暑くてもネタは出るけど文字を打ち込む気が出ねえ・・・・
本格的に暑くなってきたからみんなも水分はこまめに摂ろうね。
~~マミサイド~~
「一真君とケンカしちゃったな・・・」
私、巴マミは自室のベットの上で横になりながら今日の事思い出していた。
冷静になって振り返ると結構酷いこと言っちゃったな。
一真君と佐倉さんはお母さんの命の恩人で私が魔法少女として戦ってた時に出会った仲間。
いや仲間だった。
私が今日…二人と決別したから。
もう後には戻れない。
あの反省会の日・・・
一真君が黒い魔法少女事件が解決するまでこれからの魔女捜索は三人で行動しようと言われた時。
私はすぐに返事ができなかった。
一人で行動するのは狙われる可能性があるから言ってることは分かる。
でも私は魔法少女の活動がない日に遊んでいたクラスの友達と遊べなくなりまた疎遠になって教室でひとりぼっちになると思うと怖かった。
転校してきた魔法少女の暁美ほむらさんは仲間になってくれないと言う。
そして一真君のクラスメイトの鹿目まどかさんと美樹さやかさんに魔法少女の素質があると聞いた私は魔法少女体験コースを開いて二人に魔法少女になってもらおうと提案した。
私達は小学生の頃に比べ格段に強くなっている。
私はマスケット銃を使えるようになって攻撃力が向上し一真君も
これに鹿目さんと美樹さんが加わればどんな魔女や黒い魔法少女にも負けない。
そう思っていたのに・・・
鹿目さん達が魔法少女になる事を一真君と佐倉さんに反対されてしまった。
確かに魔女との戦いは危険も多いけどそれは私達でフォローすればいい。
確かに一真君達の言い分も分かる。
魔女が見つかるのごく稀でグリーフシードは魔女しか落とさず使い魔は持っていない。
そして使い魔が成長して魔女になるには人を襲うしかない。
でも私達は犠牲者を出さないように魔女が成長する前に使い魔を消滅させているから魔力だけを消費してグリーフシードは手に入らない時もある。
ただ今は佐倉さんは一真君の左腕のドラゴンの魔力を吸収してソウルジェムが浄化できるので私だけならギリギリなんとかなっているけど。
転校してきた暁美ほむらさんもグリーフシードは必要な筈だし、その上に鹿目さん達が魔法少女に加われば確実に足りなくなるだろう。
かと言って魔女に成長するまで使い魔を放置するわけにはいかない。
放置してしまったらそれだけ多くの罪のない人達の犠牲が出てしまう。
それにソウルジェムが濁りきっても魔法少女として魔法が使えなくなるだけ。
少し辛いけどそれでもこの見滝原を守り一人でも犠牲を出させないために仕方ない事なのに…
なんて犠牲を無くしたいとか平和を守りたいとか言い訳してるけど結局それは建前で本当はお互い通じ合って私が割り込めない一真君と佐倉さんの仲の良さに嫉妬してるだけ。
本音は一人の寂しさを埋めたいから鹿目さんか美樹さんを魔法少女にして私だけの仲間を作りたいだけなのかもしれない。
いつからこんなにも・・・心が弱くなったのだろう。
いえ私はみんなを守る魔法少女。
甘えは許されない。
目の前の人だけを護りたいと考えている一真君達と考え方が違うから。
私は魔女に襲われるすべての見滝原の人達をを護る。
それがどんな悪い人であろうと。
それが魔法少女としての私の在り方。
一真君・・・なんで分かってくれないの?
