仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。   作:3番目

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作業中寝落ちしたため、今日はこれだけの投稿です・・・


48話 国際万国博覧会①  招待状

 洛陽を董卓が掌握して、紆余曲折があり『董卓暴政を振るう』の噂が流れるまでだいぶ時間を要することになる。

 ちなみに、この世界では漢王朝は財のストックがあったために、五銖銭の董卓五銖銭としての発行されていない。仮に董卓五銖銭の発行があれば、いくら恋姫世界の董卓でも死罪は免れなかっただろうが・・・

 

 と、董卓五銖銭の話は置いといて、董卓の暴政の噂が流れるまで時間があり、大陸が一時的に平和になった時期であることを理解しておいてほしい。

 

 この時期偶然にも世界もローマに目立った動きはなく。他の地域でも変事は発生していない。

 

 この様な平和な時期に徳川日本国は家茂の悲願ともいえる世界的大イベントの開催を実施する。

 

 そう、数多の国が参加する博覧会である国際万国博覧会の開催である。

 

 徳川家茂はこの世界最初の万博の標語に友愛を掲げており、江戸城大広間にて国内の新聞社・出版社の編集者達に対して価値観の異なる国に対して互いの立場を認め合いながら、共存共栄を目指していく胸の内を語った。

 

 会場は、簿留根緒(ボルネオ)島文莱(ブルネイ)地域の幕府直轄領領国夢安良(ムアラ)須拉薩(スラサ)郡全土を活用した大規模なものであり、日本館・蓬莱館・上都館・希望館・亜細亜館・大展示広場の六大展示場を目玉として、3か月間に渡り各国の文化を紹介し各国の理解を深めた世界的大イベントが開かれたのである。(展示物展示開始は3か月前から始まる。)

 

 このイベントには同盟国・友好国はもちろん、今まで接触のなかった国や民族にも招待の使者を送り琉球王国・扶南国・越国・室利仏逝王国・挹婁族・夫余族・羯族・匈奴族・烏桓族・氐族・羌族・新羅国・百済国・伽耶国・アボリ国・パーンディヤ朝・サータヴァーハナ朝・サカ民族・クシャーナ朝・パルティア王国・印スキタイ王国・大夏国・イロコイ連邦・マスコギー国・ワバナキ連邦・偉大なるスーの国・オルメカ王国・テオティワカン王国・マヤ王国・サポテカ王国・モチェ王国・ナスカ王国・インカ帝国・メロエ王国・アクスム王国・丁零族・堅昆族・烏孫国・大宛国・康居国・奄蔡国・悦般国・疏勒国・ホータン王国・姑墨国・亀茲国・楼蘭国・莎車国・車師国・精絶国・尉犁国・危須国の52にも及ぶ大中小様々な国や氏族が参加したのである。

 むしろ、参加していなかったのは敵対国のローマ帝国と情勢不安で断られた漢王朝くらいのものであった。

 

 この時期ににおいて徳川日本国の存在は聞き伝手であろうと存在を知らない国はいないくらいの大国であった。

 そのような国からの招待は小国小氏族にとっては絶対尊守の命令であったし、そうでない者達にとっても興味深い催しであった。しかも、移動の費用と海上の送り迎えは日本持ちで、参加資格は自国自民族の民族衣装や宗教儀式舞踊の紹介、自国自民族の紹介文の持参であった。

 家茂の意向含み表向きは文化の祭典であったが、少しでも聡い者ならすぐにでも気が付いたであろう。徳川日本国が用意した世界中の国々の見栄の張り合いの側面を・・・

 

 かくして、53(徳川日本含む)の大小様々な国や民族による文化の祭典、徳川日本国簿留根緒国際万国博覧会は開催されるのであった。

 

 

 

 漢王朝の参加が見送られた一方で徳川日本国は華北袁家・北海国・汝南袁家へも国賓待遇の招待状を送るのであった。ちなみに、漢王朝への招待枠の中に相国董卓の名前があったが、予定が付かないことを理由に賓客としての招待も断っていた。実は徳川日本国の董卓への評価も決して低いものではなかったのだ。

 

 

 招待状を受け取った華北袁家の袁紹ではあったが、反董卓連合結成のための情報操作の真っ最中であり、なくなく袁紹は自身の参加をあきらめ自身の代理として文醜を出席させた。

 ちなみに田豊は情報操作の謀略の中心人物、顔良も武官のわりに政務ができるため時期的に手元に置いておきたい。しかし、最友好勢力である徳川日本国の招待であるため欠席したくなかったし、どんなものが催されるのか袁紹自身ものすごく興味があったため時期的に暇な文醜が消去法で選ばれたのだ。

 

