ややこしいかもしれませんがよろしくお願いします
俺は五年生になり見滝原に引っ越し後、しばらくしてようやく身の回りが落ち着き久しぶりに杏子ちゃんの家の教会に訪れる。
「これはいったい・・・?」
いつもは人通りの少ない教会の入り口に人が並んでるのが見える。
「(まさか・・・・)」
急いで行ってみると教会の庭は人でごった返していた。
「お、一真じゃないか、久しぶり~」
「き、杏子ちゃん・・・」
恐る恐る振り返るとリンゴを齧りながら笑顔の杏子ちゃんが迎えてくれた。
「すごいだろ?みんな、父さんの話を聞くために来てくれたんだ」
背中に流れる冷汗が止まらなかった。
「でさ、モモの奴は・・・」
杏子ちゃんの話が耳に入らない。
油断していた!
原作では具体的に彼女が魔法少女になった日は説明されていなかったから
てっきり中学に入学してから契約したものだと勝手に考えいた
まさか小学生の時から魔法少女になっていたなんて!
「ん?どうしたんだ?怖い顔して?」
「あ、ご、ごめん。なんでもない。今日は帰るよ。またね」
「お、おう、またな」
杏子ちゃんと別れた帰り道
嬉しそうに話す杏子ちゃんの笑顔を見るのが辛かった。
あの笑顔が魔法少女に契約したことで曇っていく事と
そんな状況を止められなかった自分の不甲斐なさに怒り覚える
「一真じゃないか、こんな所でどうした?」
思考の海から現実に戻され顔を上げると停車したスクーターに乗る一真の父『城戸真司』の姿があった。
「あ、遊びの帰りだよ。父さんこそどうしてここに?」
「ああ、この先の教会の取材だ。沢山の信者が集まって話を聞きに来るという話題の神父様の取材なんだよ」
「そ、そうなんだ、気をつけてね」
確かに急に信者が集まり始めたら話題になってジャーナリストなら飛びつくよな。
言えない・・・それは話を聴きに行ってるんじゃなくて魔法で集められてるだけなんて・・・
「ん?どうかしたのか?」
「・・・・なんでもないよ、いってらっしゃい」
取材の時間が迫っているとの事で父さん乗るスクーターは教会に向かって走っていた。
「くそが!」
父さんがだいぶ離れた後、俺は壁に憤りのない怒りを拳にして壁にぶつける
なにが彼女たちが魔法少女になるのを止めてあんな悲しくて報われない運命を防ぎたいだ
油断して護れてないじゃないか!
『相棒、あまり気に病むな』
「それはどういう意味だ!ドライグ』
『契約したのは佐倉杏子自身が決めた事だ。そしてこれから起こる事もあの女の責任でもある』
「なにが責任だ!このあとどうなるかお前も知ってるだろ!」
この後杏子ちゃんは『お父さんの話をみんなが聞いてくれる』という父親を思っての願いと引き換えに魔法少女になるがそれが父親にバレて自分の思いでなく魔力のおかげで聞いただけとショックを受けて娘の杏子ちゃんを魔女と罵り
お酒に溺れ母や妹に暴力を振るうようになってしまい教会は元の廃墟に逆戻りして、最後には父親は母親とモモちゃん刺し殺して後
父親自身も杏子ちゃんを残して首を括って自殺してしまうという悲劇が待っている。
ドライグの言葉に思わず怒鳴る
『過ぎてしまった事はもう取り戻せない。だったらそうならないように今度こそお前が支えてやればいいだろう。その為にこれまで辛い鍛錬をこなしてきたんじゃなかったのか?』
「あ・・・」
そうだ、その為にリュネと神様から力を貰い今日までがんばってきたんだ。
「ごめんドライグ、自分の事を棚に上げて怒鳴って八つ当たりして」
『いいさ、相棒はまだ若い。だから俺が時には叱咤して支えてやる』
「ありがとう」
さすが数万年以上生きた伝説のドラゴンだ。頼りになる
