アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第129話

~~~お昼休み~~~

 

箒「もう昼だと言うのに一夏はどこにいったんだ?」

 

シャル「今日も走り込みに言ったよ。ここ最近、自主トレの時間が長くなって来てるよね。」

 

セシリア「そうですわね。オーバーワークにもおもえるのですが、何を言っても今の一夏さんは止められないですわね。」

 

鈴音「そうね。あいつはバカだからね。」

 

想い人のいない昼食は、互いにライバルだと言うこともあり少しだけ気まずい雰囲気になっていた。

だが、仲が悪い訳では無いのでそこそこの会話を楽しみながら食事を済ましていた。

 

言うまでもないが、ラウラは幸太郎の所で束とルアネールとひばなを散らしては、マイルナに怒られていた。

 

~~~運動場~~~

 

アル「それにしても、毎日毎日馬車馬の様に走り込んで飽きもしないでいられるな。あいつみたいな若者は変化のない運動は嫌いそうだけどな。」

 

リズ「それはお兄様の偏見ですよ。ですが、国際連盟の会長になってから特訓に熱が入った様にも感じますね。」

 

二人がそんな話をしていると、走り込みを終えた一夏が汗を拭きながら歩いてきた。

 

一夏「アルさん、この後いつも通り組み手をお願いします。」

 

アル「ハァ、頑張るのは良いことだけどもやりすぎは逆効果だぞ?」

 

嫌々言いながらも、一夏の特訓に付き合っているアルベルトを見て、リズリーは微笑んでいた。

 

三人は道場に移動した。

そして一夏とアルベルトは、いつもの様に組み手をしていた。

 

組み手と言うよりは、アルベルトの猛攻を一夏が避け隙を見てアルベルトに攻撃をする程度ではあった。

 

アル「お前は、器用だな。運動にしても芸術にしても、少し教えればプロ顔負けのレベルの事は出来るみたいだな。」

 

一夏を壁まで吹っ飛ばしながら、アルベルトは染々呟いた。

 

リズ「そうですね。お兄様が付きっきりだったとは言え、ここまで攻撃をかわせるのは大した才能ですね。」

 

世界最高峰とも言える二人に誉められ、一夏は嬉しくもあり恥ずかしくもあった。

 

アル「それだからこそ、そこから限界突破してプロ以上の実力を出すのは人一倍難しいだろうな。それがお前の一番の課題だな。」

 

一夏「器用貧乏って所ですか。それは自覚してますよ。だから、こうして今までよりも量を増やしてるんです。」

 

アル「それよりも手っ取り早く、俺が闘争ってのを叩き込んでやる。」

 

一夏「本当ですか!じゃあお願いします!!」

 

そう言った瞬間、さっきまで立ち合っていたアルベルトの雰囲気が一変した。

 

明らかに荒々しさが消え去り、普段のアルベルトと差ほど変わらない常態になっていた。

 

だが、突然リズリーに服を引っ張られ一夏はその場にしりもちをついた。

 

あまりの事で困惑していた一夏だが、さっきまで自分の目の位置にアルベルトの指があるのをみて驚いていた。

 

リズ「いきなり眼を潰しにかかるなんて、やり過ぎですよお兄様。それも殺気すら出さないなんて。」

 

アル「言っただろ?本物の闘争を教えるってよ。さて、そろそろ昼休みも終わるな。じゃあ一夏、続きは放課後だな。待ってるぜ。」




プロ中のプロから本物の手解きを教えて貰えるとは、一夏も幸せ者ですね。
ですが、いきなり目潰しとは。

リズリーがいなかったらと思うと、スパルタ過ぎる様な気もしますかね。

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