 また、この招待客の基準は幕府役人達による選定が行われており、王や王族や部族長自身や子息親族、重臣に送られていた。

 国の招待客以外にも企業枠が存在し、異国の商人や大富豪等が招待された。ちなみに亀山財閥の枠に孔融がいる。

 

 

 

 汝南袁家では、顧問団団長大久保利通を通じて招待の旨が、袁術と張勲に伝えられていた。

 

「そういう訳ですので、汝南袁家の皆さんがたもお越しいただきたく思うのですが?」

 

「うむ!妾は行ってみたいぞよ!!新之助にも会えるやもしれぬのでな!」

 大久保の問いに袁術は上機嫌で答える。

 そんな、袁術に張勲がんーと頬に指を当てながら口に出す。

「でも、孫策さんを置いて出かけるのは少々、いえ・・・かなり危険ですね。」

 そう言って、左右を固める家臣団の一角にいる孫策らを見る。

「あら、別にあたしたちはあなた達がどこに行こうとかまわないんだけど?」

「えー、でも、私たちがいない隙に汝南や寿春が取られて・・・私たちの帰る家がありませんでした~・・・・なんて、笑えませんよね?」

 それを聞いた孫策の横にいた周瑜が眼鏡を動かしながら反論する。

「どうでしょう?仮にそう言うことを考えていたとしても、今の汝南袁家には優秀な番犬がいるではないか。」

 そう言って周瑜は大久保の方を見る。間に立たされた大久保はまた始まったかと言わんばかりに孫策達を嫌そうに見返す。

「でもぉ~、番犬じゃ虎には勝てませんよね?」

 孫策達と張勲の舌戦が続く。

「のぅ・・・七乃?妾、新之助の奴にも会いたいのじゃ。・・・それに、徳川殿の大きな祭りにも興味があるのじゃよ?妾、簿留根緒限定販売の蓄音機と言う絡繰も欲しいのじゃ・・・」

 そんな会話に袁術は、もしかしたらいけないかもと言う可能性を察して、かなり弱弱しく張勲に話かけた。そんな、袁術に対して張勲は袁術に抱きつき。

「あぁ~ん!!思い人に会えなくなりそうになって沈み込むお嬢様!!儚かわいいです!!もう~行けるに決まってるじゃないですか?孫策さんだって、私たちが行くときに、身内の方を連れてってしまえばいいんですよー。孫権さんとか?それに、もし何かあっても、きっと大久保さんが何とかしてくれますよ。あと紀霊さんとかが。」

「え!?おれ!?」「わたしはついででありますか!?」

 大久保の素が出ている動揺と、紀霊の突っ込みが入る。

 これが汝南袁家の通常営業だ。

 すでに、孫策達は早く終わらないかな と言う顔をしている。

「行けるのじゃな!?ほんとじゃな!?やったのじゃあ!!七乃、ありがとうなのじゃ!!」

「素直なお嬢様もたまりません!!」

 そんな、ドタバタが繰り広げられた後、一人取り残された大久保はスーツの胸ポケットの中に入ったパイプを取り出して一服し一言。

「・・・・・・・・・・・疲れる。」

 

 

 まあ、とにかく以上の人物が国際万国博覧会の招待客となったのだ。

 

 

 あと、もう一人。

 孫策達に与えられている部屋で孫策は孫権と話し合っていた。

「と、言う訳で蓮華には3か月ぐらい行って来て欲しいって訳よ。」

「っは!?何言ってるの!?姉さん!?なにを勝手な!?」

「そうです。いくらなんでも無茶です。」

 

 孫策の言葉に異を唱える孫権と甘寧。

「黙りなさい思春。」

「ッ・・・・失礼しました。」

 孫策は速攻で甘寧を黙らせる。

「それに、私だって何も考えないで言っている訳じゃないのよ。でも、面倒くさいから冥琳、あとおねがぁ~い。」

 と言って周瑜に丸投げする。

「はぁ・・・雪蓮・・・あんまりふざけるのもやめて欲しいものだな。まあ、いいだろう・・・蓮華様。この招待は好機でもあるのです。限られた人間しか知らない徳川日本国の姿をその目で見る絶好の機会なのです。莫大な財を背景に、この漢に大きな影響力を持つ異国を知る機会とも言えます。ですが、私や雪蓮はここから離れられない。小蓮ではまだ若すぎる。蓮華様、貴女なら何かを学んで来れるはずだ。それに、もしかしたら徳川日本国の弱点を知ることができるかも知れない。」

「・・・・・・わかったわ。この目で徳川日本国を見てくるわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 袁術と孫権、この二人の人生は波乱万丈の人生だったと言える。

 そして、そんな二人にとって、それぞれに忘れられない思い出を残すことになるのだ。

 


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