遊戯王GX ~氷結の花~   作:大海

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るぁああああぁぁいぃぃ……

続き~。
例によって、今回も長いよ~。

行ってらっしゃい。



    英雄の闇

視点:星華

 

「これでトドメだ……『マシンナーズ・フォートレス』で、ダイレクトアタック!」

 

「ぐおおおおおおおおおお!!」

 

龍牙

LP:200→0

 

 ジェネックスも四日目。

 途中参加した者も含めて、ここまで勝ち残っている以上は実力者揃い。

 そう思って、目の前を歩いていたプロ決闘者に挑んでみたものの……

 

(これでプロとは……下手なレッド生の方がまだ強いぞ……)

 眼鏡を掛けた長身の男。見た目はインテリ系で立派だが、決闘してみたら、デッキもプレイングも、素人以下のそれだ。

 そんな酷い決闘をした後は、地面に手を着いて項垂れているだけ。

 そんな男が落としたメダルを拾い上げて、さっさと去ることにした。

 

「……くそ! くそくそ!! クソッタレぇええ!!」

 

「俺が……何で! 何でこの俺がこんな!! カード遊びなんかしなきゃならねえんだああああああ!!」

 

 なぜプロ決闘者になったんだ……

 決闘が嫌なら、プロなど今すぐ辞めてしまえば良い。これ以上は決闘が穢れるのはもちろん、貴様自身の人生を歪めるだけだ。

 そう言ってやろうかと思ったが、こいつの人生がどうなろうと私の知ったことではない。放っておくことにした。

 

 

 負け犬の遠吠えを無視しながら、もう一人くらい相手にならないかと歩いている最中。

 なのだが、目ぼしい決闘者の姿は見えない。今日はここまでのようだな……

 

「よぉ……」

 

 と、思って歩いていると、横から声が聞こえてきた。

 中年に差しかかろうかという、粗暴な男の声。

 言葉は綺麗な日本語だが、発音の節々には英語が混ざっている。

 そんな声を上げた主を探し、あちこち目を向けてみる。

 

「ここだ」

 

「……貴様は!?」

 その男の風貌に、思わず声が出て、息を呑んだ。

「なんだ……俺を知ってるのか? とっくに過去の人間だと思ってたんだが……」

「確かに……今の世代では、知らない者も多いだろう。だが、知っている人間は見間違いようがない」

 星条旗のバンダナ。輝く金髪。妖しく光るサングラス。

 黒の革ジャン、同じく革製のパンツ、両腕にリストバンド、ロングブーツ。

 そんなアメリカンスタイルに身を包んだ、長身の男。

 知名度はともかく、間違いなく伝説の決闘者の一人……

 

「『キース・ハワード』……いや、こう呼ぶべきか。『バンデット・キース』」

 

「くくく……可愛い子ちゃんに知られてるってのも悪い気はしねぇなぁ。だが、お前には用は無ぇ。『アズサ』って名前の学生を探してる。お前、どこにいるか知ってるか?」

「……」

 突然の有名決闘者の登場には驚いた。正直、舞い上がってしまった。

 

 だが……

 

「梓……少なくともこのアカデミアの学生で、その名を知らない者は無い。アカデミア最凶の決闘者……梓に、何の用だ?」

「決まってんだろうが」

 左手に装着した、決闘ディスクを見せつけながら……

「決闘でブッ倒す。それ以上の理由がいるかよ」

「ふむ……」

 まあ、決闘者であれば、常に強者を欲するのは当然。

 キースほどの男ともなれば、その本能は相当なものだろう。

 

 それは理解できるが……

「教えてやるのは構わんが……」

 梓の名を聞いて、黙っていられる小日向星華ではない!

「梓の前に、私を倒してからしてもらおうか」

「ほぅ……」

 特に嫌がるふうでもない。単純に私に興味を示したようだ。

「威勢の良い女は好みだぜ。俺の名前は知ってるんだ。嬢ちゃんの名前も聞いておこうか?」

「小日向星華だ。決闘アカデミアの女帝……そして、アカデミア最凶の決闘者、水瀬梓の女だ!」

「……なんだ? アズサってのは、男なのか?」

「男だが、それがどうかしたか?」

「女だって聞いてたが……まあ、どっちでもいい。どうせ、そいつ以外の決闘者も食っちまう予定だったからなぁ」

 疑問から、元通りの不敵な笑みへ。

 表情を変化させて、私同様、決闘ディスクを構えた。

 

「セイカ……星華……覚えたぜ。テメーはバンデット・キースの、決闘アカデミア初上陸の最初の生贄だ」

「やってみろ。女帝の力、その目に焼き付けてくれる」

 

『決闘!!』

 

 

キース

LP:4000

手札:5枚

場 :無し

 

星華

LP:4000

手札:5枚

場 :無し

 

 

「先行は俺だな。ドロー」

 

キース

手札:5→6

 

「まずは……カードを二枚伏せる。更に『モーターシェル』を守備表示で召喚」

 

『モーターシェル』

 レベル4

 守備力1800

 

 最初に出てきたのは、名前の通り、両腕の車輪が貝殻のように見える、小さな機械。

 あのモンスターは確か……

 