「さて気合い入れ直して次の行動に移るぞ!」
ある日の夜、俺は廃工場にいた
『相棒、どうやらこの辺だ。ここら辺で佐倉杏子は魔女と戦っている』
「分かるのかドライグ」
『ああ、俺は魔女の魔力と佐倉杏子の魔力を感知できるからな。』
俺は杏子ちゃんに一緒に戦う事を宣言する為に杏子ちゃんを探していた。
『おっとここだな』
ドライグがそう言うと目の前の空間が歪んでいる
これが魔女の結界か
『相棒、残念ながらお前はまだ
「・・・分かった。いくよ」
自分の力不足の悔しさをかみしめながら結界内に飛び込むと魔法少女になった杏子ちゃんが魔女と呼ばれるサーカスのピエロのような異形の怪物と戦っていた。
~~杏子サイド~~
「くそ・・・」
アタシはボロボロになりながらも槍を構える。
「ウケケケ」
対して余裕そうな魔女は相変わらず不気味に笑っている。
数日前
キュゥべえと名乗る妙な生き物が目の前に現れてどんな願いも叶えるから魔法少女にならないかと契約を持ちかけられた。
最初はそんな力に頼らなくてもみんなで頑張ればきっとなんとかなると思い追い返した。
しかしだんだんと家のお金が底を尽き始めて日々の食事すらままならない状況が続き、私とモモはいつも空腹だった。
母さんと親父も少ない食事を分け与えてくれたが日に日に痩せていく家族の笑顔を見るのがなによりつらかった。
ある日、空腹に耐えられなくなった私はついに一個のリンゴを盗んでしまう。
しかしそれも店員に捕まり殴られ剥奪されてた。
いつも助けてくれた一真が風見野からいなくなり誰も助けてくれない世の中に嘆いていた所にキュゥべえが再び現れ、
そして家族を助ける為に私は契約した。
今日も私魔法少女として世の中に災いを振りまく魔女と戦っている
「ウケケケケッ」
ピエロの魔女が戦法がジャグリングのように5本のナイフ投げまわしている。
「ウケッ!」
「このっ!」
5本のナイフを同時に投げ槍で払いのける。
「ウケケケケッ」
魔女の手元に新たなナイフと足元に使い魔が召喚される。
「くっ!」
ピエロの魔女が遠距離に戦法を変えたことに歯ぎしりする。
私の武器は近距離と中距離は戦えるが遠距離の攻撃方法はない
「どうすれば・・・」
【一真サイド】
「杏子ちゃん」
「え!?」
杏子ちゃんがびっくりして振り返る。
「か、一真、なんでここに・・・」
杏子ちゃんは知られたくなかったって表情で後ずさりする
「(さてこれが初陣だ。修行の成果を試させてもらう)」
「プロモーションキング!」
俺の中の
『(相棒、自分の服装を見てみろ。面白いことになってるぞ)』
「これは・・・」
ドライグに言われてみてみると俺の服装が駒王学園の冬服バージョンに変わっていた。
しかもご丁寧にシャツは『ハイスクールD×Dの主人公』と同じ赤い色である
「お前、魔法少女だったのか?」
「俺、男だよ・・・」
杏子ちゃんの言葉に苦笑しながら俺は左腕を
「な、なんだよそれ!?」
杏子ちゃんは俺の左腕が赤い籠手に変わった事に驚きながらも俺は
「杏子ちゃん、終わったら全部ちゃんと説明するから今は目の前に集中して」
「お、おう。あとで説明しろよ!」
「俺が突破口を開く!行くよ」
赤い魔力弾『ドラゴンショット』を放つ
「ギャアギャア」
使い魔たちが爆発に巻き込まれ断末魔を上げる。
『Boost!』
「もう一発!」
倍加してドラゴンショットを放つ。
右手に持つナイフを吹き飛ばす。
「ギギャ!」
右手を吹き飛ばされ驚く魔女
走りながら倍加の時間を稼ぐ。
攻撃された魔女は怒り狂い何本ものナイフを投げてくる
今の俺はスペシウム光線のような大技は無理で牽制技のスラッシュ光線やウルトラバリアのような補助技は使えるようになっている。
