アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第133話

幸太郎「あれ?秋水叔父さんも来てたんだ。久し振りだね。」

 

道場の扉が開くと、そこに件の幸太郎が立っていた。

突然の訪問に秋水は驚きを隠せなかった。

 

秋水「こ、幸太郎くん!?どうしてこんなむさ苦しい所に!?」

 

宗次郎「俺が読んだんだよ。ちょっと前まで病で寝てたらしいなら、息抜きもかねてな。てか、むさ苦しくて悪かったな。」

 

幸太郎「えへへ、秋水叔父さん。久し振りに旅の話聞かせてよ。」

 

秋水「そっか。幸太郎くんは、旅の話が大好きだったね。じゃあ特別に・・・、そうだなこれはドイツに行ってた時の話なんだけどね。」

 

さっきまでの覚悟を決めた顔つきではなく、そこには面倒見の良い叔父の顔になっている秋水がいた。

 

秋水の話を真剣に、時には笑顔で聞いている幸太郎を見ていると、先程までの会話が嘘のように感じる程だった。

 

秋水「と、言うわけでフランスでは車が故障して高速道路で立ち往生しちゃったんだよ。」

 

幸太郎「そうだったんだ。やっぱり、秋水叔父さんの話を聞くの大好きだよ。はぁ~いつか俺も、外国に旅行したいな~。だって、外国にママのお墓が在るんでしょ?」

 

幸太郎の言葉に、二人は眼を反らした。

 

宗次郎「そうだな。お前の体調が良くなったら、好きな国に連れてってやるぞ?なんなら、世界全ての国に旅行出来るぞ?」

 

幸太郎「ホントに?でも、外国って良く分かんないから当分は良いかな?いくとしたら、ラウラの故郷のドイツやルアネールの故郷に行ってみたいな。一応結婚するなら、ご挨拶?をするんでしょ?」

 

秋水「結婚!?えっ!幸太郎くん結婚するんですか!?そうですか、あんなに幼かったのに、気が付けば結婚か・・・。そうか。」

 

そう言うと秋水は、立ちたがった。

 

秋水「では、そろそろ私は帰ります。これ以上幸太郎くんと過ごしていると、折角のかくごが薄れて来ちゃいます。」

 

そう言って秋水は、幸太郎の頭を撫でた。

 

秋水「じゃあね幸太郎くん。次はいつ会えるか分からないけど、私は何時でも幸太郎くんの味方だからね。」

 

~~~屋敷の外~~~

 

屋敷から出た秋水は、携帯を握り締め深く深呼吸をした。

 

秋水(もう、後戻り出来ない。そう決めたんだ。幸太郎くんに会ったからって、揺らいでては成し遂げれない!!)

 

そして秋水は一人の人間に電話をかけた。

その人物はすぐに電話に出た。

 

秋水「お久しぶりです。いえ・・・お久しぶりでは無いですね。まぁ、形式的にですよ。今日電話をしたのは他でもありません。

貴方は私がこれからする事に気が付いている筈です。」

 

秋水「え?何でわかったかって?そんなの顔を見ればわかりますよ。これでも寿の端くれですから・・・。ええ、本題でしたね。はっきり言います。私のする事の邪魔をしないでください!!」

 

秋水「はい。どうなるかなんて、百も承知です。ええ、それでも邪魔はしないで欲しいのです。貴方にさえ許可が出れば、行動を起こせるんです。はい・・・。私も寿の男です。最後は愛する寿の未来のために使うのが本望ですから・・・。」

 

秋水「ふふっ、やっぱりですね。貴方程の人です。私の想いが分かれば断らないと思っていました。はい。大丈夫です。必ず遂行します。この命に変えて・・・えっ?一つ条件ですか?ええ、私に出来ることなら。」

 

秋水「・・・成る程。それは、その条件だけは飲めません。と言うより、どうなるか分かりません。が正しいですね。出来るだけその条件になるようにしますが、確証はありませんから。

はい。はい、ありがとうございます!!」

 

秋水は電話越しでだが、深く頭を下げていた。

そして電話が終わり、秋水は携帯を仕舞った。

 

秋水(これで良いんだ。これで・・・)

 

静かに歩き出した秋水の背中からは、静かで、それでいて美しさを感じるほど、決意、覚悟、哀しみにみちあふれていた。




お久しぶりです。
ここ最近、職場の研修にいってたので、色々と忙しくてストーリーを考える暇がありませんでした。

レポートって、めちゃくちゃめんどくさいんですね。
大変の一言ですね。

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