「これでターンエンド」

 

 

キース

LP:4000

手札:3枚

場 :モンスター

   『モーターシェル』守備力1800

   魔法・罠

    セット

    セット

 

 

「うむ……やはり、今回も使用するのは『機械(マシーン)デッキ』か」

「まあな。決闘者の王国(デュエリスト・キングダム)以来、決闘で使うのはほとんどが機械(マシーン)デッキだ。代わり映えしなくて面白くねえか?」

「まあ確かに。お前があらゆるデッキを使いこなすことは知っている。他のデッキで闘う姿を見てみたい気もするが……やはり、最も得意とするデッキで闘えることにこそ意味がある。相手が英雄であるならなお更な」

「……英雄?」

「私のターン、ドロー!」

 

星華

手札:5→6

 

(守備力1800は地味に強い。おまけに『モーターシェル』は破壊された時、場に部品(トークン)を残すはず。破壊せずに除去することが理想ではあるが……今の私の手札に、その手段はない。止むを得ん……)

 

「私は『A・ジェネクス・クラッシャー』を召喚」

 イメージは今まで通りの『A・ジェネクス』と同じ、迷彩色でゴツイ見た目の機械兵がフィールドに立った。

 

『A・ジェネクス・クラッシャー』

 レベル4

 攻撃力1000

 

「テメェも機械族デッキか……」

「そうだ。更に魔法カード『二重召喚(デュアルサモン)』を発動。このターン、もう一度通常召喚を行う。私は『A・ジェネクス・パワーコール』を召喚」

 クラッシャーとは対照的な、派手なオレンジ色がクラッシャーの横に並び立った。

 

『A・ジェネクス・パワーコール』

 レベル4

 攻撃力1700

 

「アーリージェネクス……聞いたことねぇカード群だな」

「無理もない。だが、誰も聞いたことの無いカードを使うなど、今時珍しくもなかろう」

「まあ、確かにな……」

「この瞬間、『A・ジェネクス・クラッシャー』の効果を発動する。自分フィールドにこいつと同じ、闇属性のモンスターが召喚された時、相手フィールド上のカード一枚を破壊できる。私は貴様の場の、『モーターシェル』を破壊する!」

 私が宣言した直後、クラッシャーは背中の籠から、紫色の球体を取り出して、それを『モーターシェル』へ投げ飛ばした。

 それが『モーターシェル』にぶつかった瞬間、派手な爆発と共に粉々に吹っ飛んだ。

「チッ……『モーターシェル』が破壊された瞬間、場に部品を残す」

 

『モータートークン』

 レベル1

 攻撃力0

 

「その部品は攻撃力が0なうえ、表示形式を変更できないのだったな」

「余計なことをよく知ってやがる……」

「そして、『A・ジェネクス・パワーコール』の効果も発動する。こいつが場に存在する限り、こいつを除く、こいつと同じ属性を持つ自分フィールドのモンスターの攻撃力を500アップさせる。つまり、闇属性の『A・ジェネクス・クラッシャー』の攻撃力は500アップする」

 

『A・ジェネクス・クラッシャー』

 レベル4

 攻撃力1000+500

 

「バトルだ。『A・ジェネクス・クラッシャー』で、『モータートークン』を攻撃!」

 爆弾を投げた次は、自らが突撃していった。

 そして、目の前にある小さな部品を、そのゴツイ手でたたきつぶした。

 

キース

LP:4000→2500

 

「更に、『A・ジェネクス・パワーコール』で、ダイレクトアタック!」

 オレンジ色の両腕に装着されたプラグから電流が走り、キースに向けられる。これが通れば、キースのライフは残り僅か。

 だが、キースの様子を見るに、そう簡単にはいかんようだ。

「永続罠『リビングデッドの呼び声』! 墓地に眠る『モーターシェル』を特殊召喚!」

 

『モーターシェル』

 レベル4

 攻撃力1300

 

「直接攻撃を防ぎにきたか。だが、攻撃表示である以上ダメージは通る。パワーコールで、『モーターシェル』を攻撃だ!」

 キースに向けられたプラグが、目の前の『モーターシェル』に向けられる。そこから、強力な電流が飛び出した……

 

「永続罠『エンジンチューナー』発動!」

 

「なに! そのカードは!?」

 キースが新たにカードを発動させた瞬間、『モーターシェル』の周囲に、作業服姿の小人が現れた。

「フィールド上の機械族、『モーターシェル』を対象に発動。対象になったモンスターは守備表示にできなくなる代わりに、攻撃力に自身の守備力の半分を加える」

 説明している間に、現れた小人どもは自分達の体より大きなドライバーを使って、『モーターシェル』の身を調整してしまった。

 

『モーターシェル』

 攻撃力1300+900

 

「迎撃しろ『モーターシェル』、キャノンボール!」

 向かっていったパワーコールに対して、『モーターシェル』は両腕の鉄板を合わせた。それは、その攻撃名の通り鉄球の形になる。

 それが飛ばされた瞬間、パワーコールの身は粉々に粉砕された。

「くそ……!」

 