【一真サイド】
夕日もすっかり暮れて辺りが暗くなり俺と暁美さんは公園の街灯の下に移動していた。
「それでこんな所まで連れて来たのだからちゃんと説明してくれるのでしょうね」
警戒してるな。
まあ年頃の女性をこんな人気のない所に連れてきたら当然か。
でもかといって家では杏子ちゃんがいるから話せないし中学生二人でこんな時間にお店に入ったら補導されてしまうからな。
「ごめんね、あまり聞かれたくない内容の話なんだ。特にキュゥべえにはね」
原作のこの時間帯ならキュゥべえはまどかさんの家にいる筈だから大丈夫だと思うが用心はしっかりしておこう。
「ドライグ、近くに魔力や人の気配はある?」
念のためにドライグに周囲を索敵してもらい警戒しておこう
『安心しろ、近くにネコの子一匹いない』
左の手の甲に話し掛けると緑の円の形をした光が甲に現れて答える。
「い、今の声、誰!?」
そういや余計な混乱を避けたくて反省会の時、暁美さん達にドライグの事を詳しく話してなかったな。
まあ知られたならここで説明すればいっか。
「今の声はドライグ、この
『はじめましてと言っておこうか、暁美ほむら』
「そ、そう、であなたは一体何者なの?」
「その質問の前にここで話す内容はマミさんや鹿目さん達そして杏子ちゃんにも話さないでほしい。特にインキュベーターに知られたくない話だ」
「インキュベーターの事を知っているの!?」
キュゥべえの正式名称を俺が知っててさらに驚いてるな。
まあ奴は余程の事がないと自分から話さないか。
宇宙人と知られたら契約を考える子に警戒心を持たれるだろうし。
さてついに俺の本当の正体話す時がきてしまったな。
果たして信用してくれるかどうか…
頭のおかしい奴とか思われないかな。
不思議な体験をしている魔法少女が聞いても変に思われる内容だし。
しかも話を聞いた暁美さんのソウルジェムがショックで濁らないようになるべくオブラートに包みつつ信頼を勝ち取る為に本音で話さないと。
何この難しい問題…。
本当の事を話して吉と出るか凶と出るか…
暁美さんも表情を崩さないけど事情を知りたくてそわそわしている。
さて覚悟を決めるか。
~~ほむらサイド~~
私は城戸一真に話がしたいと言われて彼と夜の公園に来た。
彼の左腕にドライグという名のドラゴンがいる事も驚いたがそれ以上に驚いたのは彼は魔法少女の秘密の一つであるソウルジェムは魔法少女の魂のであると知っていた事だ。
どこでそれを知ったのだろう。
彼の仲間である巴マミや佐倉杏子はこの事を知っているのか。
そして彼は何者なのか。
私の敵になるのか。
それを問いただす為に私はここにいる。
あの一つ目魔女の結界で会った時、誰にも心を開かなかった佐倉杏子が心酔する彼の強さと能力をうまく利用できればワルプルギスの夜を倒してまどかを護り抜く事ができる存在。
それだけの存在の筈だった。
しかし佐倉杏子から語られた今までどの時間軸には無かった彼女の家族を助けた出来事と大切な人を護る為に自分の腕を犠牲にし、魔女との戦いを真剣にとらえている彼にならなぜか話を聞いてみてもいいと思った。
「まず俺が知ってるのはワルプルギスの夜っていう他の魔女と比べ物にならないくらい強い最強の魔女がいるのを知っている」
「ワルプルギスの夜を知ってるの?」
まさか魔法少女でもない彼が知っていたなんて。
佐倉杏子か巴マミから聞いたのかしら?
「ああ、話だけで実際には見た事ないけどね。そしてその前にマミさんその後にさやかさんそして杏子ちゃんが亡くなる事も知っている」
「なんであなたがそれを知ってるの!?」
ワルプルギスの夜の事は佐倉杏子か巴マミから話を聞けば分かるとして巴マミが次に現れる魔女との戦いで亡くなる事や美樹さやかと佐倉杏子の事も他の時間軸で見てきた私しか知らない筈。
まさか彼も私と同じ時間を遡った!?
「多分暁美さんが考えてる事とは違うよ、俺は時間遡行者じゃない」
「知ってるの!私が他の時間軸の未来から過去にやってきた事を」
一体何者なの?
