アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第31話

~~~ショッピングモール~~~

 

ショッピングモールについた幸太郎達は、少しだけ近くのベンチに腰を掛けた。

なぜなら、幸太郎の調子が悪そうだったからである。

 

ラウラ「嫁よ、体調は大丈夫なのか?顔色が良くないぞ。」

 

幸太郎「ありがとうラウラ。初めての人混みで、少し気分が悪くなっただけだよ。」

 

幸太郎がそう言うと、ラウラはポケットから一錠の飲み薬を取り出した。

 

ラウラ「ならば、これを飲め。これでだいぶ良くなるはずだ。」

 

ラウラにお礼を良い、幸太郎はその薬を飲んだ。

 

シャルロット「ねぇラウラ、どうして貴方がその薬を持っているの?」

 

シャルロットの質問に、ラウラは答えに困ってしまった。

なぜなら、この薬は先ほどマイルナに貰った薬だからである。

 

それを答えてしまえば、マイルナが尾行している事が幸太郎にバレてしまう。

 

ラウラ「ま、まぁこれくらいは夫としての、当然の嗜みだからな。」

 

無理やり答えたラウラを見て、シャルロットは全てを理解した。

 

シャルロット(なるほどね、よほど幸太郎さんの事を心配しているんですね。)

 

シャルロット「そうなの。流石はラウラだね。」

 

そして少し休憩をはさんで、幸太郎達はショッピングモール内へと入っていった。

 

鈴音「あっ!一夏達が中に入って言ったわ。中に入って、鉢合わせしたらどうするつもりなんですか?」

 

マイルナ「フフッ、その点なら何も心配いらないわ。ちよっと待っててね。」

 

そう言ってマイルナは、ピンマイクを取り出した。

 

マイルナ「実は、ラウラの耳に小型の無線機をつけてあるの。だからこのマイクを通じて、連絡を取り合うのよ。」

 

セシリア「本当に、呆れる程の姉バカと言いますか…。」

 

幸太郎達は、広いショッピングモール内を散策していた。

 

幸太郎「凄い…、これがショッピングモールか広くて人がいっぱいいるよ…。」

 

一夏「そうですね、ここは近場でも有数の広さがありますからね。必然的に人は多くなりますよ。

さてと、水着売り場は4Fですね。」

 

こうして4Fを目指す為に、幸太郎達はエスカレーターに乗った。

未だに体調が優れない幸太郎の為に、エレベーターは避けたのである。

 

すると、ラウラの無線機にマイルナからの連絡が入った。

 

マイルナ『ラウラ聞こえる?もし聞こえても、驚かずに平常心で答えて。』

 

突然聞こえてきた声に、ラウラは驚いたがマイルナの言葉通り周りに、特に幸太郎にバレない様にした。

 

ラウラ「はい聞こえますマイルナさん。ですが、いつの間にこんな無線機を?」

 

マイルナ『そんな小さな事はどうでも良いわ。それより、私達は幸太郎達と鉢合わせしない為に外で待機してるわ。

だから、この無線機で幸太郎の様子を随時報告して欲しいの。』

 

ラウラ「報告ですか…、わかりました!その重大な任務、この私にお任せください!」

 

幸太郎「ラウラ、何してるの?速く来ないと置いてくよ?」

 

マイルナ『それじゃあ、しっかりと頼んだわよラウラ!』

 

こうしてラウラは、マイルナの言う通りに報告をする事にした。

 

マイルナ「これで、何とか一安心だわ…でも、もし無線機が壊れてしまったら!

それか、電波がいきなり届かなくなったら!」

 

鈴音「はぁ…、この調子じゃ幸太郎離れは当分無理そうね。」

 

千冬「ショッピングモールに入らずに、外で何をしてるんですか?」

 

突然、後ろから声をかけてきた千冬を見て、またマイルナが何かを思い付いた。

 

そしてこれまでの経緯を、全て説明した。

 

千冬「なるほど…、それで私に中での尾行を頼みたいんですね。」

 

マイルナ「さすが千冬、話が速いわ。それで、やってくれるかしら?」

 

そんなマイルナの提案に、千冬は少しため息を吐いた。

 

千冬「私も水着を買いに来たので、ついでにですが様子は見てきますよ。」

 

そう言って千冬は、ショッピングモールに入っていった。

 

マイルナ「これで、安心だわ。」




さすがに心配し過ぎですね。
そのせいで、気づかれずに無線機を取り付けるなんて、凄すぎです!

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