それでは、どうぞ!
十六夜が指した草むらから、黒いうさ耳が見えた。まぁ俺は知ってたんだが、十六夜はよくあの状況で分かったな。
「なんだ、貴方も気づいていたの」
貴女もですか、飛鳥さん。
「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?そっちの猫を抱いている奴や、直樹も気づいていたんだろ」
「風上に立たれたら嫌でもわかる」
「まぁ、空を飛んだ時見えたからな」
「・・・・・・・へぇ?面白いなお前ら」
軽薄そうに笑うが十六夜、目が笑ってないから、とても怖いぜ。他の人たちも、殺気の籠もった冷ややかな視線を黒いうさ耳を持つ少女に向けている。あの子少し怯えているし、かわいそうだな。
「や、やだなぁ御4人方。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいまよ?そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますョ?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「ガンバ!黒ウサギ」
「あっは、取りつくシマもないですね。あと、最後の方ありがとうございますョ」
うん、だってかわいそうじゃん。黒ウサギさんも涙目だしさ。しかし、なんか値踏みしている目をしているな。
すると耀が、不思議そうに黒ウサギの隣に立ち、黒いうさ耳を…
「えい」
「フギャ!」
鷲掴みして、強く引っ張った。うわ〜痛そう。
「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですかっ‼︎」
「好奇心が為せる業」
「自由過ぎます!」
「へぇ、このうさ耳って本物なのか?」
今度は、十六夜が黒ウサギのうさ耳を引き抜きに掛かる。やめたれよ、黒ウサギ半泣きだぜ。
「・・・・・・じゃあ私も」
飛鳥さん⁉︎貴女もですか。く、黒ウサギマジで、頑張れ。
「ちょ、ちょっとお待ちを、そこの人見てないで、助けてくださいっ」
どうしようかな?まぁ…
「ガンバ‼︎黒ウサギ」
「そ、そんなーーーーーー!」
黒ウサギは、言葉にならない悲鳴を上げていた。 すまん黒ウサギ。
「ーーーーあ、あり得ない。あり得ないのですよ。まさかこんなにも話を聞いてもらうのに、小二時間も消費してしまうとは」
そう、あれから十六夜達は二時間近く黒ウサギのうさ耳を触り続けた。さすがに、ヤバイと思ったから皆んなを止めに入ったけど。
「最後の方、本当にありがとうなのデスヨ」
「いや、俺も早く止めに入った方が良かったかもな、すまん黒ウサギ」
「いいからさっさと進めろ」
マジ泣きしている黒ウサギを見ながら十六夜が言った。
他の人たちも彼女の話を聞いてみようと、思ったのか黒ウサギの事を見ている。それを見て黒ウサギが、
「それではいいですか、御4人方。定「「「「早くしろ」」」」わかりました。ようこそ‼︎"箱庭の世界"へ」
黒ウサギが、両手を広げて大きな声で言った。
どうでしたか?ヒロインと出てきてほしいサーヴァントを募集しているので、是非是非教えください。
ご意見、ご感想もお待ちしているのでよろしくお願いします。