ苦笑いを浮かべているが。
「いやぁ、ごめんごめん。なんかああいう空気ってくすぐったくてさ~。あははははは」
朧・・・・本当にお前ってやつは。
まあ、朧のそういうところも私は親友として好きなんだけどさ。
ただ・・・・アーシア以外は全員朧にジト目向けてるけど。私だってそうだし。
「あ、そんなことよりもこれ」
朧は自分のすぐ隣に置いていた箱を手にとって差し出してきた。
「最近話題のシュークリーム。手土産にと思って1時間待って買ってきましたー」
「1時間待ってって・・・・お前まさかその為に授業サボったって言うんじゃないよな?」
「あはっ」
「あはっ、じゃないだろ・・・・」
「なんだよおい・・・・文句言うならイッセーにはあげないぞ?」
「ごめんなさい私が悪かったです。私にもください」
私は速攻で頭を下げて謝罪した。
プライド?そんなものよりもシュークリームだ。あのシュークリーム一度は食べてみたいと思ってたんだから。
その後、私達は皆で朧の買ってきてくれたシュークリームを味わった。特に小猫ちゃんは大変満足そうであった。
・・・・あ、まだ肝心な話何もしてないや。
自分の評価を上げてから落とす・・・・そういうことを朧は平気でやります
そしてそんなことして楽しんでます
・・・・本当にろくでもない性格をしている
それでは次回もまたお楽しみに!