幸太郎の誕生パーティーも、もうすぐ終了しそうな雰囲気になっていた。
それはすなわち、幸太郎が寿家の当主になる瞬間でもある。
それのせいか、参列者達は二代目当主襲名を祝いたくて、ウズウズしだしていた。
宗次郎「さて、名残惜しいとはおもうがいつまでもパーティーをしてはいられん。
よって、そろそろパーティーは終わりにする。そして、いよいよ幸太郎の二代目襲名記念パーティーを始める!」
宗次郎の音頭で、参列者達も大いに盛り上がりを見せた。
宗次郎「幸太郎、お前はいまから寿家の当主になる。まだ右も左もわからんと思うが、ここにいる全ての人間がお前のサポートをしてくれる。」
幸太郎「うん。俺頑張って、おじいちゃんみたいに皆の役に立てる人間になるよ。」
宗次郎「良く言った。それでこそ、寿の人間だ。さて、最初の公務として、参列者に挨拶に回ってこい。」
そう言って宗次郎は、幸太郎の背かを軽く叩いた。
それは、寿家を任すといった想いがこもっていた。
それを幸太郎は理解したのか、覚悟を決めた表情で挨拶周りに向かった。
一夏「それにしても、俺達は凄い瞬間に立ち合えてるのかもな。」
ラウラ「かもでは無い。今日は、まさしく歴史が変わった日になったんだぞ。」
箒「それよりも、どうして私達はここに集められているのだ?」
箒の言葉通り、一夏達学生組は幸太郎達から少し離れた場所に、集められていた。
一夏「さぁ?おっさんにここに来いって言われたんだろ?理由は俺達にはわかんねぇよ。」
すると、宗次郎が近づいてきた。
宗次郎「すまんな。少し、挨拶や話に時間がかかってな。」
一夏「それは良いですけど、俺達をここに集めた理由は何なんですか?」
一夏がそう聞くと、宗次郎は真剣な表情になった。
宗次郎「大人達は、何も言わずとも理解している。だが、君達は各国の期待の人材とは言え、まだ子供だ。
だから、俺の口から直接伝えようと思ってな。」
宗次郎「今日で晴れて、幸太郎は寿家の二代目当主となった。この事は、すぐに世界中に知れ渡る事だ。それほど、今日の事は世界的大ニュースなんだ。
それに幸太郎は、紅グループの会長でもある。すなわち、歴史上で幸太郎は、最も権力と財力、そして影響力を手にしたんだ。」
宗次郎「だが、それは敵を作ってしまう事でもある。俺や松陽、アルベルトが地位を手にする過程で作った敵の全ても、幸太郎に託さなくてはならん負の遺産だ。
だから、せめて君達に幸太郎はピンチになった時には助けて上げて欲しいんだ!」
そう言って宗次郎は、一夏達に深々と頭を下げた。
シャルロット「その・・・頭を上げて下さい!!」
セシリア「そ、そうですわ!私たちに頭をお下げになるなんて!」
狼狽える女性陣とは違い、一夏だけは狼狽える事なく真っ直ぐ宗次郎を見ていた。
一夏「わざわざ、言わなくても大丈夫だよおっさん。俺達が幸太郎さんの力になれる事なんて、微々たる事かも知れないけど、幸太郎さんが困った時に助けるのは、当たり前の事だよ。」
宗次郎「そうか・・・、そう言って貰えるなんて、やはり幸太郎は皆に愛されているんだな。
なら、そのことばを信じよう。それにラウラと言ったかね?俺は君達と幸太郎の仲は、認めている。
だからなるだけ早く、ひ孫の顔を見せてくれ。」
ラウラ「ひ、ひ孫ですって//は、はい!必ず嫁は幸せにします!」
こうしてラウラ達の幸太郎への想いも、宗次郎公認となった。
そして宗次郎は、他の人に見られない様に一夏に近づき、一枚の紙を差し出した。
一夏「なんですかこの紙は?ここに書いてあるのってまさか。」
宗次郎「そう、俺のプライベート用の番号だ。お前はISが台頭しているこの時代で唯一の男性操縦者だ。
当然お前を狙う輩も多いだろう。だからもし助けが必要な時は、遠慮せずにかけてこい。」
そう言いながら宗次郎は、踵を返していった。
宗次郎「そうそう、俺のもとで働きたくなった時にも電話しろな。」
本当の目的は、そっちでは無いかと思った一夏であった。
これにて、幸太郎の誕生パーティーが終了しました。
そして、二代目当主です!
紅グループと寿家の二代目となり、完全に世界一になった事で、敵だらけになるかもですね。