星華

LP:4000→3500

 

「更に、パワーコールが破壊されたことで、『A・ジェネクス・クラッシャー』の攻撃力も元に戻るぜ」

 

『A・ジェネクス・クラッシャー』

 攻撃力1000

 

「く……私はカードを二枚伏せ、ターンエンド」

 

星華

LP:3500

手札:1枚

場 :モンスター

   『A・ジェネクス・クラッシャー』攻撃力1000

   魔法・罠

    セット

    セット

 

キース

LP:2500

手札:3枚

場 :モンスター

   『モーターシェル』攻撃力1300+900

   魔法・罠

    永続罠『エンジンチューナー』

    永続罠『リビングデッドの呼び声』

 

 

「さて、俺のターンだな。ドロー」

 

キース

手札:3→4

 

「もうこのカードに用は無ぇ。魔法カード『マジック・プランター』。自分の場の表側の永続罠カードを墓地へ送り、カードを二枚ドローする。俺は『リビングデッドの呼び声』を墓地へ送り、カードを二枚ドロー」

 

キース

手札:3→5

 

「更に、『リビングデッドの呼び声』が墓地へ送られたことで、対象となった『モーターシェル』も破壊される」

 その言葉の通り、『モーターシェル』は再び破壊され、後には部品が残された。

 

『モータートークン』

 レベル1

 攻撃力0

 

「手札を増やしつつ、しっかり生贄まで残すとはな……」

「それだけじゃねえ。さっきの様子を見るに、『エンジンチューナー』の効果も分かってんだろう?」

「……対象となったモンスターが場を離れても破壊されず、新たに場に召喚された機械族に対して効果が発動される」

「そういうことだ。『モータートークン』を生贄に捧げ、『モーターバイオレンス』を召喚! 『エンジンチューナー』の効果で攻撃力アップだ!」

 

『モーターバイオレンス』

 レベル6

 攻撃力2200+600

 守備力1200

 

「上級モンスターが来たか……」

 

(だが、私の場には二枚の伏せカード。一枚は、相手の攻撃を跳ね返す『魔法の筒(マジック・シリンダー)』。攻撃力2800の『モーターバイオレンス』で攻撃してくれば一撃で仕留められる)

(仮にそれをかわされたとしても、相手のバトルフェイズ時にライフを支払うことでモンスターを召喚できる永続罠『血の代償』も伏せてある。こいつで新たに手札の闇属性モンスターを召喚すれば、『A・ジェネクス・クラッシャー』の効果で『モーターバイオレンス』を破壊できる。少なくとも、このターンの守りは万全……)

 

「更に魔法カード発動『カード・ヘキサチーフ』!」

 私が思考していると、キースが新たに魔法カードを発動させた。

「こいつの発動に対して、相手は伏せカードを発動できねぇ。このカードを発動した瞬間、相手の場に伏せられた魔法・罠カードは全て発動できなくなる」

「なんだと!?」

 私の場の二枚の伏せカード。その下から巨大な鎖が現れたと思ったら、二枚ともがその鎖に縛り付けられた。

「もっとも、新たに伏せたカードなら問題なく発動できるがな。これで安心して攻撃できるぜ。バトルだ! 『モーターバイオレンス』の攻撃、モーターカノン!」

 バイオレンスの両腕に装着された、三連装となっている大砲が火を噴く。

 それにぶつかったクラッシャーはあえなく破壊されてしまった。

 

星華

LP:3500→1700

 

「ちぃ……!」

「カードを二枚伏せる。ターンエンド」

 

 

キース

LP:2500

手札:1枚

場 :モンスター

   『モーターバイオレンス』攻撃力2200+600

   魔法・罠

    永続罠『エンジンチューナー』

    セット

    セット

 

星華

LP:1700

手札:1枚

場 :モンスター

    無し

   魔法・罠

    セット(発動不可)

    セット(発動不可)

 

 

「くぅ……強い」

 鮮やかなプレイング。隙のないコンボ。容赦ない迎撃封じ……今まで闘ってきた決闘者達とは、明らかに格が違う。

「これが、英雄の力というわけか……」

「……?」

「私のターン!」

 

星華

手札:1→2

 

 今は耐えるしかない。だが、今引いたこのカード……

 どの道、このままではジリ貧となるばかりだ。となると、ここはこれに賭ける……!

「魔法カード『闇の誘惑』。カードを二枚ドローし、その後、手札の闇属性モンスターを除外する。闇属性モンスターが無ければ全ての手札を墓地へ送る」

「賭けに出たか……いや、その手札一枚は……」

「ドロー!」

 

星華

手札:1→3

 

「……手札の闇属性モンスター『A・O・J サイクロン・クリエイター』をゲームから除外。カードを一枚伏せ、ターンエンド」

 

 

星華

LP:1700

手札:1枚

場 :モンスター

    無し

   魔法・罠

    セット

    セット(発動不可)

    セット(発動不可)

 

キース

LP:2500

手札:1枚

場 :モンスター

   『モーターバイオレンス』攻撃力2200+600

   魔法・罠

    永続罠『エンジンチューナー』

    セット

    セット

 

 

