「今日はオモリ役の黒ウサギは一緒じゃないんですか?」
後ろを振り返るとそこには、似合わないスーツを着た変な男がいた。どうしてだろうか?こいつを見ているとイライラしてくる。ジンの知り合いらしい。
「僕らのコミュニティは"ノーネーム"です。"フォレス・ガロ"のガルド=ガスバー」
「黙れ、この名無しめ。コミュニティの誇りである名と旗を奪われた分際で女々しくも新しい人材を呼び寄せたらしいじゃないか」
そして、そいつは俺達座っていたテーブルに勢い良く座った。
それにしても、コミュニティの誇りである名と旗?それはどういうことだ?すると飛鳥が少しイラッとしながら
「失礼だけど貴方はどなたなのかしら?初対面の人には氏名を名乗ったのちに一言添えるのが礼儀じゃなくて」
それを聞いたタキシードの男は名を名乗った。
「おっと失礼。私は箱庭上層部に陣取るコミュニティ"六百六十六の獣"傘下である「烏合の衆」のコミュニティって待てやゴラァ‼︎誰が烏合の衆だ小僧ォォ」
ジンはこの男の事がよほど嫌いらしい。それにしてもどうしてだろうか?こいつと会ったのは初めてのはず、なのにどうしてかこいつを見るとイライラする。
ジンや、飛鳥達がこいつと話しているらしいが俺は謎のイライラと頭痛に襲われてそれどころではなかった。頭の中で子供達の泣き叫ぶ声が響いている。それがとても辛い。なんだ、なんだ、なんだ‼︎この泣き叫ぶ声は、知らない
「ちょっと、直樹君大丈夫?」
知らない、知らない、知らない、知らない、知らない知r..
「えいッ」
「ぐは、痛ってー。突然何するんだ飛鳥」
いきなり飛鳥に叩かれた事に文句を言ったが内心では助かった。あのままでは俺はどうにかなってしまいそうだ。
「あら、人の話を聞いてない貴方が悪いのよ。で、貴方はどうするの?」
「どうするの?って何が?」
ヤバい、イライラと頭痛で何も聞いてなかった。
「貴方何も聞いてなかったようね。いい、ジンくん達のコミュニティは崖っぷちでその起死回生の策で私達が呼ばれたの。そんなコミュニティに入るなら俺のコミュニティに入れってガルドが言ってるの」
なるほど、こんな話になっていたのか。ならどうするか、考えるまでもない。俺は...
「俺は、ジンのコミュニティに入る」
「ど、どうしてですかな理由を聞いても?」
虎の確か名前はガルド?が聞いてくる。こいつの声を聴くだけでもイライラしてくるが今はおいていこう。
「この感じだと、飛鳥や耀はジンのコミュニティに入るといったと思う」
「ええ、そうよ。私達はジン君のコミュニティに入ると言ったわ」
やはりか。なんとなくそんな気がしたんだ。
「飛鳥達が入るなら俺も入りたいと思う。それにだ」
「それに?」
こいつと話していると、子供達の泣き叫ぶ声が響いている。そして一瞬だけ聞こえたんだ。
「子供を殺すような外道のコミュニティに入る訳無いだろ」
こいつが、子供を殺すよう命じたのが。これが何かの間違いだとすぐに否定するはずだ、その時は謝ればいい。だかもし違ったら...
「なッ⁉︎ど、どうして知ってやがる⁉︎」
こいつは認めた、子供を殺したのを。『認めたな、吾の前でッ』⁉︎なんだこの思考は、俺の思考ではない。では誰の考えだ。ふとクラスカードを見たらアーチャーのカードが光っていた。どういう事だ。考えようとしたら、俺の意識が誰かの意識に取り込まれた。
「吾の前で子供をころしたのを認めたなッ‼︎許さんぞ汝‼︎獣らしくここで吾が狩ってやろう」
「どうしたの?三神君落ち着いて」
「落ち着く?そんな事で出来るわけ無かろう。邪魔をするならば汝らも殺す」
ヤバい、これはヤバい、このままでは。どうする、どうすれば良い?
「仕方ないわ、コレは使いたくなかったけど」
飛鳥が何かををしようとしている。
「三神君、正気に戻りなさい」
その声を聞いた瞬間、身体の主導権が誰から奪えた
「ふぅ〜、ありがとう飛鳥。助かったよ」
「あら、いいのよ。それにしても大丈夫?まるで別人のようだったけど」
確かにあれは俺ではない。今も心の中で『何故邪魔をする』とあいつの声が聞こえる。大丈夫だ。あいつを生かすつもりは無いと心の中でそいつに語りかけると嘘の様にそいつの思考が消えていった。
「おい、ガルド」
「な、なんだ」
ガルドは俺を警戒している。当たり前か、殺されかけたものな。
「俺達と『ギフトゲーム』をしよう。貴様の"フォレス・ガロ"存続と"ノーネーム"の誇りと魂に賭けて」
どうでしたか?さて、誰が主人公をのっとだのでしょう?わかったら感想欄か私宛てにメールを送ってください。それでは次回はもっと早く出来るよう頑張ります。感想募集しています