仮題・・・恋姫世界に幕末日本をぶち込んでみた。 作:3番目
朝廷より幕府へ、陛下より面会を求められた。
家茂は京都の守護的なことをしている松平容保・松平定敬・牧野忠訓の三人を伴い上洛する。
そして、家茂たちは天皇と謁見する
「この国難においてよくぞ来てくれた。」
御所に響いた声は今まで自分の知っていた孝明天皇である壮年の男性ではなかった。
通常、天皇との会話は直答も出来なかったはずだ。だが、女御がこちらに近づく様子はない。
おかしいとは思ったが家茂は意を決して直答する。
家茂と天皇?の会話が続く。
通常通りの口上を述べて、現在の状況を伝える。
そして
一度休憩を挟み、今度は陛下に庭園へ呼ばれた。
自分一人ということは公的な会話ではない。秘密裏にしたい会話か私的なものか・・・
庭園に案内され、大きな池に浮かぶ小舟に誘導される。
小舟には天皇とされる少女が先に待っていた。家茂は小姓を待たせ小舟に乗り、漕ぎ出す。
大池の中央に来てから少女が口を開いた
「二度にわたり時を渡りし者よ」
家茂はその言葉の意味をすぐに理解した。
「あ、あなたは…いえ、陛下・・・」
「あなたの予想は大体あたりです。ですが、あなた方がこの世界に来たのは私がしたわけではありません。ですが、私が超常的存在であることは否定しません。」
「私の記憶が正しければ壱余陛下は初代卑弥呼様の娘で2代目様のはず…」
「はい、その通りです。」
「つまり、タイムスリップということか国ごとの?では本当の孝明天皇は?」
「わかりません。私の存在が彼らの存在に上書きしたので・・・・」
「我々に何かをさせたいとかいうのではないのか?」
「いえ、特には・・・。ですが、忠告のためにお呼びしました。」
「忠告ですか?」
「私は外史の管理者の一人です。外史の管理者とは本来の歴史の流れを外れた世界を管理する存在。そう言った存在の中には歴史の流れの変化を極端に嫌うものもいます。そう言ったものは強硬な手段に訴えることもあります。ですから・・・」
「ですが、陛下がそれを我々に言う理由は?親切心だけではないと思いますが?」
壱与様は少し表情を暗くして答える
「それは、今回の異変は非常に規模が大きく。この島国そのものにまたがるものでした。私は表の姿として倭国の帝です。今回の異変に私も組み込まれてしまいました。つまり、管理者内の過激派の抹殺対象に私もいるのです。」
「つまり、われわれに守ってほしいと・・・」
「はい」
「だが、そのような超常の存在に我々は対抗しうる存在なのでしょうか。」
「ええ、恐らくですが、超越的な彼岸世界への信仰が消滅したこの国は他の管理者たちにとって手が出しづらいものなのです。・・・・たぶん。」
「・・・・えっ?たぶん?たぶんなのか?」
「でも、私たち管理者は、管理する世界が一定以上発達すると手出しをやめます。」
「それが、産業革命期だということか?」
「はい」
家茂は腕を組み考えるしぐさをする
「・・・・わかった、お引き受けします。優秀な武門の藩を京都守護に付けましょう。」
「ありがとうございます。」
後日、京都守護職に紀州藩藩主徳川茂承・禁裏御守衛総督に福井藩藩主松平慶永・京都所司代に小浜藩藩主酒井忠義が就任した。また幕臣松平正康を京都見回役に充てた。
日本の元号が慶応から明治へと変わる。
恋姫の小説にいますが、この壱与様はほぼオリキャラです。