「万策尽きたって顔だな。だが容赦はしねえぜ。ドロー」

 

キース

手札:1→2

 

「魔法カード『天使の施し』。こいつでカードを三枚ドローして……っ!」

 ドローした三枚のカードを見るなり、キースはなぜか顔を歪めた。

 

(ここでこいつか。あいつらの仲間になった時に押し付けられたカード……気に入らねぇ。しかも皮肉なことに、こいつの力を最大限発揮できるカードがフィールドに揃ってやがる。とは言え、こいつを使うことも契約の一つだしな……)

 

「チッ……ドローした後で、二枚のカードを捨てる。罠発動『デストラクト・ポーション』!」

「なに? ここでそのカードを……?」

「自分フィールドのモンスター一体を破壊し、俺はその攻撃力分のライフを回復する。『モーターバイオレンス』を破壊」

 言うが早いか、奴の場の『モーターバイオレンス』は爆破された。

 

キース

LP:2500→5300

 

「『モーターバイオレンス』が破壊された時、フィールドに二体の部品(トークン)を残す」

 

『モータートークン』トークン

 レベル1

 攻撃力0

『モータートークン』トークン

 レベル1

 攻撃力0

 

「新たに二体のトークンが……!」

「それだけじゃねえぜ。墓地に『モーター』モンスターが置かれた瞬間、罠カード『スクラップ・ガレージ』を発動! 墓地に眠る全てのモーターモンスターをフィールドに特殊召喚する」

「なんだと!?」

 声を上げたと同時に、墓地から新たに三体の機械がフィールドへ浮かび上がった。

「……待て、三体? ……そうか。『天使の施し』か……」

 理解したと同時に、新たに呼び出された三体の様子にも気付いた。

 三体が三体とも、その身には覇気や力が無く、おまけにその見た目には色味が無い。

「直接攻撃を心配してるなら安心しな。『スクラップ・ガレージ』の効果で呼び出されたモーターモンスターの攻・守力は全て0になる」

 

『モーターシェル』

 レベル4

 守備力1800→0

『モーターバイオレンス』

 レベル6

 守備力1200→0

『デモニック・モーター・Ω(オメガ)

 レベル8

 守備力2000→0

 

「わざわざモンスターを破壊してまで、それだけのモンスターを場に残す理由は……最上級モンスターの生贄召喚……!」

「そういうことだ。俺は二体のモーターパーツを生贄に捧げ……」

 二つの部品が消えた瞬間、その場に巨大な炎が発生した。

 

「現れな! 『The blazing MARS(ザ・ブレイジング・マーズ)』!!」

 

 突如、地面が赤く染まった。かと思った次の瞬間、その地面が爆発……いいや、噴火し、フィールドを熱気が包んだ。

 熱気は嵐を産み、熱で真っ赤に染まった地面は躍動を続ける。

 そんな地面を破り、巨大な熱と炎と共に、黒いそいつは浮かびあがった。

 

 まず、悪魔のような真っ黒な胴体。

 かと思えば、その腰から下には、溶岩でできた、見るからに凶悪な鬼の形相。

 凶悪強大な貌から浮かび上がった、炎を伴う悪魔……

 

The blazing MARS(ザ・ブレイジング・マーズ)

 レベル8

 攻撃力2600

 

「ブレイジング、マーズ……何だ、そのモンスターは? 聞いたことないぞ……」

「さっきお前も言ってたろうが。誰も知らねぇカードを使うことなんざ、珍しくもねえよ。『The blazing MARS』、効果発動!」

 キースが宣言した途端、マーズの身からあふれ出た炎が、キースのフィールドを包み込んだ。そして、場に残っていた三体のモーターモンスターが、その炎に飲み込まれた。

「一ターンに一度、メインフェイズ1に発動できる。自分の場のMARSを除くモンスター全てを墓地へ送り、墓地へ送ったモンスター一体につき、500のライフダメージを相手に与える」

「なんだと!?」

 三体のモーターモンスターが燃え尽きたと同時に、おそらくその三体の魂が、マーズの巨大な口に吸収された。

 次の瞬間、私の足もとの地面の三か所が燃え、盛り上がり、そこから、熱く巨大なエネルギーが……!

 

「ぐわああああああああああああああ!!」

 

星華

LP:1700→200

 

「そしてバトル……MARSでダイレクトアタック! Syrtis Major(シリティス・メジャー)!!」

 再びマーズの巨大な口が開かれ、今度はそこに、炎と熱が溜め込まれていく。

 大量のエネルギーを蓄え、巨大な塊と化したそれは、私に向けられ放出された。

「……罠発動『カウンター・ゲート』! 相手モンスターの直接攻撃を無効にし、カードを一枚、ドローする!」

 カードを発動した瞬間、私に向かってきた炎の塊は消えた。

 

星華

手札:1→2

 

「そして、ドローしたカードがモンスターカードだった場合、そのモンスターを攻撃表示で通常召喚する。私は『ジェネクス・パワー・プランナー』を召喚!」

 

『ジェネクス・パワー・プランナー』

 レベル1

 攻撃力300

 

