BLEACH《新たな歩み》 作:白黒
年齢/16歳
髪の色/藍色
職業/学生 高校1年
趣味/特にない。
全ては願ったから起こったこと。
願わなかったら何も起こらなかった。
何度こんなことを思うのだろう。
何を願ったのか。聞かれたって「覚えてない」しか答えが浮かばない。
ここは砂漠。暑い。熱い。
手に持つ弓。背中にある靫
きっと壊れかけているであろう。弦は緩み、矢は少し曲がっていることは見なくともわかっている。
自分は歩いてる。
何故と聞かれれば理由は言いたくない。言えない。
けど、何かしら理由があることは僕はわかる。
口は開かない。
塞いでるだけだが開かない。
自分の声のトーンなど忘れかけていた。
ただ覚えてるのは、「いい声」とは言われたことがないことだけ。
腰の刀。
鞘の中で砂と一緒に音を立てている。
いつから使ってたかはわからないが、長い時をこいつと過ごしてたのは違いない。手放したくない。
血。
太陽の暑さに負け、少しだが冷たいと感じる。
飲めば喉が潤うのか。いや止めておこう。何も変わらない気がする。
「ーーーーーーー!」
聞き取れない。
いや、何を話してるのかわからないと言ったほうがいいか。よく見ると相手の男は目の前の自分を男が持っているナイフで殺そうとしている。
「あーめんどくさい…」
久しぶりに自分の声を聞いた。
久しぶりに自分の声はとてもだが「いい声」とは言えない声だった。
「殺すか…」
矢を取り出し弦を引く。
狙わない。目を閉じていても相手を貫くことはできる。
手を離し聞こえたのは男のうめき声。男は刺さっている部位を抑え必死に悶えてる。
男に近寄り腰の刀を手に取る。
「ーーーーー!ーーーーーーーー!」
必死に何かを伝えてる。わからない。
自分にか?いや違うだろう。こいつは死にたくないだけ。俺を殺そうとしたのに、自分が死ぬのは嫌なだけ。こいつは神にでも伝えてるのだろう。
「煩いんだよ。喋るな…」
男の胸に刺さっていく刀の刃。男は叫ぶ。俺しかいないのに。地面には男の血が広がっていく。そして刀の根元まできた。男はまだ叫ぶ。
「目を閉じろ…」
男は従う。
俺の言葉は少なからず通じているらしいが、そんなのはどうだっていい。ただただ、男を殺すだけ。
矢を一本取り、弦を引く。そして離す。たった三つの動作でこの男を殺せる。
男の眉間に刺さった矢はまるで俺に白旗を立ててる様だった。
砂漠の風が男を叩く。
男は空を見上げ、手を伸ばす。
「まだ、届かない」
青い空。
快晴だ。こんなにいい天気ならなにが起こるのだろう。そんなことを考えながらまた歩き始めた。
「竜ちゃん…みぃつけた…」
不気味な女の声が聞こえた。
:
「お兄ちゃん!もう起きてー!」
毎朝、妹の声で僕は目覚める。
「あーいま起きたー」
体は起き上がらない。いまは冬に近い秋。そのせいかもしれない。
「なんか変な夢だったな…ん…えーと…なんだったけ…」
夢をすぐ忘れることなんかよくあることだと思い、老いた人のように起き上がる。
下に降りると、母がオタマを持ちながら洗濯機を回していた。
「なにやってんの。母さん」
「んー?ケチャップ飛んじゃった♪」
そんなドジっ子がやる「テヘペロ♪」をされても…と、思いながらなぜオタマを装備しているのかを聞かず、リビングに向かう。
「お兄ちゃん。おーそーい!早くしないと柚の特製《アボカドとグレープのジュース》が不味くなっちゃう!」
妹の柚は舌が馬鹿になってるのか、いつもアボカド+αのジュースを毎朝、作っている。今日はグレープか?
「あ、すまんすまん。しっかり飲むよ」
いくら不味いとわかってても、実の妹が頑張って作ってくれたものだ。と一気飲みする。最近は慣れたのか学校で昼休みにトイレで嘔吐することが少なくなった。
「親父は?飯食べなかったのか?」
「ジュース飲んだらトイレ行きたくなったって〜」
「そうか…」
この家の大黒柱(最近は母が上に立ちつつあるが)である父は毎朝トイレから始まっている。妹よ。そのジュースでなにを起こそうというのだ。
家を出て登校中。
「慣れてきても、腹にくるものだな…」
妹の特製ジュースを一気飲みしたせいでまともに朝飯を食べていない。重い腹をさすりながら、上り坂。
カツン!
靴に何かがぶつかり、いい音がした。石とぶつかる感触とは違った。
「なんだ?」
蹴ったものを拾い上げると、バツ印に重なってドクロのようなものが付いており、逆さの五角形のものが落ちていた。
「なんだこれ。ん?」
微かに聞こえる話し声。女だろうか…いや男もいる。
「なんだ…なに言ってんだよ…たす…て?は?」
その時、
僕は車に轢かれてしまった。
前に書いてるものの続きが思いつかず、暇だったので書いてみました。
読んでくれて嬉しいです。
暇だったらまた描きたいと思います。
それでは〜