ボッチな美少女は孤高のボッチを見て育つ   作:Iタク

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本編です。
当分はオリキャラ視点でいきますので



悪戦苦闘する日常~Girl's side~
彼女はただ困惑し、現状を見つめ直す


 今私は、恐らく学校の廊下であろう場所に立っていた。

 

 生徒が学校にいることは何も不自然な事じゃない。

 

 では何故こんな当たり前のことを再確認したかというと、ここに至るまでの記憶が全くないのだ。

 

 正確に言うと、恐らく日常生活には何も問題ないのだが、自分のことがまるで分からない。わかったことと言えば、自分が制服を来ているということだ。少なくとも中学生または高校生であることはすぐに分かった。無論思い出せないのだが…

 

 ──記憶喪失

 

 私が真っ先に浮かんだ可能性がそれだった。

 しかし私は運動系の部活に入っていないし、何なら部活そのものに所属していない……はずなんだけど…。では、事故もしくは誰かからの暴行か何かで頭を強く打ったのかな。ふと、すぐ横にある窓に微かに反射して見える自分の姿を見た。そこに映る自分の姿を見て…

 

 …すごく綺麗!あ、これ私なのか。

 

 あー、これは女子からの嫉妬かなにかで殴られた可能性が高いよいや絶対そうだ、こんな美少女が傍にいたらそりゃ劣等感生まれますよホントに。………ごめんなさい調子に乗りました。

 ともかく、自分の姿は確認できたが、名前その他もろもろがわからない。不思議と冷静にいたが、割と深刻な記憶喪失のようだ。身の回りに何かないか、と探していると、胸(恐らくサイズDはあった)ポケットに学生証と紙切れが入っていた。

 

 総武高校2年J組 橙山冬華《とうやま とうか》

 

 良かった、と自然と口に出てしまった。しかしとりあえずこれで自分が誰なのか理解出来た。早速自分の教室に戻りもっと情報が欲しい…!今ここにいるということは休み時間か、移動教室なのか、ともかく2年J組の教室に……

 

「おや、こんなところにいたのかね?転校初日に迷子とは、昨日学校見学はしたはずだろう?」

「ひゃっ!?」

 

 え、なに?!誰?!

 

「おっとすまない、驚かせるつもりはなかったのだが、君がなかなか教室に来ないと、担任の先生に捜索を頼まれてな。」

 

 びっ、びっくりしたぁ~…心臓出るかと思ったよぉ…

 ………転校?

 

「…あっ、あの……えっと、転校って…もしかしなくても私が…ですよね?」

「君以外にいないだろ?何かね、今のは軽いジョークだったのかな?」

 

 先生、であろうこの女性は少し笑みを見せたあと、私に背を向け再び話しかけた

 

「では案内するぞ。こんな時期の転校だ、あまり慣れない気持ちもわかるが、少なくとも自分の教室くらいは覚えて帰りたまえ。」

「すっ、すいません……善処します…」

 

 怪我の功名とはまさにこの事ですね! 驚いたときに学生証と一緒に入ってた紙切れがどっかいっちゃったけど……よし、自然に教室に行ける!まさか私が転校生だったなんて、これならここに詳しくなくても転校生だからって言い訳が使える。少し不安だけど、ここの先生は良い人そうだし問題ない…と思う。

 どうでもいいけど「善処します」って便利な言葉だよね。ホントにどうでもいいけど

 にしても、話しかけられて第一声目が『ひゃっ!?』って流石に酷いだろ、と思っている人たち。仕方ないじゃんボッチなんだから!そういうのに慣れてないんですよ!

 

  …私ってボッチなの……?

 

 

 

 

 

 

 *******

 

「えー、本日よりこのクラスに入ることになった…」

 

 先生が続きは自分で言え、と目で語ってくる。

 

「えっと………とっ、橙山冬華?です。宜しくお願いします…」

 

 …………

 

 …………

 

 ……視線が痛い…なんという無反応。ちょっとくらいヒソヒソ話したりしないの?真面目すぎなのでは?

 あ、男子はちょっとニヤニヤしてる。そしてそれを周りの女子が冷たい目で黙らせる。

 やめて!私の為に争わないでっ!

 …ごめんなさい言いたかっただけです。

 

 あっという間に午前中の授業が終わり、私は昼休みの間に知り得た自分の情報を頭の中でまとめてみた。

 まずここの学校は共学であること。

 このクラスだけ見ると女子高かと思ったが、数名男子もいて、ここに来る途中他のクラスを覗いたが、普通に男子生徒もいたことから、ここは特殊な学科のクラス・または周りより偏差値の高い生徒が集まるクラスと予想される。

 次に、ここに私の情報が全くないこと。

 カバンやら机やら色々探したが、分かったのは先ほど確認した名前だけだった。

 …いや、強いていうなら、恐らく私は前の学校でもボッチだったのだろう、という確信である。

 休み時間、私に話しかけに来た人は何人もいたが、正直苦痛でさえあった。多分顔に出ていたと思う。放っておいてほしい、関わらないで欲しい、そんな感情ばかりが生まれてくる。そしてそのことに、若干の懐かしさを感じたのだ。

 まあ、休み時間にあれだけ失礼な態度をとってたんだ。もう話しかける人なんていない……

 

 

 

 

 ………そう思っていたこともありましたよ。

  気づくと目の前に、私以じ…………同じくらい綺麗な美少女が立っていた。

 さて、何をしてくるのか……

 

 1 友達になってあげる的な言ってくる

 

 2 外見が少しいいだけで調子に乗るな的なことを言ってくる

 

 3 親切心から校舎案内をしてあげる的なことを言ってくる

 

 4 実は百合ゆりなので、可愛い私に告白してくる。

 

 シンキングタイムスタート!

 ん~、2と3はないかなぁ…

 外見に関しては自分で「私、可愛いから」とか言ってそうなんだよねこの人。ごめんなさい偏見も過ぎました

 かと言ってわざわざ校舎案内を自分から進んでやるかなぁ……

 そう考えるとやっぱり1番かな。この状況ならこれが普通だよね。誰だよ4の可能性考えたやつ絶対に可愛いだろ。

 

 ……と、言うわけで1番!

 

「橙山冬華さん、だったわね。急で悪いのだけれど、付き合ってもらえないかしら。」

 

 ………おっふぅ…

 

まさかの同性から告白された瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文章書くのってホントに難しい……

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