私の中の警戒心がより一層強くなる。
ここで始末した方がいいのかしら…
でも何者か正体を確かめないと…
私やまどかに害を及ぼす存在なら時間を止めてこの銃で・・・
そんな黒い感情が湧き上がってるのを知ってか知らずか城戸一真は話を続ける。
「うん、そしてこれからから話す内容は嘘偽りないすべて真実でマミさんはもちろん杏子ちゃんにさえ話していない俺の秘密で信じられない話だけど本当の事だ」
「・・・前置きはいいわ、話してちょうだい」
「まどろっこしいことなく単刀直入に言おう、俺は別の平行世界から輪廻転生した人間だ」
警戒する私に彼はゆっくりとした口調で自分が何者であるかを打ち明けてくれた。
彼が自ら話した秘密は途方もなく私の想像を遥かに超えたものだった。
自分はこの世界と全く違う別の平行世界で生きていたがある日女神の手違いで死ぬ事になり赤龍帝の力と光の巨人の力を貰いこの世界に転生して来たのだと。
そして自分の世界でこの先起こる巴マミの死、美樹さやかの魔女化、魔女化した美樹さやかと戦い自爆する佐倉杏子、そしてワルプルギスの夜の出現やまどかが魔女化して滅ぶ未来を物語で知りそれを防ぐ為に今日まで鍛えて戦ってきた事を。
私の行動や思いが誰かのシナリオで動かされてたなんて信じたくない。
こんな荒唐無稽な話、普通誰が信じるのだろう。
でも私が未来から過去に時間移動した話やインキュベーターが私達を騙していると話したけど誰も信じてくれなかった辛さと悲しさを思い出す。
それに真剣な彼の話を聞くと嘘ついてるとは思えないし納得できる部分がいくつかある。
まず私はいままで歩いて来た他の時間軸で一度も彼に会ったことがない。
これはあり得ない事だ。
彼がこの世界の人間なら学校のどこかで会う筈。
そして第二に常人にはあり得ない力である
そして本来なら亡くなる筈だった佐倉杏子の家族や巴マミの母親、上条恭介の左手の大怪我。
佐倉杏子の教会に跳び込んで父親を説得したり巴マミの事故現場に居合わせたりと予め先の未来を知らなければできない事だ。
知れば先回りして防ごうとする。
いずれの事件も佐倉杏子や巴マミ、そして美樹さやかの心に暗い影を残した。でも城戸一真が助けた事で彼女たちの心の負担は大きく減った。
これだけやってきた事を見せつけられたら彼の言葉を信じるしかない。
ならどうしてここまでして彼は魔法少女と共に戦うのだろう?
彼ほどの力があれば自分の身を護るだけでいい。
にも拘らずわざわざ彼は身体を鍛え上げ魔女と戦う険しい道を選んだ。
なぜ?まどかや私達魔法少女への同情?
いえ違うわね、同情なんて安い感情で普通あそこまで動かない。
なら巴マミと同じただの独りよがりな正義感?
いえ、それも違うわね。
彼は魔女が魔法少女のなれの果てだと知ってなお自分の手を汚している。
巴マミのような正義感だけの人間にはできない事だ。
ならばなぜ?