「更に、『ジェネクス・パワー・プランナー』が通常召喚された時、デッキからレベル3の『ジェネクス』一体を手札に加えることができる。私はレベル3の『レアル・ジェネクス・マグナ』を手札に」

 

星華

手札:1→2

 

「かわしたか……念のため、保険も掛けておくか。魔法カード『旧型出陣』。こいつで墓地に眠る機械族を呼び出す。俺は墓地から、『デモニック・モーター・Ω』を特殊召喚」

 墓地から蘇ったのは、直前の『スクラップ・ガレージ』でも呼び出された、悪魔的な姿をした巨大な機械の巨人だ。

 

『デモニック・モーター・Ω』

 レベル8

 攻撃力2800+1000

 守備力2000

 

「ターンエンド。そして『デモニック・モーター・Ω』はエンドフェイズ時、自分フィールドに部品(トークン)を生み出す」

 

『モータートークン』トークン

 レベル1

 攻撃力200

 

 今までのトークンに比べれば、だいぶゴツイ見た目をした部品がオメガの足もとに現れた。

「そいつが生み出した部品には、攻撃力が備わっているのだな……」

「守備表示にもできるぜ。出てくる時は他の部品と同じ、攻撃表示だがな」

 

 

キース

LP:5300

手札:0枚

場 :モンスター

   『The blazing MARS』攻撃力2600

   『デモニック・モーター・Ω』攻撃力2800+1000

   『モータートークン』攻撃力200

   魔法・罠

    永続罠『エンジンチューナー』

 

星華

LP:200

手札:2枚

場 :モンスター

   『ジェネクス・パワー・プランナー』攻撃力300

   魔法・罠

    セット(発動不可)

    セット(発動不可)

 

 

「しかし……機械族から、いきなり炎族モンスターとはな。さすがに驚いたぞ……」

 一瞬、キースは不満そうな顔を見せたが、それがすぐ不敵な笑みに変わった。

「さっきも言ったろうが。別に機械しか使わねぇわけじゃねえ。勝つために使えるカードをデッキに入れるのは当然だろうが」

「そうだろうな……あらゆるカードを、その力を最大限発揮できる局面で使いこなす。英雄の力、シカとこの身に刻んだぞ」

 そう言った時、キースは疑問の表情を浮かべた。

「……さっきから何度か出てきてる言葉だが、英雄ってのは何の話だ?」

「……貴様、自分がアメリカでどう言われているのか知らんのか?」

「ハッ! よーく知ってるぜ。堕ちた賞金稼ぎ。ガキに敗北した元・無敗の全米チャンピオン。全米の生ける恥辱……例を挙げりゃあキリが無ぇ」

 

 確かに……

 あらゆる決闘大会を総なめし、全米一の賞金稼ぎとして名を馳せた男。 

 だが、ニューヨークでのイベントでペガサスに挑んだ際、ペガサスが突然代理として仕立てた子供に、惨敗してしまった。

 

 ――トムの勝ちデース……

 

 あの決闘は、幼い頃の私も、会場で観ていた。

 その決闘は決闘モンスターズのコマーシャルに利用され、トム、と呼ばれた子供とペガサスは一躍時の人となり、逆にキースは、子供に敗北し、生き恥を晒したとして笑いものになり、詳細は知らんが、荒んだ転落人生を歩んだと聞く。

 おまけに、『決闘者の王国(デュエリスト・キングダム)』での不正行為も合わさり、今や、この男を快く思う決闘者はほとんどいない。

 

「誰もが貴様のイメージを聞けば、口に出すのは悪名の限りだろう……だが少なくとも、私を始め、機械族使いの決闘者からすれば、お前は英雄だ」

 笑っていたキースだったが、私がそう言うと、また疑問の顔を見せた。

「少なくともニューヨークで敗北するまでは、貴様は紛れもなく全米一の決闘者だった。それほどの決闘者である貴様が、王国の決勝で選び使ったデッキ。それが機械族(マシーン)デッキだった」

 奴の場のモンスターを見ながら思う。私だけではない。あらゆる機械使いの決闘者が思ったことだ。

「ペガサス、そしてキース。アメリカ決闘者のビッグ2と称されていた貴様なら、貴様が王国で機械族デッキを使うまで、機械族がどんな存在だったか、知らないことはあるまい」

「……」

 キースは何も言わないが、こいつも、決闘モンスターズに古くから関わってきた者として、知っているという顔だ。

 

「初期から今日まで、種類の数では最多を誇る『戦士族』。強さとデザインの美しさから人気の高かった『悪魔族』。伝説のレアカードの多くを占める『ドラゴン族』。それら花形の種族に比べれば、機械族はかなりマイナーな種族だった。今で言えば、雷族や海竜族、爬虫類族に、植物族あたりがそうか。秀逸なデザインや高い攻撃力を好んで使う者はいても、そもそもモンスターやサポートカードの種類が少なく、まともにデッキとして成立しない。私自身、幼い頃から機械族を好んで使ってきたが、そのせいで周りの悪ガキどもにはいつも笑われていた」

 もっとも、そういう連中に限って、私に勝つことはできなかったがな。

 機械族に限った話ではないが、間違いなく冬の時代だったと言っていい。

 

