アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第20話

あれから3日が過ぎたが、幸太郎の容態が良くなる事は無く、目を覚ましていなかった。

 

ラウラは、毎日幸太郎のお見舞いに来ていたのだった。

 

ラウラ「マイルナさん、今日も幸太郎のお見舞いに来ました。」

 

千冬「おぉ、ラウラか。マイルナさんに聞いたぞ、お前毎日来てるんだってな。」

 

そこには、マイルナだけではなく千冬も座っていた。

 

ラウラ「教官も、来ていたんですか。」

 

マイルナ「わざわざ、お見舞いに来てくれてありがとうね。今からお茶でも入れるわ。」

 

そう言ってマイルナは、お茶を入れるため席を立った。

 

残された千冬とラウラに、少しだけ気まずい雰囲気が漂っていた。

 

千冬「だが、まさかお前が幸太郎のお見舞いとはな…。私としては、嬉しい事でもあるが速くクラスに馴れるのが先だと思うが…。」

 

ラウラ「別に良いんですよ。それに今は、教官が言っていた幸太郎の強さが、何なのか解って来てる気がするんです。」

 

ラウラは、花瓶の水を変えながらそう言った。

 

マイルナ「でも、もうすぐ学年別トーナメントだけど大丈夫なの?確か二人のタッグでの参加何でしょ?」

 

お茶を入れ終わったマイルナが、二人にお茶を渡しながらそう聞いた。

するとラウラは、気まずそうに顔を反らした。

 

マイルナ「全く、そんな状態じゃ幸太郎に怒られるわよ?もし誰もパートナーがいないなら、私が出てあげよっか?」

 

千冬「バカな事を言わないで下さい。学生でも無いし、もし貴方に何かあったら、誰が幸太郎の病の対処をするんですか。」

 

無茶な事を言うマイルナに、千冬は軽く呆れ気味だった。

 

ラウラ「パートナーについては、自力で何とかしてみせます。それに、私は何としても強くなりたいんです。」

 

千冬「強くか…。それはどうしてだ?もしかして、私の事で一夏にでも復讐する気か?」

 

ラウラ「少し前なら、そう考えていたかも知れません。ですが、幸太郎に出会ってから強さとは力だけでは無いと、理解しました。

私は強くなって、私なりの強さを見つけたいんです!」

 

ドイツ軍にいた頃とは比べ物にならない、覚悟を決めた目に千冬は満足していた。

 

幸太郎との出会いが、自分意外親しい相手がいなかった束だけでは無く、間違った力に憧れていたラウラの人生すらも、良い方向に変えているのだ。

 

ラウラ「今は一夏に対して、恨みも憎しみもありません。あるのは単純に勝ちたい、という想いだけです。」

 

千冬「お前を、幸太郎に会わせるのは正解だった様だな。ならば、もう私からは何も言う事は無い。」

 

マイルナ「そうね。今のラウラに必要なのは、パートナーを見つけるコミュニケーション力だね。」

 

マイルナの軽いジョークに、三人は和気あいあいとしていた。

 

マイルナ「まさか、束だけじゃ無くラウラまで幸太郎に恋するなんてね。

自覚が全く無い分、本当に魔性の男だね幸太郎は。」

 

マイルナの発言に、ラウラは顔を紅くさせた。

 

ラウラ「べ、別に幸太郎に恋など//私はただ、幸太郎の生き方と強さに、憧れているだけだぞ//」

 

赤面しながら否定するラウラに対し、マイルナは微笑ましそうに頷いていた。

 

マイルナ「まぁ、今はどっちでも良いわ。それに私としては、重婚もありだと思うわ。」

 

千冬「何を言ってるんですか!マイルナさんは、意外と危ない考えをしますね。」

 

すると、休み時間の終了を告げるチャイムがなった。

 

千冬「さて、私達は授業に戻るとするか。それではマイルナさん、幸太郎を頼みます。」

 

ラウラ「お願いします!」

 

ラウラは深く頭を下げながら、ラウラと千冬は保健室を後にした。




幸太郎は依然、眠ったままですがラウラ達は良さげな雰囲気ですね。  

束のライバルはラウラですか…、まぁまだそうと決まった訳では無いですが。

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