リズリーの後について歩いていると、犬の鳴き声が近づいてきた。
幸太郎「あっ、大和だ。ごめんね大和、本当はずっといたかったんだけど、注射とか色々しなきゃいけないみたいだったんだ。
でもこれからは、一緒にいられるね。」
幸太郎は、愛犬である大和に顔を舐められながら嬉しそうにしていた。
そんなようすを見たリズリーは、少し羨ましそうに見ていた。
リズ「あの犬は、幸太郎様の犬だったのか・・・。クッ!幸太郎様のまぶしい笑顔。
いつみても、癒されるものだな。」
アル「なんだ?もしかして、犬相手に嫉妬でもしてんのか?
相変わらず、心が狭い男だな。」
そう言いながらアルベルトは、リズリーの尻を軽く蹴った。
すぐに反撃しようとリズリーは振り向いたが、松陽に見られて前を向き直した。
一夏「それにしても、凄く長い道ですね。ゴールがまったくみえないぜ。」
千冬「こんな程度で音を上げるとは、まだまた鍛えが足りない様だな。」
すると千冬は、躓いてしまいこけそうになっていた。
だがその瞬時、リズリーが優しく体を支えていた。
リズ「大丈夫ですかお嬢さん。転けてしまわれますと、折角のお召し物が汚れてしまいますよ。」
千冬「あ・・・ありがとう。助かりました//」
そして再び、リズリーは先頭に戻った。
普段、世間からは強い人間と祭り上げられ、勝手に尊敬され、うんざりしていた千冬にとって、ここまで女性として扱われる事は、なれない事だった。
アル「悪いことはいわねぇ。リズみたいな男は止めとけ。あいつは、俺と同じくらい性格が腐ってるからな。」
千冬「べ、別にそんな事じゃありませんよ//私はただ・・・」
恥ずかしそうにモジモジしている千冬は、まるで乙女のような顔をしていた。
そんな普段見ることが出来ない表情に、一夏達は茫然としていた。
ラウラ「まさか、教官があのような表情をするなんて。これが、噂の恋の魔法と言うやつなんだな。」
鈴音「千冬さんからみれば、あんたもおんなじ様なものよ。でも良かったじゃない一夏。
このまま上手くいけば、あのリズリーって人が義兄さんになるかも。」
鈴音がそう言うと、一夏は渋そうな顔をした。
一夏「いや・・・、俺だって千冬姉に幸せになって欲しいけど、あんまり素性も知らない男に、千冬姉を渡すのもなぁ。」
一夏がそう呟くと、千冬は一夏にチョップを繰り出した。
千冬「私を物みたいな発言は止めて貰おう。それに、織斑先生と呼べ。お前もだ、ラウラに鈴音。」
そのまま、ラウラと鈴音にもチョップをした。
アル「どうだリズ、織斑千冬は?なかなかおもしろい女だろ?それに、モンドなんたらって大会の優勝者だしな。」
リズ「確かに、あの女性は強くて凛々しい人だ。だが、大切なモノをまもる強さももっている。
それに、意外と女の子らしいところもある。そうゆう子は、タイプだな。」
マイルナ「出た、リズお得意の人間観察。それの嫌な所って、間違ってないところよね。
ほんと、リズの洞察力には驚かされるわ。」
リズリーにタイプと言われた千冬は、もっと恥ずかしそうに赤面していた。
すると、和服姿の女性が近づいてきた。
「予定より遅いじゃないリズ。宗ちゃんが心配してたわ。」
リズ「すみません桜華様。こいつのせいですよ。」
そう言ってリズリーは、アルベルトの背中を押した。
アル「違いますよ桜華さん!俺は何も悪くないですよ!?」
桜華「はぁ・・・、何でも良いわ。どうせ、二人の口喧嘩で遅くなったんでしょ?宗ちゃんも、わかってるわ。」
幸太郎「久しぶりおばあちゃん!会いたかったよ。」
幸太郎は、どうみても齢70を越えているとは思えない程、若々しい女性、寿 桜華に抱きついた。
皆さん、豆柴の大和を忘れていませんか?
はっきり言うと、私は忘れてました。
いよいよ、桜華さんの登場です!?
70に見えない程若々しいなんて、まさに美魔女ですね。
そして、千冬にやっとフラグが立ちました!
もしこのままゴールインすれば、幸太郎の周りは本当に凄い人で固められますね。