第二部始めの決闘、は~じま~るよ~。
てなわけで、行ってらっしゃい。
視点:梓
『決闘!!』
梓
LP:4000
手札:5枚
場 :無し
アズサ
LP:4000
手札:5枚
場 :無し
「私からです。ドロー」
梓
手札:5→6
「永続魔法『六武衆の結束』、『六武の門』の二枚を発動します。この二枚のカードは六武衆の名を持つモンスターが召喚、特殊召喚される度、武士道カウンターが乗せられる。私は『真六武衆-カゲキ』を召喚」
『真六武衆-カゲキ』
レベル3
守備力2000
『六武衆の結束』
武士道カウンター:0→1
『六武の門』
武士道カウンター:0→2
「そして、カゲキの効果。このカードの召喚に成功した時、手札の六武衆の名を持つモンスターを特殊召喚できる。『六武衆の影武者』を特殊召喚」
『六武衆の影武者』チューナー
レベル2
守備力1800
『六武衆の結束』
武士道カウンター:1→2
『六武の門』
武士道カウンター:2→4
「『六武衆の結束』の効果発動。このカードに乗せられる武士道カウンターは二つまで。そして、このカードを墓地へ送ることで、このカードに乗った武士道カウンターの数だけ、カードをドローできる。結束を墓地へ送り、カードをドロー」
梓
手札:2→4
「カードを二枚セット。ターンエンド」
梓
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『真六武衆-カゲキ』守備力2000
『六武衆の影武者』守備力1800
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:4
セット
セット
序盤からかなりのカードを回していますね。とても鮮やかなプレイングだ。
「んじゃ、僕のターン、ドロー!」
アズサ
手札:5→6
さて、アズサはどのような決闘を見せて下さるのか……
「僕は手札から、『E・HERO エアーマン』を召喚!」
『E・HERO エアーマン』
レベル4
攻撃力1800
『E・HERO』デッキ……
「見たことの無いHEROですね」
見たことが無い?
「そう? 割とポピュラーなカードのはずだけど……」
「はて……」
……?
「……まあいいや。エアーマンの効果発動。このカードの召喚、特殊召喚に成功した時、二つの効果のうち一つを選べる。一つは自分フィールド上のE・HEROの数だけ、相手の魔法・罠を破壊する効果、もう一つは、デッキからHEROと名の付くモンスターを一体、手札に加える効果。僕は二つ目の効果を選択。デッキから『E・HERO ザ・ヒート』を手札に加えるよ」
アズサ
手札:5→6
「そして、魔法カード『融合』発動!」
一ターン目から来ますか……
「僕は手札の炎属性『E・HERO ザ・ヒート』と、水属性『E・HERO アイスエッジ』を融合! 早速だけど、僕のエースを見てよ!」
「アズサの……」
「エース……」
「現れろ、氷結のヒーロー! 『E・HERO アブソルートZero』!!」
『E・HERO アブソルート・Zero』
レベル8
攻撃力2500
「これが、あなたのエースモンスターですか」
なるほど。確かにエース、最強と呼べる力を持つE・HEROですね。あのカードの効果は中々に厄介ですが、梓さんは、あのカードを攻略できるのか……
「もういっちょいくよー!! 魔法カード『ミラクル・フュージョン』!!」
「!!」
もう一体!?
「墓地の水属性『E・HERO アイスエッジ』と、炎属性『E・HERO ザ・ヒート』を融合! 現れろ、業火のヒーロー! 『E・HERO ノヴァマスター』!!」
『E・HERO ノヴァマスター』
レベル8
攻撃力2600
純白のアブソルートZeroとは対照的な、燃え上がるような赤のノヴァマスター。どちらかと言えば守備的な雰囲気を感じさせるZeroとは違う、かなり攻撃的な雰囲気を感じさせます。
「ようし、ここでバトル、いっくよー!!」
「む……」
「まずはノヴァマスターで、『真六武衆-カゲキ』を攻撃!
「うぁ……」
ノヴァマスターの火炎撃により、カゲキは燃えつきました。
「ノヴァマスターがモンスターを戦闘破壊した時、カードを一枚ドローできる!」
アズサ
手札:2→3
「もういっちょ! アブソルートZeroで、影武者を攻撃だ!
