仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。 作:3番目
日ノ本の転移に巻き込まれた国家がある。琉球王国、後に沖縄県と呼ばれ日本に組み込まれる小国であるが、この時代は辛うじて独立国であった。
幕末当時の琉球は清と日本の保護国としてどっちつかずの国であった。
桜田門の事件によって薩摩藩から幕府への直接交渉と切り替わった直後の転移によって清は消滅、必然的に日本に牛耳られるようになる。
しかし、いくら小国でも技術力だけならこの世界での二番手である、下手に独自行動をとられて足を引っ張られたくない。そして、この国は昔から大陸の歴代王朝への粘着がひどい。
国力の差は日本が上のはずだが、血迷って大陸王朝につく可能性や情報を流す可能性も大きい。
ゆえに家茂は小笠原長行率いる外交団を送り期限付きで大陸につくのか日本につくのかを決めるように強制した。
この時の長行は琉球に対してかなり高圧的な態度をとったと言われ、期日前日まで何の行動も起こさない琉球に対して
「今までのように宴でお茶を濁せるとは思わないでいただきたい。国が丸ごと別の世界に行ってしまったのです。このような非常時に日和らないでもらいたい、我が国とて敵か味方かわからないような国を横に置いておく余裕はありませんぞ。」
暗にでもないが「期日過ぎたらお前敵だからな!」と言っていたようなもので、琉球は今までのようにかわし切れないと悟り、琉球王国は日本の傘下の同盟国となったのだ。
そして、まず家茂は琉球に台湾島の領有を認め統治を命じた。当時の台湾は中小様々な部族が集まりほぼ独立状態にあった台湾の統治と言う仕事を押し付けたのだ。台湾はかつて琉球の正式な領地であったが部族の独立で手放した経緯があり正当な領有者としての建前もあり、家茂にノーとは言えなかったのだ。また、小琉球と言う異名もあり琉球内でも台湾再統治を願う声もある。
しかし琉球王国はつい最近まで軍事は薩摩藩に頼り切り、薩摩藩が撤収してからも幕府の要請である富国化には従ったものの強兵化には従わず。自国の兵力は治安維持程度のものしかなかったのだ。
ゆえに武器集めや徴収兵の訓練から始めなくてはならず。台湾進攻までに3年ほどの時間を費やすことになり、台湾全島の統治完了まで10年以上かかるのであった。
台湾統治に手間取った琉球王国は大陸やその他の地域に進出するのが遅れ植民地利権をあまり得ることなく台湾と僅かな海外領土得ただけで琉球王国の異世界無双は不発に終わった。
唯一の競争相手である琉球を抑えた家茂は次の行動に着手した。
大陸への第一歩として川路聖謨を団長に筒井政憲を副団長にした外交団を漢王朝に派遣したのだ。
今回は漢王朝への外交団出発までの閑話みたいなものなのでいつも以上に短いです。