両手を合わせてスラッシュ光線で足を攻撃して体勢を崩してよろめき倒れる。
まだ空を飛べない俺はジャンプして魔女の鼻先に跳ぶ
『Boost!』
『Explosion』
「さらにおまけだ」
特大のドラゴンショットを魔女の顔面に放ち、直撃させる。
「ギャアアア!!!!」
爆炎に撒かれた倒れた魔女は苦しみながらのたうち回る。
「杏子ちゃん!」
「ああ!」
杏子ちゃんの持った槍が魔女の身体を刺さり、着地してすぐ走って俺も槍を掴みさらに押し込む。
「(ごめんね・・・)」
魔女の正体を知る俺は心の中で謝罪し、魔女を完全に仕留めた。
それと同時に魔女の結界は崩壊して元の空間に戻る。
元の廃工場に戻り杏子ちゃんの真正面に立ち、彼女の目を見て決意を話す
「杏子ちゃん、俺にも戦える力がある。だから俺も君と一緒に戦わせてほしい」
「な、なに言ってんだよ!これは遊びじゃねんだ!下手すりゃ死ぬかもしれないんだぞ!」
「それは杏子ちゃんも一緒でしょ?杏子ちゃんも死ぬかもしれない」
「と、とにかく駄目なもんは駄目だ!」
「じゃあどうしたら一緒に戦わせてくれる?俺がここで杏子ちゃんと戦って勝ったら認めてくれる?」
「お、お前、本気なのか!」
「本気じゃなきゃこんな事言わないよ。」
杏子ちゃんは槍の先を俺の目の前に向ける。
俺は微動だにせず杏子ちゃんの眼を見る
「本気・・・なんだな・・・」
そう言って杏子ちゃんは槍を俺の前から引く
俺が顔を引いたり怯えたりしたら認めてくれなかったんだろうな
「分かった一真、これからよろしくな」
杏子ちゃんは一緒に戦える事に嬉しそうだったのを覚えている。その杏子ちゃんの顔に俺は彼女を魔法少女にしてしまった後悔があったが気づかれないように笑顔で返した。
《佐倉杏子、彼は危険なイレギュラーだ。今の内に倒した方がいい》
俺と杏子ちゃん以外の第三者の声がして、声の方を見るとインキュベーターがそこにいた
「(なるほど確かに見た目は可愛いマスコットキャラにしか見えないな、見た目だけは・・・)」
インキュベータ『キュゥべえ』この魔法少女まどか☆マギカの黒幕で悲劇の元凶
詳しい説明もしない、聞かなければデメリットも隠して話さない。
目的の為に願いを叶えると言って少女達に近づき願いを叶えたあと利用する自称魔法の使者。
だがこいつがいなければマミさんの命は助からなかったのもまた事実なんだよな・・・
「何言ってんだ!そんな事できるわけないだろう!!」
《彼とグリーフシードの取り合いになるよ、それでもいいのかい?》
「そ、それは・・・・」
ソウルジェムが穢れ魔法が使えなくなり、父親の話を聞いてもらえない生活に戻るのが嫌な杏子ちゃんが言いよどむ
「いきなり出てきて敵扱いされて気分が悪いが俺は杏子ちゃんを裏切らないし俺の力にグリーフシードは必要ない、この街に現れた魔女を倒して集めたグリーフシードも杏子ちゃんにすべて渡せばこれで問題ないだろう?」
《君は僕が見えているのかい?でも僕からしたら君が裏切らない保証はないよね?》
どの口が言うか、この野郎
「杏子ちゃん、俺は君の判断に任せる」
「私は一真を信じる」
杏子ちゃんははっきりとインキュベータに言ってくれた。
《やれやれ、じゃあ好きにすればいいよ》
そう言ってインキュベーターは姿を消した
「なんだよアイツ」
「・・・・・・」
俺は杏子ちゃんを魔法少女にしてしまった悔しさから消えたインキュベータを睨む事しかできなかった。
こうして俺の初めての魔女討伐は終わった。
戦闘描写は難しい・・・
頭では想像できるんだけど表現力ないからいざ文章に起こそうとするとね・・・