アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第18話

~~~職員室~~~

 

千冬「幸太郎、さっきは本当にすまなかった。ラウラも悪気があった訳じゃないんだ。」

 

先程の自己紹介の事を、千冬は自己紹介でもう一度謝罪した。

 

幸太郎「別に、気にして無いから。それよりも、あのラウラちゃんは、どういった子なの?」

 

幸太郎は日誌を書きながら、千冬に聞いた。

そしてマイルナは、ラウラの情報が書かれている紙を見ていた。

 

千冬「どういった子とは、どういう事だ幸太郎?」

 

マイルナ「何でラウラは、あんなにも他人に対して当たりが強いのか。

それが知りたいんでしょ幸太郎は。」

 

マイルナの言葉に、幸太郎は頷いた。

 

そして千冬は、どう説明すれば良いのか、言葉を探し始めた。

 

そして数秒後、言葉を見つけた千冬が口を開いた。

 

千冬「ラウラは…あいつは私に憧れているんだ。それも、誰よりも強く有りたいと願いそれを実現させて来た、モンド・グロッソで優勝したあの頃の私にな。」

 

と、千冬は寂しげに話した。

 

誰かを護る為には、誰よりも何よりも強く無ければならない。

そう想っていた過去の自分を、千冬は嫌っていた。

 

マイルナ「力こそ全てね…、ある意味シンプルで良いわね。でも、その力が何なのかを間違えると、物凄く厄介だわ。」

 

幸太郎「そっか…、じゃあやっぱり俺はラウラちゃんと親友になる!

あの娘は多分だけど、まだクラスの皆と仲良く出来てないと思うからね。」

 

マイルナ「まぁ、あんな事をしたんだからそうでしょうね…ってもういないわ。あんなに走ると、体に障るのに。」

 

幸太郎は早速、ラウラを探す為に職員室から出ていってしまった。

 

マイルナ「さてと、幸太郎も行っちゃった事だし、私も行こうかしら。」

 

千冬「マイルナさんも、何か用でもあるんですか?」

 

マイルナ「えぇ、もう一人の転校生にね。」

 

~~~中庭~~~

 

昼休み、ラウラは一人で中庭にいた。

 

ラウラ「はぁ…、なんて不甲斐ない奴らなんだ。本当にあいつは、教官の弟なのか。」

 

幸太郎「やっと見つけたよ。もう、食堂にいないからあちこち探したんだよ?」

 

声のする方を見ると、お盆を持った幸太郎が立っていた。 

 

ラウラ「またお前か、私に何の用なんだ。」

 

敵意を向けているラウラにお構いなしに、幸太郎はラウラの隣に座った。

そして自分が持ってきたお盆を、ラウラに差し出した。

 

幸太郎「特に用は無いけど、君ご飯食べて無いでしょ?何が良いかわからなかったから、グラタンにしたよ。

これなら、お箸を使わないから食べやすいと思ってね。

こっちのサンドイッチは、俺のだからね。」

 

そう言って幸太郎は、一緒のお盆に乗せてきたサンドイッチを食べ始めた。

 

だがラウラは、そのサンドイッチの小ささに驚いた。

明らかに、小さい。

 

幸太郎「どうしたの?早く食べないと、冷めちゃうよ?」

 

ラウラ「フン、せっかくだから頂こう。」

 

グラタンを一口食べたラウラは、そのグラタンの味に驚いた。

今まで食べた事が無いほど、美味しかったのだ。

 

ラウラ「うまい…、さすがはIS学園の食堂だな。」

 

幸太郎「フフッ、喜んでくれて嬉しいよ。このグラタン、実は俺が作ったんだ。」

 

ラウラ「本当か!こんな美味しい料理を作るなんて、お前は凄いな。」

 

この後、他愛もない会話をちらほら交わしながら、二人は食事をしていた。

 

最初は敵意むき出しだったが、美味しい料理と幸太郎の不思議な雰囲気に、既に敵意は無かった。

 

幸太郎「そっか、君は千冬が大好きなんだね。」

 

ラウラ「あぁ、教官は私の恩人であり目標なんだ。いつか、教官の様な強い女性になりたいんだ。」

 

ラウラ「まぁ…その…、あの時はすまなかった。一夏相手に怒っていた時だったから、お前にもあたってしまった。

お前は凄い男だ。それに教官が言っていた以上に、何かしら雰囲気な魅力がある。あの時は手を取れなかったが、よろしくな。」

 

そう言ってラウラは、幸太郎に握手を求めた。

 

幸太郎「ラウラちゃん…、ありがとう。俺からもよろ…ゴホッ!ゴホッゴホッ!」

 

突然咳をし、幸太郎は苦しみだした。

そして吐血をしてしまった。

 

ラウラ「おい!大丈夫なのか!おい!」

 

そのまま、幸太郎は気を失ってしまった。

 




吐血だけじゃなく、気を失うなんて幸太郎の体調が心配ですね。

このままだと、本当にヤバいですね。

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