「いくら好きでも、カード自体が少ない。次第に、次々に生まれてくる新カード達に勝つことができなくなっていき、私も、一度はデッキを変えようかと思った。だが、そんな地味でマイナーだという機械族の常識を覆したのが、貴様だ。バンデット・キース」

「……」

 私が言うと、キースは可笑しそうに笑みを浮かべた。

 

「誰も使わなかった機械族のモンスターを、王国の決勝戦という大舞台で使用し、その力と強さを見せつけた。結果だけ見れば敗北だったが、その決闘は今でも映像として残っている。それを観た多くの人間が、こぞって機械族のカードを収集し、デッキを作った。それだけ人気が出たからだろう。新たな機械族モンスターや強力なサポートカードが作られ、増えていき、その種類は、今では戦士族に次ぐ第二位だ」

 それまで散々機械族をバカにしてきた決闘者が、新たに機械族を手にし、得意になっている姿には多少癪に触ったが、それ以上に私はもちろん、古くから機械族を愛してきた者達にとっては、革命的な出来事だったと言っていい。

 

 そして、そんな機械族の革命を起こした立役者。

「そこいらにいるような決闘者の間では、確かに貴様は悪の権化のような存在だろう。だが全米の機械族使いの決闘者にとって、貴様は憧れだ。そういう連中は皆、お前のことをこう呼ぶ。『機械族の英雄(マシーンズ・ヒーロー)』、バンデット・キース」

 私にとっても同じ。幼いころから憧れてきた英雄(ヒーロー)

 目の前に立つのは、それほどの決闘者だ。

 

「……へへ」

 話しを終えると、初めてキースは声を上げた。

 会った時から同じ、不敵な、だが、どこか嬉しそうで、むず痒そうな笑い声を。

「まあ、今更なにを言われようがどうでもいい。だが、英雄、ね……」

 過去には多くの歓声をその身に受けてきた。

 だがその後は、同じかそれ以上の罵声に晒されてきた。

 そして、そんな罵声の裏には、少なからずの確かな褒声もあった。

 

 地に落ち、不正に手を染めた罪人だと切り捨てることは簡単だ。

 だが、罪人とて過去はある。今が罪人であれ、過去にどれほどのことを成し遂げたか。そして、それが今にどれほどの影響を与えているのか。重要なのはそれだ。

 この男は間違いなく、全米の決闘者の頂点の一人として君臨し、決闘モンスターズ界に確かな影響を残した。その事実が変わることはない。

 幼いころから抱いてきた、梓とはまた別の、憧れの気持ちもな……

 

「昔のことなんざ思い出したくもねぇ。だがまあ、良い話を聞いた……さあ、話しはこれくらいにして、決闘を続けようや」

「……そうだな」

 

 

星華

LP:200

手札:2枚

場 :モンスター

   『ジェネクス・パワー・プランナー』攻撃力300

   魔法・罠

    セット(発動不可)

    セット(発動不可)

 

キース

LP:5300

手札:0枚

場 :モンスター

   『The blazing MARS』攻撃力2600

   『デモニック・モーター・Ω』攻撃力2800+1000

   『モータートークン』攻撃力200

   魔法・罠

    永続罠『エンジンチューナー』

 

 

「私のターン」

 

星華

手札:2→3

 

「……『強欲な壺』を発動。カードを二枚ドローする」

 

星華

手札:2→4

 

「うむ……確かに、機械族使いだからと、機械しか使わないわけではない。現に、私のデッキにも色々と入っている。この『ジェネクス・パワー・プランナー』、こんな見た目をしているが魔法使い族だ」

「……マジか?」

 さすがのキースも驚いたらしい。まあ私自身、デッキを組むまでは絶対に機械族だと思って、初めてその種族を見た時は開いた口が塞がらなかったが……

「そして……『レアル・ジェネクス・マグナ』召喚。こいつは、マーズと同じく炎族だ」

 

『レアル・ジェネクス・マグナ』

 レベル3

 攻撃力1000

 

「こいつの召喚に成功した時、デッキからレベル2の『レアル・ジェネクス』を手札に加える。レベル2の『レアル・ジェネクス・クラッシャー』を手札に」

 

星華

手札:3→4

 

「そいつは、まさか岩石族だってか?」

「それはそれで面白そうだが、こいつは見た目通りの機械族だ」

「そうかい……」

「第一、岩石族では、こいつが呼べないからな」

「……まさか」

 さすがは決闘モンスターズのエキスパートなだけあり、これから私がすることにも気付いたらしい。

 

「魔法カード『融合』! 手札の機械族『レアル・ジェネクス・クラッシャー』と、炎族の『レアル・ジェネクス・マグナ』を融合!」

 いつもの光景が繰り広げられる。

 爆炎が燃え広がり、そこから悪魔的な顔が浮かび上がる。

 顔の次に黒の甲冑が浮かび上がり、そこで炎が肉体を持ち、やがて巨大な翼を広げる。

「融合召喚! 来い『重爆撃禽(じゅうばくげきん) ボム・フェネクス』!」

 

