仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。 作:3番目
この日、黒書院と呼ばれる部屋でペリー来航によって日本が開国するか鎖国を継続するかを決める重大な会議が開かれていた。
将軍・徳川家茂
水戸藩主・徳川慶篤、越前藩主・松平慶永、尾張藩主・徳川慶勝、一橋藩主・一橋慶喜
彦根藩主・井伊直弼、会津藩主・松平容保、高松藩主・松平頼胤、桑名藩主・松平定敬
戸田忠温、牧野忠雅、阿部正弘、青山忠良、松平乗全、松平忠固、久世広周ら老中達が集まって話し合いをしていた。
突如、徳川家茂・松平容保・松平定敬の3人が頭を抱えて苦しみだす。
「ぐああああああああああ‼‼‼」
「ぎゃあああああああ‼‼‼‼い、痛い!?」
「あ、頭が、頭が割れる!?!?!?」
隣の藩主にぶつかろうが止まらない。尋常ではない苦しみ方に恐れおののく諸侯。
三人はのたうち回り血を吐き嘔吐し、白目を剥いて倒れる。
「誰ぞ!!典医を!?奥医師でもよい!!医者を呼べ!!」
「家茂様!!家茂様しっかりせい!!」
医者が入ってきて三人を横にして診察し始める。
三人以外にももらいゲロをした者もおり大惨事であった。
この事件は毒物こそ発見できなかったが、徳川将軍と2人の藩主が一時危篤状態となり少なくない数の藩主達が体調不良を起こす幕府重鎮の大規模暗殺未遂事件としてのちの世にかたられるのであった。
3人は江戸城の空き室にて介抱されていた。
江戸城にて醜態をさらした3人は何とも言えぬ連帯感から夢の話をした。
3人の見た謎の夢はほぼ同じ内容で、おそらくはこの先の未来の話。
うち二人はかなり酷な未来を、家茂も暗殺という未来を…
「あー、蝦夷なんて行きたくねー。」
「おれ、家臣に捨てられるのか・・・、桑名もどれないのかよ・・・」
「暗殺…ころされる…嫌だ…死にたくない。」
以後、現代人の記憶の混じった3人は口調に現代人の口調が混ざり、周囲への対処に困るのだが、それは別の話。
「「「はぁ」」」
はじめのうちは3人で情報をすり合わせお互いの頭の中の知識と記憶が間違いないことを確認しあった。
「でだ、この頭の中にある知識と記憶だが…」
「ああ、誰か別の人間の記憶だな…。未来の知識というのか」
「うむ、なんというか・・・信じがたい・・・が、これが嘘偽りでないことは確信できる。」
あまりにも荒唐無稽であったが平成の世につい先ほどまで暮らしていたという記憶は偽りではないと思いたいし、頭の中にある知識は妄言ではないと直感が告げていた。
この日は各々の江戸屋敷に戻ったが、その後国元に戻ってからも3人は連絡を取り続けた。
この未来知識を使い、自分たちのための未来を創るために・・・