「くぅ……」
影武者も、今度は氷漬けにされ、砕かれてしまった。
「ようし! エアーマンで、紫梓にダイレクトアタックだ!!」
「それはさせない。罠発動『諸刃の活人剣術』! 墓地に眠る六武衆の名をも持つモンスター二体を、攻撃表示で特殊召喚します」
「うおっと!」
『真六武衆-カゲキ』
レベル3
攻撃力200+1500
『六武衆の影武者』チューナー
レベル2
攻撃力400
「あれ? カゲキの攻撃力が上がってるんだけど……」
「カゲキはカゲキ以外の六武衆の名を持つモンスターが存在する時、攻撃力を1500ポイントアップさせます」
「むぅ……しかーし!! 攻撃力はエアーマンのが上だー!! 何より、単体なら攻撃力は戻る! エアーマンで、影武者を攻撃!」
もう一枚の伏せカードか……
「罠発動『緊急同調』!」
やはり。
「げ、ここで!?」
「相手のバトルフェイズ中のみ発動可能。フィールドにモンスターとチューナーが揃っている時、シンクロ召喚を行います。レベル3の『真六武衆-カゲキ』に、レベル2の『六武衆の影武者』をチューニング!」
影武者が星へと変わり、それがカゲキを包み、光となる。
「激流轟く
「シンクロ召喚! 母なる海の力、『神海竜ギシルノドン』!」
『神海竜ギシルノドン』
レベル5
攻撃力2300
うまいですね。これでエアーマンでの攻撃は不可能。更に『諸刃の活人剣術』で特殊召喚されたモンスターはそのターンのエンドフェイズに破壊され、自分はその攻撃力の合計分のダメージを受けますが、それも同時に防ぎました。
「むむぅ……仕方ない。バトル終了。けど、ギシルノドンは水属性。アブソルートZeroはフィールド上の水属性モンスター一体につき、攻撃力を500アップさせる効果があるんだよ」
「ほう……」
『E・HERO アブソルートZero』
攻撃力2500+500
「カードを一枚セットして、ターンエンド」
アズサ
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『E・HERO エアーマン』攻撃力1800
『E・HERO アブソルートZero』攻撃力2500+500
『E・HERO ノヴァマスター』攻撃力2600
魔法・罠
セット
梓
LP:4000
手札:2枚
場 :モンスター
『神海竜ギシルノドン』攻撃力2300
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:4
お互い、激しい攻防の末ダメージはゼロ。どのような決闘になるのか。
「舞姫やっぱ強えー!!」
「紫も強いよ!!」
「どっちも頑張れー!!」
ふむ。こちらはこちらで盛り上がっていますね。
「私のターン、ドロー」
梓
手札:2→3
「速攻魔法『サイクロン』! あなたの場の魔法・罠を一枚破壊」
「げ!!」
破壊されたのは、『聖なるバリア-ミラーフォース-』。また恐ろしいカードを。
「私は魔法カード『紫炎の狼煙』を発動します。デッキから、レベル3以下の六武衆の名を持つモンスターを手札に加えます。私はデッキより、『真六武衆-ミズホ』を手札に加えます」
梓
手札:1→2
「更に、『六武の門』の効果発動! 武士道カウンターを四つ取り除き、デッキまたは墓地の六武衆の名を持つモンスターを手札に加えます。デッキより、『真六武衆-シナイ』を手札に加えます」
『六武の門』
武士道カウンター:4→0
梓
手札:2→3
「『真六武衆-ミズホ』を召喚!」
『真六武衆-ミズホ』
レベル3
攻撃力1600
『六武の門』
武士道カウンター:0→2
「更に、ミズホが場にある時、『真六武衆-シナイ』は特殊召喚が可能です」
『真六武衆-シナイ』
レベル3
攻撃力1500
『六武の門』
武士道カウンター:2→4
「おぉっとぉ! また水属性だ。攻撃力アップ!!」
『E・HERO アブソルートZero』
攻撃力2500+1000
「そのカード達じゃあこのモンスター群には太刀打ちできないなぁ」
随分と自慢げに話しています。確かに、このままでは全滅してしまいますね。お互いに……
「『真六武衆-ミズホ』は一ターンに一度、フィールド上の六武衆を一体リリースすることで、相手の場のカードを一枚破壊できる効果があります」
「え!? まずい……(なんてね)」
確かに、まずいですね。梓さん……
「シナイをリリース! 破壊対象は……」
(さあ、どうぞ破壊しなよ)
この選択で、この決闘の勝敗が決まる……
「……対象は、『E・HERO ノヴァマスター』!」
それで良い!
