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それでは今回もよろしくお願いします。
その場で解散かと思ったが、小町が誘った事により、4人で昼飯を食う事になった。そして、再び雑多な街中へ飛び込む。
「やっぱりパンだよ!」
高坂姉が薄い胸を張る。…………ここは由比ヶ浜の圧倒的勝利である。
「もー、お姉ちゃん。落ち着いてってば」
高坂がはしゃぐ姉を見ながら溜息をつく。別に変な意味などこれっぽっちもないが、高坂は潜在能力が高いはず。もう一度言うが、別に変な意味はない。
「まあまあ、うちも今朝和食だったから、洋食がいいかなぁ~♪」
「…………」
女子3人に男子1人。俺に決定権など皆無である。まあ、特に何を食べたいとかの希望はないから何でもいいけど。
「お兄さんはどこに行きたいですか?」
いつの間にか隣りにいた高坂がこちらを見上げてくる。あら、優しい。ていうか上目遣いは緊張するからやめてね。俺の身長は平均ぐらいだが、高坂が割と小柄なので、近くにくればこうなるのは仕方ないかもしれんが。
「高坂の行きたいところでいいんじゃないか?」
「わーい!」
「お姉ちゃんは高坂姉でしょ?」
「むー、雪穂が高坂だから、なんかオマケみたい」
頬を膨らます高坂姉をスルーして、話を進める。
「ま、どこでもいいのは本当だ。それにこの辺りの事は全然知らんし」
「じゃあ、その辺りのファミレスに…………」
「雪穂?」
高坂に声がかかる。
「あ、亜里沙!」
「亜里沙ちゃんだ!」
薄めの金髪の美少女がほんわかオーラを放ちながら、こちらへ駆け寄ってくる。て、天使だ。天使がおる。
「亜里沙、どうしたの?」
「お買い物だよ!たまには一人もいいかなって。お姉ちゃんに心配されたけど」
「絵里ちゃん、心配性だからね」
ハーフか、クォーターか。金髪碧眼なんてラノベでしか見た事ない。どこの血だろうか。
「…………」
亜里沙と呼ばれた、高坂より小柄な少女はこちらをぽ~っと見ている。日本語は普通に話せるようだが、何だか緊張してしまう。あ、三浦にひびっちゃうのも金髪だからか!
「小町ちゃん、お兄さん、紹介しますね。同級生の絢瀬亜里沙です。お姉さんはμ'sのメンバーの絢瀬絵里さんなんですよ」
「…………よろしくお願いします!」
どこかぽ~っとしながら頭を下げる。熱でもあるのだろうか。
「お兄ちゃん。恐がらせちゃダメでしょ」
「何でだよ。何もしてねーよ」
濡れ衣もいいところだ。ただ女子しかいないので、証拠能力を認められてしまうだろう。
金髪美少女は、こちらを見上げながら、ぽそぽそ呟いた。
「ハラ…………ショー…………」
ハラショー?ロシア語だよな。
「ほほう…………」
「亜里沙?どうしたの?」
「比企谷君、ダメだよ!怖がらせちゃ!」
「…………」
駄目だ。俺の対人スキルでは女子4人を相手になどできん。
もう、夏と言ってもいいくらいの暑さと、普段味わう事のない賑やかさに、頭がオーバーヒートしそうになっていた。
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