アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第83話

リズリーの後について歩いていると、犬の鳴き声が近づいてきた。

 

幸太郎「あっ、大和だ。ごめんね大和、本当はずっといたかったんだけど、注射とか色々しなきゃいけないみたいだったんだ。

でもこれからは、一緒にいられるね。」

 

幸太郎は、愛犬である大和に顔を舐められながら嬉しそうにしていた。

そんなようすを見たリズリーは、少し羨ましそうに見ていた。

 

リズ「あの犬は、幸太郎様の犬だったのか・・・。クッ!幸太郎様のまぶしい笑顔。

いつみても、癒されるものだな。」

 

アル「なんだ?もしかして、犬相手に嫉妬でもしてんのか?

相変わらず、心が狭い男だな。」

 

そう言いながらアルベルトは、リズリーの尻を軽く蹴った。

 

すぐに反撃しようとリズリーは振り向いたが、松陽に見られて前を向き直した。

 

一夏「それにしても、凄く長い道ですね。ゴールがまったくみえないぜ。」

 

千冬「こんな程度で音を上げるとは、まだまた鍛えが足りない様だな。」

 

すると千冬は、躓いてしまいこけそうになっていた。

だがその瞬時、リズリーが優しく体を支えていた。

 

リズ「大丈夫ですかお嬢さん。転けてしまわれますと、折角のお召し物が汚れてしまいますよ。」

 

千冬「あ・・・ありがとう。助かりました//」

 

そして再び、リズリーは先頭に戻った。

 

普段、世間からは強い人間と祭り上げられ、勝手に尊敬され、うんざりしていた千冬にとって、ここまで女性として扱われる事は、なれない事だった。

 

アル「悪いことはいわねぇ。リズみたいな男は止めとけ。あいつは、俺と同じくらい性格が腐ってるからな。」

 

千冬「べ、別にそんな事じゃありませんよ//私はただ・・・」

 

恥ずかしそうにモジモジしている千冬は、まるで乙女のような顔をしていた。

そんな普段見ることが出来ない表情に、一夏達は茫然としていた。

 

ラウラ「まさか、教官があのような表情をするなんて。これが、噂の恋の魔法と言うやつなんだな。」

 

鈴音「千冬さんからみれば、あんたもおんなじ様なものよ。でも良かったじゃない一夏。

このまま上手くいけば、あのリズリーって人が義兄さんになるかも。」

 

鈴音がそう言うと、一夏は渋そうな顔をした。

 

一夏「いや・・・、俺だって千冬姉に幸せになって欲しいけど、あんまり素性も知らない男に、千冬姉を渡すのもなぁ。」

 

一夏がそう呟くと、千冬は一夏にチョップを繰り出した。

 

千冬「私を物みたいな発言は止めて貰おう。それに、織斑先生と呼べ。お前もだ、ラウラに鈴音。」

 

そのまま、ラウラと鈴音にもチョップをした。

 

アル「どうだリズ、織斑千冬は?なかなかおもしろい女だろ?それに、モンドなんたらって大会の優勝者だしな。」

 

リズ「確かに、あの女性は強くて凛々しい人だ。だが、大切なモノをまもる強さももっている。

それに、意外と女の子らしいところもある。そうゆう子は、タイプだな。」

 

マイルナ「出た、リズお得意の人間観察。それの嫌な所って、間違ってないところよね。

ほんと、リズの洞察力には驚かされるわ。」

 

リズリーにタイプと言われた千冬は、もっと恥ずかしそうに赤面していた。

 

すると、和服姿の女性が近づいてきた。

 

「予定より遅いじゃないリズ。宗ちゃんが心配してたわ。」

 

リズ「すみません桜華様。こいつのせいですよ。」

 

そう言ってリズリーは、アルベルトの背中を押した。

 

アル「違いますよ桜華さん!俺は何も悪くないですよ!?」

 

桜華「はぁ・・・、何でも良いわ。どうせ、二人の口喧嘩で遅くなったんでしょ?宗ちゃんも、わかってるわ。」

 

幸太郎「久しぶりおばあちゃん!会いたかったよ。」

 

幸太郎は、どうみても齢70を越えているとは思えない程、若々しい女性、寿 桜華に抱きついた。




皆さん、豆柴の大和を忘れていませんか?

はっきり言うと、私は忘れてました。

いよいよ、桜華さんの登場です!?
70に見えない程若々しいなんて、まさに美魔女ですね。

そして、千冬にやっとフラグが立ちました!
もしこのままゴールインすれば、幸太郎の周りは本当に凄い人で固められますね。

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