「んな!!」
シナイが光となると同時にミズホが走り、ノヴァマスターを素早く切り裂きました。
「水属性モンスターが減ったことで、アブソルートZeroの攻撃力もダウン」
「うぅ……」
『E・HERO アブソルートZero』
攻撃力2500+500
「更にシナイの効果。このカードがリリースされた時、墓地のシナイ以外の六武衆を、手札に加えることができます。私は墓地の『真六武衆-カゲキ』を手札に」
梓
手札:1→2
……気になっていましたが、リリース? ……もしかして生贄のことでしょうか?
「そしてもう一つ。レベル3以下のモンスターが墓地へ送られたターン、『神海竜ギシルノドン』の攻撃力は3000となります」
「マジで!?」
「マジです」
『神海竜ギシルノドン』
攻撃力2300→3000
「そして、『六武の門』の効果! このカードに乗っている武士道カウンターを二つ取り除くことで、フィールド上の六武衆一体の攻撃力を、エンドフェイズまで500ポイントアップさせます。武士道カウンターを二つ取り除き、ミズホの攻撃力を500ポイントアップ!」
『六武の門』
武士道カウンター:4→2
『真六武衆-ミズホ』
攻撃力1600+500
「うわぁ……」
「では、バトル! 『真六武衆-ミズホ』、エアーマンに攻撃。
「うぅ!」
アズサ
LP:4000→3700
「そして……」
「……?」
ギシルノドンの攻撃で、引き分けにはなりますがZeroを倒すことができる。しかし、梓さんはなぜか躊躇しています。
「どうかした?」
「……」
アブソルートZeroの効果を知っている? いや、アブソルートZeroを見た時の反応は、エアーマンを見た時と同じだった。おそらくZeroも知らないはず。ならば一体……
「……ギシルノドンで、アブソルートZeroを攻撃!」
おっと、どうやら決めたようです。
「
ギシルノドンが津波を起こし、アブソルートZeroが吹雪を巻き起こす。互いに津波によって生まれた海に浸かると同時に、その海が吹雪で凍りつき、互いに凍りつきました。
「くぅ……」
引き分けになった以上、互いにライフへのダメージはありませんが……
「アブソルートZeroの効果! このカードがフィールドを離れた時、相手フィールド上のモンスター全部を破壊する!
フィールドに一体残ったミズホが、氷漬けになり破壊されました。
「く、何かあるとは思っていましたが……」
やはり、内容はともかく効果は読んでいたのですね。
「私はカードを伏せます。これでターンを終了」
梓
LP:4000
手札:1枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:2
セット
アズサ
LP:3700
手札:2枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
無し
「うぅ……まさか、Zeroの効果を見越してノヴァマスターを破壊したの?」
確かに、あの時ミズホの効果を発動した時、普通なら攻撃力の最も高いアブソルートZeroを破壊するべきでした。ですが、梓さんはそれをせず、ノヴァマスターを破壊した。
「エースと呼ばれるからには、それ相応の能力があるもの。ただ攻撃力の増減だけのはずがない。そう考え、安易にカード効果の対象、破壊はしたくなかった。それだけのことです」
「くぅ……」
アズサは随分悔しそうにしています。確かに定石通りZeroを破壊されていれば、効果で梓さんのモンスターは全滅。残ったエアーマンとノヴァマスターの二体でのワンターンキルが成立していましたからね。
それにしても、効果も知らないモンスターをあそこまで警戒できるとは。梓さん、見事な手腕だ。
……て、それなら始めからどんな効果か尋ねれば良いのでは?
