SHIROBAKO…………いいですね!!
それでは今回もよろしくお願いします。
「すいませーん!!」
後ろから甲高い声が響く。
振り返ると、さっきの子が割とガチで走ってきていた。
何故かはわからないが、どくんと胸が高鳴るのを感じた。息を切らしながら走ってくる少女を、素直に可愛いと思った。
「お、お釣りを間違えまして…………」
「あ、ああ…………」
さっぱり気づかなかった。
というか今この時点でもあまり気になっていない。
「失礼しました…………」
「…………」
頭を下げ、お釣りを渡してくる彼女の手と再び触れ合う。今度はさっきより長い気がした。
「あ、ありがとうございましゅ…………」
…………噛んだ。
案の定、店員さんはぽかんとしていた。
「…………」
「…………」
止めて!見つめないで!恥ずかしさで死んじゃう!
気まずい沈黙の数秒間の間に、小町が何やら俺と店員さんを見比べ、何か閃いた顔をする。漫画みたいに電球が見えちゃった。
「ありがとうございます~♪うちの兄がぼ~っとしてまして♪」
「あ、いえ…………私が間違えたので…………」
小町が何か言えと目で合図を送ってくる。
「いや、その、俺もぼーっとしてたし」
「そんな…………」
「それにしても、店員さん若いですね~!学生さんですか?」
「はい中学3年です」
「わぁ~、小町と一緒だ♪でも中学生って事は…………」
「はい、家業の手伝いです」
「へえ~、凄いなぁ。あ、私、比企谷小町。よろしくね。あなたの名前は?」
「え、私?高坂雪穂です」
我が妹ながらすげぇ。さりげないコミュニケーションから、あっという間に名前まで聞き出しやがった。俺の妹とは思えない!結婚したい!
「こっちが兄の…………」
感心していると、今度はお前も自己紹介しろ、とばかりに睨んでくる。
「…………比企谷八幡だ」
「比企谷小町ちゃん、と八幡さんですね。よろしくお願いします」
「あら、雪穂?どうかしたの?」
通りの向こうから、きれいなお姉さんがやってきた。高坂の姉だろうか。
「あ、お母さん」
マジか。本当に姉みたいな母親っているんだ。さすが秋葉原。日本のユートピア。
高坂が事情を話す。
「そう。ごめんなさいね」
「あ、いえ。こっちもぼーっとしてたので」
「ありがとう。雪穂、今日はもういいわよ。あとは穂乃果にやらせるから」
「お姉ちゃん、まだ寝てるよ」
「…………ほんっと、あの子は!」
高坂のお母さんは肩を怒らせながら、穂むらへと帰っていく。
「ねぇねぇ、雪穂ちゃん!」
「ど、どうしたの?」
「ヒマならちょっと付き合わない!?」
「おい、小町。さすがにめいわ「いいですよ」…………いいのか?」
「ええ、今日ヒマですし」
高坂はあっさりした口調で言う。表情も少しばかり微笑んでいた。
まじか。まじなのか。
いや、別に何かあるとか期待していないよ。ハチマン、ウソ、ツカナイ。
何で私、初対面の人と意気投合(?)してるんだろう。
でも…………何か気になる、のかな?
読んでくれた方々、ありがとうございます!