~~~男湯~~~
一夏「ふぅ…、今日も疲れたな…。それにしても、いつも以上に千冬姉が厳しかった様な気がするよ。」
一夏はお湯に浸かりながら、深く息を吐いた。
いつもの授業と、放課後のISの特訓で疲れきった体に、お風呂の温かさが染み渡った。
一夏「でも幸太郎さん、さっきまで熱だったのに大丈夫なんですか?いくら熱が下がったとは言え、一日くらい休んでも…。」
幸太郎「心配要らないよ。ちゃんとお姉ちゃんの了承も得てるし。
それに、もし危なかった場合は一夏がいるしね。」
一夏「幸太郎がそう言うなら、これ以上何も言いませんよ。」
一夏はそう言うと、天井を見つめた。
そしてすぐと、幸太郎の方に視線を向けた。
一夏「千冬姉に聞いたんですが、そっちはそっちで、色々あったんですね。政府の人とかマイルナさんの旦那さんの事とか。」
幸太郎「政府の人って?まぁ、何の事だか知らないけど、アル兄が来たのには、本当に驚いたし嬉しかったよ!」
まるで子供の様にはしゃぎながら話す幸太郎を見て、一夏もホッコリとした気分になった。
そしてまだ見ぬマイルナの旦那に、早く会いたいと思った。
すると、風呂場の扉が開いた。
アル「おっ、幸太郎も入ってたのか。にしても広い風呂場だな!」
幸太郎「アル兄!仕事終わったんだ!お疲れ様。」
そう言って幸太郎は、アルベルトの方に駆け寄った。
アル「おいおい、そんなに走ると危ないぞ?全く…、困った義弟だな。
そして君が噂の一夏君か…。ほぅ…、なかなか良い面構えじゃないか。」
一夏「面構えですか…。」
アル「あぁ、あの偉大な姉のお飾りじゃ無く、自分を強く持っている。
それに、幾つかの試練を乗り越えてきたな。」
一夏「試練って程じゃ無いですよ。それに、乗り越えてこれたのは、俺一人の力じゃありません。
周りで支えてくれた、皆のおかげです。」
一夏の答えを聞いたアルベルトは、満足そうに微笑んだ。
アル「ふっ、格好いい解答だね。挨拶が遅れたな、俺はアルベルト。
ご存知かも知れんが、マイルナの旦那だ。」
そしてアルベルトは、自分の素性を全て一夏に説明した。
そして三人は、お湯に浸かっていた。
幸太郎「ねぇアル兄、仕事は無事に終わったの?今日はどんな仕事だったのか教えてよ!」
アル「今日の仕事か?そうだな…、出来はまずまずだな。もう少しで契約金が30億になりそうだったのになぁ…。」
聞き慣れない単位が飛び出してきて、一夏は驚きのあまりその場で立ち上がった。
そして恥ずかしくなり、すぐに座った。
一夏「30億ですか!?凄い単位が動くですね…。
やっぱり、アルさん程だと次元が違いますね。」
すると隣の女湯から、束達の声が聞こえてきた。
アル「デカイ声だなぁ~おい。この声は、束とラウラとリネか。随分と盛り上がってるな。
にしても、もう仲良くなったのか、それは良かった。」
一夏「ですが、騒いでる内容が内容ですね…。聞いてるこっちが恥ずかしいですよ。」
束達の騒いでる声を聞いて、アルベルトは嬉しそうに微笑み、一夏は照れながら赤面していた。
そして幸太郎は、内容を理解できていなかった。
すると突然、騒ぎ声が静かになったと思ったら、マイルナの声が聞こえてきた。
一夏「マイルナさん、凄く怒ってますね…。」
アル「まぁ、静かになったのはそれだけじゃ無いだろ。さっきまでの内容からすると。」
アル「それよりも、大きさといえば一夏君、君は幸太郎のをどう思うかね?」
一夏「なっ!いきなり何を言うんですか!まぁ、幸太郎さんのは、凄く羨ましいですが…。
って、何を言わせるんですか!」
アル「ハッハッハ、素直でよろしい!確かに凄いよな、幸太郎のは。
まぁつのる話は、風呂上がりにでもするか!」
アルベルトとの初めての対面で、一夏は豪快な人だと感じた。
そして、マイルナがどこに惚れたのかわかる気がした。
今回は風呂、ボーイズ編です。
まぁ、束達とは違いおしとやかな感じですね。
ですが最終的にサイズの話になるのは、風呂場の宿命なのかも知れないですね。