「……正直、最初は楽しめたら良いなくらいの気持ちだった。紫梓がそこまで強いなんて思ってなかった。だけど、アブソルートZeroを破壊されて、僕は今すっごく悔しい! だから、全力で君を倒させてもらうよ!」
「よろしい。全力で来てください。私は、本当のあなたを知りたい」
その会話を最後に、二人の顔から笑顔が消えた。
正真正銘の真剣勝負。それが、たった今幕を開けました。
「ドロー!」
アズサ
手札:2→3
「よし、手札から『沼地の魔神王』を墓地に送って、効果発動! デッキから『融合』を一枚、手札に加えるよ!」
「させない。カウンター罠『透破抜き』。手札または墓地で発動する効果モンスターの効果を無効にし、ゲームから除外します」
「うぅ、除外って……」
ふむ。『ミラクル・フュージョン』もあるため、効果の無効化よりも、除外に対して顔をしかめているようですね。
「くぅ……僕は『E・HERO ボルテック』を召喚!」
『E・HERO ボルテック』
レベル4
攻撃力1000
「ボルテックで、紫梓にダイレクトアタック! ボルテック・サンダー!」
「うぅ……」
梓
LP:4000→3000
はて、気のせいでしょうか。どこかでよく似た攻撃名を聞いた記憶が……
「ボルテックの効果発動! このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、ゲームから除外されたE・HEROを特殊召喚できる!」
「なっ!」
彼女には、『ミラクル・フュージョン』の効果で除外されたE・HEROが二体。
「『E・HERO ザ・ヒート』を特殊召喚!」
『E・HERO ザ・ヒート』
レベル4
攻撃力1600
「ザ・ヒートは、フィールド上のE・HEROの数だけ、攻撃力を200ポイントアップする! ボルテックと、ザ・ヒート自身もE・HERO、よって攻撃力は2000だよ!」
『E・HERO ザ・ヒート』
攻撃力1600+400
「ザ・ヒートで、紫梓にダイレクトアタック! ヒートナックル!」
「うぁ……」
梓
LP:3000→1000
「ターンエンド!」
アズサ
LP:3700
手札:1枚
場 :モンスター
『E・HERO ボルテック』攻撃力1000
『E・HERO ザ・ヒート』攻撃力1600+400
魔法・罠
無し
梓
LP:1000
手札:1枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:2
一気に逆転されましたね。梓さんは巻き返せるか。
「私のターン、ドロー」
梓
手札:1→2
表情は変わりませんが……どうやら、まだ打つ手はあるようだ。
「私は二枚目の『六武衆の結束』を発動します」
「に、二枚目!」
「そして、『真六武衆-カゲキ』を召喚」
『真六武衆-カゲキ』
レベル3
攻撃力200
『六武の門』
武士道カウンター:2→4
『六武衆の結束』
武士道カウンター:0→1
「この瞬間、『六武の門』の効果を発動。武士道カウンターを四つ取り除き、デッキまたは墓地の六武衆を手札に加えます。私はデッキより、『真六武衆-キザン』を手札に加えます」
『六武の門』
武士道カウンター:4→0
梓
手札:0→1
「自分の場にキザン以外の六武衆が存在する時、『真六武衆-キザン』は特殊召喚可能」
『真六武衆-キザン』
レベル4
攻撃力1800
『真六武衆-カゲキ』
攻撃力200+1500
『六武衆の結束』
武士道カウンター:1→2
『六武の門』
武士道カウンター:0→2
「『六武衆の結束』を墓地に送り、カードを二枚ドロー!」
梓
手札:0→2
「更に、門に乗っている武士道カウンターを二つ取り除き、『真六武衆-カゲキ』の攻撃力を、エンドフェイズまで500アップさせます」
『六武の門』
武士道カウンター:2→0
『真六武衆-カゲキ』
攻撃力200+1500+500
「ここでバトルです! キザンでボルテックを攻撃、
「う……」
アズサ
LP:3700→2900
『E・HERO ザ・ヒート』
攻撃力1600+200
「そして、カゲキでザ・ヒートを攻撃、
「うわ!」
アズサ
LP:2900→2500
「二枚伏せます。ターンエンド」
梓
LP:1000
手札:0枚
場 :モンスター
『真六武衆-カゲキ』攻撃力200+1500
『真六武衆-キザン』攻撃力1800
魔法・罠
永続魔法『六武の門』武士道カウンター:0
セット
セット
アズサ
LP:2500
手札:1枚
場 :モンスター
無し
魔法・罠
無し
「くぅ……僕のターン!」
アズサ
手札:1→2
「よし、二枚目の『ミラクル・フュージョン』! 僕は墓地の光属性ボルテックと、風属性エアーマンを融合! 『E・HERO
『E・HERO Great TORNADO』
レベル8
攻撃力2800
かなり強力なのが来ましたね。
「このカードの融合召喚に成功した時、相手の表側表示のモンスター全部の攻守を半分にする! タウンバースト!」
「させない。速攻魔法『禁じられた聖杯』発動! フィールド上のモンスター一体の攻撃力を400ポイントアップさせ、効果を無効にします」
「何それ!?」
『E・HERO Great TORNADO』
攻撃力2800+400
Great TORNADOを聖杯から流れた水が包み、攻撃力をアップさせました。
「これでTORNADの効果は無効です」
「へえ、欲しいなそれ……あ、けど! この攻撃で終わりだよ! Great TORNADで、カゲキを攻撃! スーパーセル!」
TORNADOの攻撃力は3200にアップし、カゲキの攻撃力は1700に戻っている。この攻撃が通れば、梓さんは……
「罠発動!」
お疲れ~。
なぜか決闘だと長くなってしまう不思議。
まあこの決闘は次話で完結だから、ちょっと待ってて。