重爆撃禽(じゅうばくげきん) ボム・フェネクス』融合

 レベル8

 攻撃力2800

 

「炎族には炎族で対抗かよ。面白れぇことしやがる」

「炎族だけではないぞ。言ったろう。色々と入っている。私は貴様の場の『デモニック・モーター・Ω』を生贄に捧げ、悪魔族の『サタンクロース』を、貴様の場に守備表示で特殊召喚する!」

「なに!?」

 効果を説明しながら、キースにカードを投げてよこした時。

 奴の場に立っていた悪魔的な機械は消え、代わりにそれより遥かに小さい、本物の悪魔が胡坐をかいて座った。

 

『サタンクロース』

 レベル6

 守備力2500

 

「バトルだ。ボム・フェネクスで、『The blazing MARS』を攻撃! 不死魔鳥急降下撃(フェネクス・ダイブ・アタック)!」

 不死鳥が天高く舞い上がる。直後、マーズに向かって急降下を開始する。

 それをもろに受けたマーズは打ち砕かれ、爆炎に燃え尽きた。

 

キース

LP:5300→5100

 

(パワー・プランナーでモータートークンを破壊しておくべきか……いや、ライフが残り200のこの状況で、攻撃力300のモンスターは恰好の的でしかない。攻撃力1200の『サタンクロース』もいるしな……)

「『ジェネクス・パワー・プランナー』を守備表示に変更。カードを一枚伏せ、ターンエンド。そしてこのエンドフェイズ、特殊召喚された『サタンクロース』の効果で、貴様はカードを一枚、ドローできる」

「……ドロー」

 

 

星華

LP:200

手札:0枚

場 :モンスター

   『重爆撃禽 ボム・フェネクス』攻撃力2800

   『ジェネクス・パワー・プランナー』守備力200

   魔法・罠

    セット

    セット(発動不可)

    セット(発動不可)

 

キース

LP:5100

手札:1枚

場 :モンスター

   『サタンクロース』守備力2500

   『モータートークン』攻撃力200

   魔法・罠

    永続罠『エンジンチューナー』

 

 

(フンっ……まあいいぜ。アイツのカードで勝ったところでつまらねぇと思ってたからなぁ……)

 

「ところで、気になっていたのだが……」

 マーズを倒し、ターンが変わった所で、気になっていたことを尋ねることにした。

「貴様が左耳から下げている、そのイヤリング……随分変わったデザインだが、大丈夫か?」

 イヤリング自体は、真新しい黒い金属を使っているだけの普通のもの。だが問題は、そんな金属にはめられているもの。

 まるで、いやに古い石かブロックかを適当に砕いて、その破片を無理やりアクセサリーにしただけのような、そんな粗末な代物だ。

 にも関わらず、出会った時からなぜだか目が引かれた。

 そして、奴がマーズを召喚した瞬間、よりその存在感が増したように感じられた。

 まるで、あの小さな破片から、黒くどす黒い何かが流れ出ているような……

 

 そんなイヤリングに触れながら、キースはまた怪訝な顔を見せた。

「ただのアクセサリーだよ。何を着けて洒落ようが俺の勝手だろうが」

「それは……そうだな」

 何も無いなら確かにどうでも無いが……

 

 心なしか、見えないはずのどす黒い何かが、余計大量にあふれ出ているような。

 そんな嫌な予感を感じている間に、キースはデッキに指を置いた。

「俺のターン、ドロー」

 

キース

手札:1→2

 

「……っ!?」

 ドローしたカードを見て、キースは前のターンとはまた別の、驚愕の顔になった。

「どうした?」

 聞いてみたが、返事はない。ただ、そのカードを凝視しているだけだ。

 

(バカな……なんだ、こいつは? こんなカード知らねぇぞ。いつの間に俺のデッキに……まさか、あの野郎……!)

 

「ぐあぁ……!」

 突然、苦悶の声を吐いた。かと思った次の瞬間、感覚ではなくはっきりと目に見えた。

 奴の左耳のイヤリング。そこから、どす黒い何かが溢れ出すのが。

 マーズの時とは比べものにならない、真っ黒な、『闇』……

 

「なんだ、こりゃあ……ぐ、がああああああああああ!!」

 

 

 

視点:外

 

(バンデット・キース……君を支配するのに、『プラネット』だけでは不足だということは分かっていた。だから、プレゼントだ。そのカードの力を振い、決闘を盛り上げたまえ。君と、その対戦相手。そのエネルギーが、私の糧となる……)

 

 ……

 …………

 ………………

 

「がああああああああああああああああああああああああ!?」

 

 イヤリングから漏れ出た闇。それはやがて、キースの全身を覆い尽くした。

 そしてそれは、すぐに星華の目からは消えた。もっとも、見た目には消えていても、それは間違いなく目の前に存在している。

 闇は、消えたのではない。

 闇は、キースの中へ、溶けていった。

 

