捻くれた少年としっかり者の少女   作:ローリング・ビートル

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  い、いきなり沖田沙羽でSS書いたりなんてしませんよ(笑)!

  それでは今回もよろしくお願いします!


独り言

 

 あの後、小町ちゃん達は急用ができた為、ファミレスの前で別れた。私は食事を御馳走になったお礼をいうので、精一杯だった。

 そして、お姉ちゃんも一足先にお家へ帰ったので、今は亜里沙と二人きりだ。

 さっきから携帯の画面を見ながらニッコリと可愛く微笑んでいる。もしかしたら、今まさにメールのやり取りでもしているのだろうか。

「亜里沙」

「な~に?」

 声をかけたものの、明確な話題があるわけじゃない。

 どうしたものかと黙っていると、亜里沙から話を振ってきた。

「雪穂。あのね…………今日はいきなりごめんね?」

「え?何が?」

 突然謝られてしどろもどろになってしまう。すれ違った女の人に見られたのが少し恥ずかしい。

「その…………比企谷さんに…………」

「あ、ああ、気にしなくていいよ!」

「ひ、ひ、一目惚れなのかな…………」

 まじか。

 そんな気はしていたけれど、いざ本人の口から聞いてみると、やっぱ違うなぁ。

「雪穂は…………違うんだよね?」

「何が?」

「…………好きじゃないの?」

「もー、違うって言ってるじゃん」

 頬を膨らまし、しっかりと抗議する。

「でも…………雪穂も連絡先交換してたから」

「あれ?あれは…………そう!たまたま趣味が合って!お兄さん、読書が好きなんだよ!」

「そうなんだ!」

「あ、あと…………猫飼ってるんだよ!カマクラちゃんっていう可愛い子!」

「猫…………私、猫大好き!」

「ほら、小町ちゃんから送ってもらった写真!」

「ハラショー♪」

 ふう、何とか話を逸らした。

 いや、夢の中では…………。

 違う違う!今、そんな事考えちゃダメ!!

「雪穂、どうしたの?頭を振って?」

「何でもない、何でもないよ!」

「それより雪穂、来週比企谷さんの家の猫見に行こうよ!」

「え、ええ!?そんないきなり!」

「猫可愛いよ?」

「可愛いけどさ…………」

「それに…………」

「?」

「初めて…………だから」

 顔を赤らめ、伏し目がちになる亜里沙は文句なしに可愛い。でも、何だろう…………このモヤモヤは。

「応援…………してくれる?」

「え?」

 亜里沙の懇願するような目には、不安と戸惑いが見てとれる。初めての恋に怯えているのかもしれない。

 私の返事は決まっていた。

「もちろんじゃん!任せて!」

「ありがと~♪」

 がばっと抱きつかれる。

「く、苦しいよ…………」

 きっとこの暑い時期に亜里沙が抱きついているからなんだろう。

 この胸に何か詰まって引っかかる感覚がするのは…………。

 

 その日の夜。

 読書の世界に没頭していると、電話の呼び出し音が静寂を切り裂いた。

「誰?…………え?」

 お、お兄さん?

 






  読んでくれた方々、ありがとうございます!

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