マイルナ「幸太郎!あれほどお酒は飲まないでって言ったのに!大丈夫なの?ほらお水よ。」
幸太郎「大丈夫だよ~。酔ってなんきゃ、いにゃいよ♪」
顔を真っ赤にして、呂律が回ってない幸太郎は、確実に酔っていた。
ラウラ「大丈夫か嫁よ!私はまだ未成年で酒は飲めないが、嫁も酒には弱かったんだな。」
心配そうにラウラが近づいてくると、幸太郎はそのままラウラの肩に手を置いた。
そして、両手で顔を固定するとそのまま唇にキスをした。
突然起こった光景に、束達は凍り付いてしまった。
幸太郎「えへへ//いつものお礼だよ。ラウラの唇って、柔きゃいね//」
ラウラ「な、よ、嫁から、キ、キスだと…//」
そのまま、ラウラは気を失ってしまった。
幸太郎「さてと、次は…。」
そう言って幸太郎は、束の方に近づいていった。
そして束とリアネールの唇にも、キスをしていった。
束「も、もう//幸太郎ったら大胆なんだから//」
リネ「幸太郎様…、こんな私に口づけをして下さるなんて//」
嬉しそうにしていた二人だったが、ふと我に返り恐る恐る後ろを見てみた。
幸太郎からとはいえ、幸太郎とキスをしたとなればあのマイルナが黙って無いと、すぐに理解したからである。
マイルナ「あ、あ…こ、幸太郎が…幸太郎が女誑しになってしまった!
これまで、女性関係は私が全力で動いて来たのに…!」
あまりのショックに、マイルナは朝の時のように泣き出してしまった。
アル「おいおい、そんな泣く事は無いだろ?こいつらはと幸太郎の仲は、お前も認めてるんだろ?
それに、幸太郎は酔ってるんだ。言いたくは無いが、何しでかすかわからん中で、キスくらいは…。」
マイルナ「それとこれは別です!幸太郎と誰かが結婚するまで、私としては幸太郎に清い関係でいて欲しいんです!それなのに結婚前のあの子が…。」
マイルナ「それにアルベルト!酔った勢いでなんて、もってのほかです!
もし私がいなかったら、そのままこの女共に襲われて、妊娠して、結婚して!」
そう言って、マイルナは束とリアネールを睨み付けた。
マイルナの鋭すぎる眼光に、二人は冷や汗をかいていた。
アル「落ち着けバカ。お前も随分酔ってるじゃねぇか。考えすぎだぞ。
さすがに、そこまではしないだろ?なあお前達…。」
優しい口調のアルベルトだったが、その目はマイルナと同じくらい鋭かった。
マイルナ「元はと言えば、貴方がお酒なんか持ってくるからよ!貴方はいつもそう!私が幸太郎の為を想って行動してるのに、それを無駄にする!
なんで幸太郎は、こんな男に憧れてるのかしら。」
一夏「幸太郎さん、大丈夫ですか?あらら、寝ちゃってるよ。
マイルナさん、幸太郎さん寝ちゃったんで、ベッドに運びますよ…聞こえてないや。」
一夏は、眠ってしまった幸太郎とラウラをベッドに運んだ。
アル「お前は昔から、幸太郎の事になると過保護になりすぎだぞ?
子供の時なら兎も角、あいつはもう立派な大人なんだぞ?」
マイルナ「そうやって貴方は、幸太郎をすぐに甘やかす。私だって、幸太郎には自由に過ごして欲しいわ!
でも、そう思えば思うほど心配でならないのよ!」
そう言いながらマイルナは、一升瓶に残っている焼酎を一気に飲んだ。
アル「飲み過ぎだぞおい…。お前も、そんなに酒に強くないだろ?」
マイルナ「それに、貴方はいつだって仕事仕事で!たまに帰ってしたと思ったら、幸太郎の心配ばっかり…。
私だって、幸太郎達みたいに貴方とイチャイチャしたいのよ!デートもしたいし、キスだってしたいのよ!」
泣きながら部屋から出ていこうとしたマイルナだったが、その前に力尽きて眠ってしまった。
アル「はぁ…なんか嫁が迷惑かけたな。今日はこの辺でお開きにするか。
じゃあなお前ら。さっさと寝ろよ?」
アルベルトは、寝ているマイルナをお姫様だっこをして部屋から出ていった。
一夏「マイルナさん…、物凄く乙女でしたね…。」
束「そうだね…。なんか意外すぎて、あんな義姉さん見たくなかったよ。」
こうして、この日は無事?に終わった。
次の日、幸太郎とマイルナとラウラは、ショックと酔いのせいでこの日の事を深く覚えてはいなかった。
酔った幸太郎恐るべし!
酒の力って、本当に恐ろしいですね…。
下手したら、殺傷沙汰になりますよ。
そして、乙女マイルナ!
ブラコンなだけでは無いみたいですね。