「ここまでが俺の秘密だ・・・え、えっと…信じてくれるかな?」
考え込む私を話が大きすぎて呆然としてると勘違いした城戸一真が辛そうな表情で恐る恐る話しかけてきた。
「・・・・・・ええ信じるわ、そう言われたら今までの時間に存在しなかった貴方がいる事と私の疑問すべてに辻褄があうもの。でもなんであなたはそこまでして戦う道を選んだの?話を聞く限り魔女と戦わなくても普通に生活する道も選べた筈なのに」
彼は自分の秘密を話してくれた。
けどだからといってそれだけで彼を信用するのは危険だ。
私は彼の本心が知りたい。
どうして危険を冒してまで私達と戦ってくれるのかを。
「それを教えないとあなたを味方と認めない」
「よかった。ありがとう俺の話を信じてくれて。前にも言ったけど無茶する幼なじみの杏子ちゃんを助けたかったから助けようとしただけだよ。確かに転生する前は一般人の俺が魔女に襲われた時の自衛ができればそれでいいと思ってこの力を選んだけど・・・」
私の質問にそう言って彼は照れ臭そうに笑う。
「でも今は違うんだ、杏子ちゃんやマミさん、まどかさんやさやかさん、転生した世界の父さんや母さん、大勢のこの見滝原市の人達と触れ合ってこれ以上誰も失いたくないからみんなを護る為にワルプルギスの夜を倒す!そしてこの世界で触れ合ってきた人達と暁美さん達や俺の家族が笑顔でいられる幸せな未来を目指す、それが俺の戦うと決めた理由だ」
この人は口だけじゃなく助けたくても助けられなかった悔しさと無力さを知っている。
私と同じように・・・
そしてそれを糧に前に進もうとしている。
私にはもう諦めてないものだ。
この人なら…この人と一緒に戦えたらまどかを救い私も前に進めるかもしれない。
「でも笑顔を居られる未来を目指すと言うけどその一人である巴マミはどんなに説得しても体験コースをやめようとしないしあろうことか恩人であるあなたに暴言を吐いた。最悪巴マミは見捨てるしか・・・・」
彼の助けようと差し出した手を振り払った巴マミは助ける価値はあるの?
「大切なのは最後まであきらめない事」
「え?」
「どんなに辛い状況でも未来を信じる心の強さが不可能を可能にする。信じる力が勇気になる」
「それは?」
「去年の夏休みに俺を鍛えてくれた憧れのヒーローが教えてくれた言葉だよ」
私も希望を持っていいの?
まどか達と笑顔でいられる未来に私も生きたい。
繰り返される時間軸の中に私だけ取り残されるのはもういや…
「わ、私と一緒に闘かってくれるの?」
「ああ、暁美さんは一人じゃないよ俺も一緒に闘う。その為に今日まで鍛えてきたんだ」
わ、わたしは一人じゃない。
【一真サイト】
正直話が突拍子すぎて信じてもらえないかと思ったけど信じてくれてよかった・・・
「そういえばなんで佐倉杏子にも話していない事を私にだけ話そうと思ったの?別に隠し通せばよかったと思うんだけど?」
う…やっぱりそこに気づいちゃったか。
明美さんの言う通り余計な混乱を防ぐにはそれが一番だと思うけど
できれば気づかれて欲しくなかったな。
「言わなきゃダメ・・・だよね?」
「当たり前でしょ」」
暁美さんが睨んできた。
こ、怖い・・・
「・・・いや時間遡行者の暁美さんに下手に隠していると疑われるからもういっその事全部ぶちまけちゃえばいいのかなと思って」
後頭部を掻きながら渋々答える。
何度も時間を繰り返してそこには城戸一真という男は存在していない。
怪しまれるくらいならいっそ全部暴露してやろうと考えていたからな。
「・・・それだけの理由で?」
「うん色々考えたんだけどそれしか思い浮かばなかった」
「・・・ふ、ふっふふ、あ、呆れたわ・・・そんな今まで隠し通していたすごい秘密を打ち明けてくれたからどんな理由かと思ったらそんな事だったなんて・・・ふふふ」
「笑うなんてひどいな暁美さん、そんなにおかしいかな?」
こっちは結構な緊張と覚悟をして話したのに。
まあ暁美さんも警戒を解いてくれてし暁美さんの態度も中々の好感触だ。
話して最初はどうなるかと心配してたけど杞憂に終わってよかった。
これで暁美さんと仲間になってもらえなくてもせめてワルプルギスの夜の時だけでも共同戦線を結べてマミさんと仲直りできれば負けはしない。
そう思ったその時・・・
「やれやれ他人に聞かせたくない大切な話を何の対策もなしにしないでもらえるかな?」
一番来てほしくない最悪なタイミングで最悪なやつがぶち壊しに来やがった。