THE COCKPIT 隻眼パイロットのその後   作:放火後ティータイム

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長らくお待たせして申し訳ありません
ようやく第九話投稿です。
リアルの都合ようかなり短く駄文となりましたが
楽しんでいってください(ただし確実に楽しめるとは言ってない)



第九話 「食事事情」後編

地獄の扉をくぐった先には既に人で溢れていた。

飯を注文するため10人ほど並んでいる行列の最後に並ぶ。

運がいいことに土方の前には夕張がいた。

 

「あ!土方さん!今から昼食ですか?一緒にどうです?」

 

「構いませんよ。」

 

ほとんど顔を知らない人達のなかで孤独飯を食うより親しい人と

一緒に飯を食ったほうが緊張も和らぐだろうという事から土方は即決した。

 

「夕張さんは今日の昼食は何を食べるつもりだったんですか?」

 

「今日?今日はカレーを食べようと思ってたけど…」

 

「カレーですか…いいですね。俺もそれにしよう。」

 

土方は周りに合わせることでその場をやり過ごすことにした。

土方にとってカレーがどんな料理か知ったこっちゃないが

メニュー表の前でうろちょろするよりはましだった。

 

 

 

「おまちどうさま。カレーライスです」

 

割烹着を着た女性から手渡されたのは平たい皿にドンと盛られた白米に

ドロリとした汁のようななにかがかかった何かだった。

いや…普通の人から見ればカレーなのだが土方にとってそれは

自分の知っている料理の常識を覆すのには十分すぎた。

 

「土方さんほら早く食べましょうよ!」

 

「え…ええ」

 

夕張に言われるがまま空いてた席に座るり改めて目の前の「それ」を観察する

見れば見るほど食べ物かどうかすらも気になるほど不安になる。

しかし同時に漂う強烈な香りは腹の虫を泣かせ、土方の好奇心をくすぐった。

 

不安感も好奇心には勝てず、隣で美味しそうに食べる夕張を見ながら

見よう見まねでスプーンを構え口に運んだ。

 

(……旨い!!)

 

初めて感じる辛味という味覚。

ルーに溶け込んだ旨味は土方の頭に強烈なインパクトを植え付けた。

 

「でしょ!やっぱり間宮さんの作るカレーは絶品よね~」

 

まるで心を読まれたかのように夕張が土方に話かけてきた。

声が口に出ていると気付いた土方は頬を赤めながらしながら食べ進めた。

 

 

 

「ご馳走さまでした」

 

米一つ残さず食べた土方は食器を返却した後、水を片手に夕張と雑談をしていた

冷えた水すらあまり飲まない土方は最初から最後まで驚きっぱなしだった。

 

「ご一緒によろしいでしょうか」

 

声のする方をみると声の主がいた

腰まで伸びた綺麗な黒髪

あえて着崩しているのか着ている着物が片方だけ崩れており

さらしのような物を胸に巻き付けた女性だった。

 

「あ…!祥鳳さん!どうぞどうぞ!」

 

「あら…あなたは…」

 

「あ…はい…前日基地航空隊配属となりました土方です。

 よろしくお願いします。」

 

土方の前に現れたのは祥鳳型航空母艦一番艦の祥鳳だった。

 

 

 

 

 

 




感想にあった嫁艦候補からまず祥鳳さんを登場させました。
これからもどんどん出していきますのでよろしくお願いいたします。

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