「……さあ、いくか」

「……っ!?」

 キースが微笑みながら、愛用のサングラスを外す。

 その素顔を見た星華は、言葉を失った。

「貴様、その目は……!」

 星華の記憶では、キースの目は欧米人らしい青色の瞳だったはず。

 だが今は、瞳どころか、白目どころか、眼球そのものが、真っ黒に変わってしまっている。正面に向き合うキースの、眼窩の中身、全てが真っ黒な闇と化している。

「呑まれたというのか、カードに……」

 

「魔法発動……『デビルズ・サンクチュアリ』。こいつで、攻守0の『メタルデビル・トークン』を特殊召喚」

 

『メタルデビル・トークン』トークン

 レベル1

 攻撃力0

 

 攻守は共にゼロ。いくつもの球体を組み合わせて適当に作ったような悪魔。

 だがそんな適当は、これから呼び出されるモノの、供物に過ぎない。

 キースが発動した魔法。それはかつて、こう呼ばれていた。

 

『神を封じ、神を呼び込む魔の聖域』。

 

「見せてやるぜ。邪悪なる『神』ってやつを……メタルデビル、『サタンクロース』、『モータートークン』の三体を生贄に捧げる」

「三体の生贄!?」

 三体のモンスターが姿を消す。その瞬間、イヤリングからの闇が、よりどす黒く、より大量にあふれ出た。

 それは、キースの頭上に集まっていく。まだ日が沈んで間もない、明るさの残る空を真っ黒に染め、かと思えば、その中心に穴が開き、そこから……

 

「『邪神イレイザー』召喚!!」

 

 

 

 




お疲れ~。

つまり、GXで機械族が増殖しまくった発端はキースが主因であると。
MARSを使ってたオブライエンまで機械族だし。
増えるのが悪いこととは言わんが……

そんじゃらオリカ~。
今回も多いでよ~。



『モーターシェル』
 レベル4
 地属性 機械族
 攻撃力1300 守備力1800
 フィールド上に存在するこのカードが破壊された場合に発動する。
 自分フィールドに「モータートークン」(機械族・地・星1・攻/守0)1体を攻撃表示で特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚した「モータートークン」は表示形式を変更できない。

『モーターバイオレンス』
 レベル6
 地属性 機械族
 攻撃力2200 守備力1200
 フィールド上に存在するこのカードが破壊された場合に発動する。
 自分フィールドに「モータートークン」(機械族・地・星1・攻/守0)2体を攻撃表示で特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚した「モータートークン」は表示形式を変更できない。

遊戯王Rにて、キースが使用。
『ドル・ドラ』とか『ダンディライオン』とか、当時から使いやすいのがたくさんいたからなぁ。
破壊以外でもトリガーにできりゃあまだデッキになるかな?
皆が使いたがるかは分からんが……
ちなみにどっちでも大して問題ないけど、この二体が落とす『モータートークン』はOCGでなく原作の方に寄せてます。
理由は特にないけど、まあ原作再現ということで。


『エンジンチューナー』
 永続罠
 フィールド上に存在する機械族モンスター1体を対象に発動する。
 対象モンスターは攻撃表示になり、表示形式を変更できない。
 対象モンスターの攻撃力は、自身の守備力の半分の数値分アップする。
 対象モンスターがフィールドを離れた時、次に召喚・特殊召喚された機械族モンスターを対象にこのカードの効果を適用する。

もちろん、キースが使用。
原作じゃあ装備モンスターが消えても場に残る装備魔法。
けど、原作再現をしたかったのと、永続じゃなきゃ効果が成り立たなそうだったので永続罠に変更しますた。
自分でも相手でも新しく出てきた機械族に問答無用で効果が発動するから、地味に扱いがムズいんだよね。
攻撃も守備も高い機械族ってのが来るかどうかも分かんないし。
とはいえ、上手いこと使いこなせりゃ下級でも一方的に殴り倒せるから、強いことは強いカードじゃないかな。


『スクラップ・ガレージ』
 通常罠
 自分の「モーター」と名のついたモンスターが墓地へ送られた場合に発動する事ができる。
 自分の墓地に存在する「モーター」と名のついたモンスターを可能な限り特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃力と守備力が0になり、効果モンスターの効果は無効化される。

当然、キースが使用。
普通に強過ぎる展開カード。発動条件が緩いうえに、何体、じゃなくて、可能な限り、だからな。
リリースや壁はもちろん、今ならシンクロにエクシーズにリンクに、悪用し放題。
墓地を肥やすのは大変かも分からんが、専用デッキなら十分に使えるカードではなかろうか……


『カード・ヘキサチーフ』
 通常魔法
 このカードの発動に対して、相手は伏せカードを発動できない。
 このカードの発動時に相手フィールド上にセットされた魔法・罠カードは発動できなくなる。

そりゃあ、キースが使用。あとウィラー・メットも。
『心封壺』の完全な上位互換。ちなみに発動にチェーンできないのは、原作読んだ感じの推測です。
伏せカードが多けりゃそれだけ強力になるし、逆に一枚だけでも容赦なく封じるのでかなり強力。
自分のだろうが除去するのも難しいから、使われた相手は間違いなく嫌な顔するろうね。
『ハリケーン』も『大嵐』も、今は禁止カードだし……



以上。
決着は次話で書きますゆえ、ちょっと待ってて。

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