~~~ショッピングモール~~~
ショッピングモールについた幸太郎達は、少しだけ近くのベンチに腰を掛けた。
なぜなら、幸太郎の調子が悪そうだったからである。
ラウラ「嫁よ、体調は大丈夫なのか?顔色が良くないぞ。」
幸太郎「ありがとうラウラ。初めての人混みで、少し気分が悪くなっただけだよ。」
幸太郎がそう言うと、ラウラはポケットから一錠の飲み薬を取り出した。
ラウラ「ならば、これを飲め。これでだいぶ良くなるはずだ。」
ラウラにお礼を良い、幸太郎はその薬を飲んだ。
シャルロット「ねぇラウラ、どうして貴方がその薬を持っているの?」
シャルロットの質問に、ラウラは答えに困ってしまった。
なぜなら、この薬は先ほどマイルナに貰った薬だからである。
それを答えてしまえば、マイルナが尾行している事が幸太郎にバレてしまう。
ラウラ「ま、まぁこれくらいは夫としての、当然の嗜みだからな。」
無理やり答えたラウラを見て、シャルロットは全てを理解した。
シャルロット(なるほどね、よほど幸太郎さんの事を心配しているんですね。)
シャルロット「そうなの。流石はラウラだね。」
そして少し休憩をはさんで、幸太郎達はショッピングモール内へと入っていった。
鈴音「あっ!一夏達が中に入って言ったわ。中に入って、鉢合わせしたらどうするつもりなんですか?」
マイルナ「フフッ、その点なら何も心配いらないわ。ちよっと待っててね。」
そう言ってマイルナは、ピンマイクを取り出した。
マイルナ「実は、ラウラの耳に小型の無線機をつけてあるの。だからこのマイクを通じて、連絡を取り合うのよ。」
セシリア「本当に、呆れる程の姉バカと言いますか…。」
幸太郎達は、広いショッピングモール内を散策していた。
幸太郎「凄い…、これがショッピングモールか広くて人がいっぱいいるよ…。」
一夏「そうですね、ここは近場でも有数の広さがありますからね。必然的に人は多くなりますよ。
さてと、水着売り場は4Fですね。」
こうして4Fを目指す為に、幸太郎達はエスカレーターに乗った。
未だに体調が優れない幸太郎の為に、エレベーターは避けたのである。
すると、ラウラの無線機にマイルナからの連絡が入った。
マイルナ『ラウラ聞こえる?もし聞こえても、驚かずに平常心で答えて。』
突然聞こえてきた声に、ラウラは驚いたがマイルナの言葉通り周りに、特に幸太郎にバレない様にした。
ラウラ「はい聞こえますマイルナさん。ですが、いつの間にこんな無線機を?」
マイルナ『そんな小さな事はどうでも良いわ。それより、私達は幸太郎達と鉢合わせしない為に外で待機してるわ。
だから、この無線機で幸太郎の様子を随時報告して欲しいの。』
ラウラ「報告ですか…、わかりました!その重大な任務、この私にお任せください!」
幸太郎「ラウラ、何してるの?速く来ないと置いてくよ?」
マイルナ『それじゃあ、しっかりと頼んだわよラウラ!』
こうしてラウラは、マイルナの言う通りに報告をする事にした。
マイルナ「これで、何とか一安心だわ…でも、もし無線機が壊れてしまったら!
それか、電波がいきなり届かなくなったら!」
鈴音「はぁ…、この調子じゃ幸太郎離れは当分無理そうね。」
千冬「ショッピングモールに入らずに、外で何をしてるんですか?」
突然、後ろから声をかけてきた千冬を見て、またマイルナが何かを思い付いた。
そしてこれまでの経緯を、全て説明した。
千冬「なるほど…、それで私に中での尾行を頼みたいんですね。」
マイルナ「さすが千冬、話が速いわ。それで、やってくれるかしら?」
そんなマイルナの提案に、千冬は少しため息を吐いた。
千冬「私も水着を買いに来たので、ついでにですが様子は見てきますよ。」
そう言って千冬は、ショッピングモールに入っていった。
マイルナ「これで、安心だわ。」
さすがに心配し過ぎですね。
そのせいで、気づかれずに無線機を取り付けるなんて、凄すぎです!