NANAMI   作:鑢八茎

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葬式

 七実はうちはの里はもちろん、最近は里でもピリピリした空気に満ちているのを確認して眼を細める。

 

「どーしたってばよ姉ちゃん?」

 

 そして何も知らぬ者達はその不満をナルトに向ける可能性が僅かにあるので、出来るだけナルトと共に行動していたらナルトが心配そうにこちらを見つめてきた。

 今度、演劇でも見て演技を身につけようか……。

 

「何でもないわナルト。心配してくれてありがとう」

 

 七実はナルトの頭を撫でて笑った。ナルトはふーん、と不思議そうな顔をするが特には聞いてこなかった。

 

(ナルトはある程度成長した。憎しみを十分に知れるほどに………これなら暗部も下手に手出しは出来ないでしょう。私達の両親を殺したあの狐は憎しみなどに反応するようだったし……)

 

 七実は第二の生を受けた時点で前世の記憶、成熟した人格を持っていた。

 だから生まれたときのことも覚えていた。とは言え、赤子の目では靄がかかったような状態だが……。

 

(出来ればあの時点で視力が完全だったらナルトに施された封印も詳しく解ったのだけど今それを言っても仕方ないわね)

「ねえナルト」

「?」

「ナルトはキチンと歯磨きできる?私がいなくなった後、だらしない生活を送ったりはしないわよね?」

「いきなり何だってばよ……まあ、サボったら姉ちゃんに何されるか解らんし絶対にサボらないってばよ!」

「そう。ならいいわ……」

 

 七実はナルトの頭から手を離し空を見上げる。日が傾き、そろそろ夜になる。

 

「あ、そうだナルト。私、明日は用事があるの」

「用事?」

「知り合いが死んだのよ。別にどうとも思ってないけど、一応恩はあるから………」

 

 先日、シスイが身投げしたらしい。大方うちはが七実を警戒し始めた事に関係があるのだろう。七実に探られることを恐れ、シスイは里を思う忍者だったと言う七実の認識が間違っていなければ………。

 

「クーデター……」

 

 イタチは、どう動くのだろう?

 葬式の時探りを掛けてみるか………。

 

「その方が良いわよね……いえ、悪いのかしら……」

 

 

 

 

 うちはシスイの葬式。

 七実は普段の着物と違い黒い着物を着て参列した。七実が来ることをよく思わない連中も、流石に葬式では何もしてこなかった。

 

「………あら?」

 

 七実はシスイの棺桶に花を入れる時、シスイの死体の瞼が窪んでいるのに気づいた。おそらく眼がくり抜かれているのだろう。しかし、何のために……。

 七実は運ばれていく棺桶を見ながらおそらくシスイの遺族であろう者達を見る。

 七実は運ばれていく棺桶を見ながらおそらくシスイの遺族であろう遺族を見る。

 

「………………」

「七実、来たのか」

「………イタチさん」

 

 七実が一歩踏み出そうとするが、その前にイタチに声を掛けられる。

 

「ええ、まあ……イタチさんが任務でいない時代わりに遊んでくれますからね」

「七花に会いに来てたのか?いっそ自分で飼えば良いのに」

「あら、私はイタチさんに会う口実で七花に会いに来ていたのですが?」

「!?」

「冗談ですよ……」

 

 イタチが明らかに動揺すると七実はクスクスと笑う。

 

「でもまあ、私がイタチさんを気に入っているのは本当ですよ……ちょっと前まで誰かと関わりを持ったことが無かったのでなかなか新鮮なんですよ、今の関係」

「………そうか」

「兄さ~ん」

 

 と、その時七実と同い年ぐらいの少年が走ってくる。イタチに少しにている。兄弟だろうか?兄さんと呼んでいるし……。

 

「父さんが呼んでたよ………あれ、そっちの子は?」

「サスケ、解った。今いく……七実、こいつはオレの弟のサスケだ」

「こんにちはサスケくん。アカデミーの噂はかねがね……全部一位何ですってね、凄いじゃない。あ、私はうずまき七実と言います……」

 

 七実がそう言ってニッコリ笑うとサスケの顔が赤く染まる。父の下に行ったイタチがいれば顔をひきつらせたことだろう。相手が危険すぎる。

 

「………アナタ、イタチさんに大切に思われているのね」

「え?」

「何でもないわ……それじゃあね…………」

 

 

 

 

 

 

 うちはのクーデターが起きるのは間違いないらしく、そして根の頭領であるダンゾウはイタチに命じうちはを滅ぼすつもりのようだ。弟を人質にして………。

 

「そ、ありがとう……」

 

 暗部の男は七実に全てを報告して、七実はそれを聞き考える。既に幻術により七実に心酔している暗部のダンゾウに出来るだけ近い男が言うのだ、間違いないだろう。

 イタチ以外に親しいうちは一族と言えばシスイだけだし、滅ぼうが知ったことではないが……。

 

「そう言えば、うちはで思い出したんですけどアナタ、この眼について何か知りません?」

「それは……万華鏡写輪眼ですね。開眼した者はいずれ光を失うと聞きます」

「まあ、それは困ります。何か方法はありませんか?」

「申し訳ありません………ただ、初めて万華鏡写輪眼を開眼したうちはマダラは永遠の万華鏡写輪眼を持っていた……と」

「そう。ならうちはのイタチさんにでも聞いてみるわ。アナタは……もういらない」

 

 ヒュン、と音が鳴り響き暗部の額にクナイが深々と突き刺さる。

 

「さて、決行日は3日後……イタチさん、素直に話してくれるかしら?まあ、いざとなったら弟を人質にすれば良いでしょう」


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