仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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66話 徳川日本国ダークサイド② インド洋に沈む倫理

 さらに徳川はローマ帝国との主戦場である南アジアにおいても自国の影響力を強めようと動いた。徳川日本国は伊藤長兵衛・忠兵衛兄弟の伊藤長兵衛商店と紅忠に多大な支援を行い南アジアへと企業展開を開始させた。伊藤長兵衛商店は上都大陸同様にインド亜大陸を中心にサータバーハナ朝やマガタ王国などの支配者層と結託し公共設備などを建設し、その見返りに綿花や麻栽培を目的とした大規模農場を造り、そこで出来た麻や綿花を元に繊維産業に着手、衣服などの生産を開始。伊藤長兵衛商店で作られた衣服等の布製品を紅忠が輸出販売を手掛け産業を拡大。数年後には南アジア諸国の繊維は彼らが握ることになった。

 公共設備が充実し始めたインド亜大陸はこれらの維持管理のために製鉄業や建築業が盛んになった。これらの維持管理は当時伊藤長兵衛商店と紅忠が担当していたが、利益のより大きい繊維業に注力するために切り離しを行うことにした。ここで伊藤兄弟は当時のサータバーハナ朝財務大臣パルスィ・タタとマガタ王国有力の富豪ヒンドゥラ・ビルマーとシャーストラ・アンバと結託しこの二人に製鉄・建築業を売り渡したのであった。

 これが、南アジアを蓬莱上都大陸の様な自主的な奴隷化政策へ向かうことを防いだとも言えた。

 その後も、多くの徳川日本国系の財閥が参入してきたが主要な製鉄及び建築産業によって大成したタタ財閥とビルマー財閥、ライアンス財閥(アンバ家)によって徳川日本国に丸ごと経済地盤をかっさらわれることを防ぐことに成功したのだ。

 とは言っても、伊藤兄弟とタタ家・ビルマー家・アンバ家と徳川日本国系財閥による支配者層の結託は固い物であり、この国の経済に徳川日本国は大きく影響力を持つことには変わりなかったのだ。

 だが、タタ財閥とビルマー財閥・ライアンス財閥はインド亜大陸においてトップファイブを争う財閥であり、ビルマー財閥・ライアンス財閥が本社をサータバーハナ朝に移したことを皮切りに、徳川日本国より旧式の帆船を購入し貿易産業にも参入しサータバーハナ朝の海軍力強化にも一役買うことになる。

 これによってサータバーハナ朝は後にインド亜大陸を掌握することに成功するが、その代わりに伊藤・タタ・ビルマー・ライアンスの四天王によって経済を完全に掌握され支配されることになるのである。

 さらには伊藤兄弟の会社はその後何度も合併吸収分離を繰り返し、あのコンプライアンスをインド洋に沈めたと言われる伊藤紅商事として日本屈指の巨大総合商社であると共に日本屈指財閥である伊藤財閥へと変容していくのである。

 

 

 

 また、徳川日本国の食指は希望大陸にも向けられ、列車の機械油の原料としてニジェール川のアブラヤシやセネガンビアの落花生が、石鹸や蝋燭の原料としてヤシ油やピーナツ油の需要が急上昇した。また、象牙の値段も上がり気味で希望大陸内陸部の情報や希望大陸が産出する資源の「可能性」は徳川日本国の領土的な野心を大きく刺激した。

 また、ローマ帝国も同様に希望大陸への領土的野心をも刺激するものであった。

 そして、将来的には徳川日本国とその追従国家による希望の大分割と呼ばれる出来事の遠因ともなるのであった。

 

持株保有率

伊藤紅商事 会社株30%・伊藤家30%・徳川日本国25%・清水徳川家5%・徳川蓮技衆10%

 また、インド三大財閥も10%程が徳川各家の保有である。

 

 


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