THE COCKPIT 隻眼パイロットのその後   作:放火後ティータイム

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今回はくっだんねぇ設定がでてきます。


第三話 「襲撃」

「調子はどうかね?」

 

加賀が退室してから10分足らずで加賀と提督が土方がいる部屋へ入ってきた。

土方もだいぶ落ち着いたようでおとなしくなっていた。

 

「…………」

 

しかし土方は提督の質問に返事をしない。

 

「ああ紹介が遅れたな。俺は大日本帝国海軍 佐世保鎮守府の最高責任者の大倉中将だ。

ここで提督をしている。」

 

提督は気にせず話を続けた。

 

「しかし君は何処から来たんだい?突然入電が入ったと思えば空から君が落ちてくるんだ。

今時、戦闘機に乗るパイロットなんて殆どいなかったしね。

零戦が落ちてくるって入電にはとても驚いたよ。」

 

「………何を言っている」

 

土方が重たい口を開いた、

 

「何を……とは?」

 

「………パイロットがいない?そんな馬鹿な事があってたまるか!!パイロットは我が大日本帝国になくては

ならない存在だろうが!!」

 

土方は急に声を荒げながら提督に必死に訴える。

っがしかし、提督と加賀は困った顔をしていた。

 

「 ……??? 君こそ何を言っているんだ?航空機や艦艇なんて今じゃ深海棲艦の格好の的だ。

そんなの常識だろう?」

 

「深…海…棲艦?なんだそれは!?米軍の新兵器か!?」

 

「何故そこで米軍が出てくる。深海棲艦は全世界共通の敵だろう?」

 

暫くはお互いの言い合いが続いた。

お互いの話が全く噛み合わないからである。

延々といたちごっこを続けた、キリがないと判断した提督は「まあいい」と区切りをつけた。

 

「とりあえず君の出身を聞こう。」

 

「……第七ニ一航空隊所属土方〇〇少尉だ。」

 

「では聞こう。第七ニ一航空隊とはどんな部隊なのかね?」

 

「……桜花の訓練、実験部隊及び桜花護衛を任務とする戦闘機部隊」

 

「桜花……とは?」

 

土方は上の人間なら誰でも知っているであろう桜花の存在を知らない目の前の提督に呆れた。

 

「部隊名はともかく何故桜花を知らない?殆どのものが知っているはずだ。」

 

「いや、俺は俺は知らない。初耳だ。」

 

何を言っているんだ と愚痴を心の中でこぼしつつ取り敢えず説明する。

 

「1.2tの爆弾を機首に取り付け母機の一式陸攻から切り離し、ロケットの推進力を得て

操縦者もろとも突っ込む。」

 

「「!?」」

 

この発言にはこれまで一切表情を変えることがなかった加賀も提督と一緒に驚いた。

 

「それは……一体誰に向かって撃つ…?」

 

「米軍に向けてだ!!」

 

「米軍に……だと……!?」

 

提督は深海棲艦ではなく米軍に向かってというのに反応した。

 

「俺はそのパイロットを護衛する戦闘機乗り、米軍機に突っ込んで米兵のすっとんきょうな面を

拝んで死んだと思えば、目覚めたらここにいる。

まあいい、次はお前らの番だ。」

 

提督は一切偽りなく話した。

まとめるとこうだ

 

・1941年12月に深海棲艦が出現 現在1980年まで戦闘状態が続く。

 

・防衛力強化の為に、一時離脱した国際連盟へ技術提供を条件に再度加盟

 

・急ピッチで艦艇や航空機の製造を行うも艦娘登場までにおよそ9割近くが壊滅

 

・1944年頃、艦艇の記憶を持った少女 艦娘が登場。艦娘によって制海権の一部を奪還

 

つまり真珠湾攻撃直前以降の歴史が土方の知っている歴史と違っている。

おまけに自分は死んだ35年先の未来へ来てしまっている。

土方にとっては信じがたい話ではあるがこれが事実の場合、相手が桜花を

知らなかったことや、パイロットが少なかった事が理解できる。

 

その時サイレンが鳴り響いた。

 

「何事だ!!」

 

すると不知火がドアを開けた。

 

「哨戒中の彩雲より入電!!『我、鎮守府ノ50キロニテ敵艦隊ヲ発見ス!!』以上です!!」

 

「回線回せ!!」

 

『緊急連絡!!鎮守府の50キロ沖に敵艦隊を発見した!!直ちに出撃可能な者は臨時の艦隊を組織し

急ぎ迎撃せよ!!繰り返す!!鎮守府の……』

 

その時爆発音が響いた。

1回2回3回……次第に数を増やしていく爆発音は爆撃を受けたことを意味していた。

 

土方は急いで窓を見た。

そこには戦闘機とは遠くかけ離れた真っ黒ななにかが飛んでいた。

 

「あれが……深海棲艦………!」

 

 

 

 




土方の性格がだいぶひねくれた気がしますが、気にしないで頂けたら嬉しいです。

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