アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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今回はセリフ多めです。
ご了承ください。


第125話

その日の夜、一夏は屋上に来ていた。

満天の星空を見上げ、携帯を取り出し一人の人物に電話をかけた。

 

2コール程したあとに相手は電話に出た。

 

一夏「こんな夜遅くに電話してすまん。」

 

弾「いや、別に気にしてないけど珍しいな。お前から電話してくるなんて。どうした恋の悩みか?」

 

一夏は、自分の置かれている状況、そして自分の悩んでいる事を親友に全て話した。

 

弾「成る程、正直話を聴いただけだと現実味がわかない話だけども、なんで俺なんかに話したんだ?」

 

一夏「いや、誰かに話をしたくてな。でも、周りの大人達は簡単に相談出来る相手じゃ無いし、箒達にも話しづらいし、気さくに話せる相手はお前しかいなかったんだよ。」

 

弾「そうか。元気だけが取り柄だったお前も、そこまで追いつめられていたんだな。一般人の意見しか言えないけど、無理ならする必要は無いんじゃ無いか?」

 

弾「只でさえ、男性初のIS操縦者として世間から嫌な注目を浴びてたんだ。ここで逃げ出しても、誰にも責められる筋合いは無い。お前だって、ちょっと前まではごく普通の中学生だったんだ。」

 

弾「そんなお前に、ここまで重荷を背負わせる方が悪いんだよ。それにその裏社会?ってのは、改善しようにも出来ないんだろ?だったら、お前がそこまで追いつめられる必要は無い。」

 

弾からの正論に、一夏は少し考えてみた。

 

確かに、自分が国際連盟会長になろうともあの日、アルベルトに告げられ、自分の眼で見た真実を変える事が出来るとは思ってもいなかった。

 

でも、それでもここで逃げ出してしまえば世界各国を敵に回してまでも誓った想い、そしてこんな自分を信じてくれたアルベルト、ロゼット。

そして自分がこれこらをかけて支えて行こうと誓った幸太郎を裏切ってしまう。

 

そんな想いが込み上げてきた。

 

一夏「わかってる・・・わかってるさ!!でも、それでも俺は逃げたくない!!確かに俺は流れでIS学園に入学した。世間から見世物のパンダの様に扱われてるかも知れない。それでも、裏社会に関わろうと決めたのは、自分の意思なんだ!!

誰にも強制された訳じゃない!!自分の想いで決めたことなんだ!!だから、俺は俺を信じてくれる人、そして自分の誇りを裏切ったり出来ないんだ!!」

 

思わず大声を上げてしまった一夏だが、電話越しで弾は嬉しそうに笑っていた。

 

弾「知ってるよ。お前が中途半端で投げ出すような半端者じゃないことくらい、俺がよく知ってる。」

 

一夏「じゃあ、最初からそう言うと知っててお前は。」

 

弾「あぁ。何でも肯定するだけじゃ、本当の想いを吐き出せないだろ。普段はろくでなしな俺でも、たまには親友らしい事でお前に激を飛ばしたいんだよ。」

 

弾「なんて、ちょっとくさ過ぎるかな。少し、キザなセリフってのに憧れてたんだよな。」

 

一夏「ありがとな弾。前にも言ったかも知れないけど、お前みたいな親友を持てて、俺は幸せ者だよ。」

 

弾「なんだ!?まさか俺にプロポーズか。止めてくれよ、流石に俺にはそっちの気はねぇぞ。」

 

一夏「ばか、俺にもねぇよ。」

 

二人は、子供のように笑いあっていた。

 

弾「俺に出来る事は何もねえけどよ、たまになら相談くらいは乗ってやるよ。」

 

一夏「すまん。やっぱ、お前は最高の親友だよ。」

 

弾「それに、早いところ彼女が出来た報告も欲しいしな。てか、俺にIS学園の生徒を紹介してくれよな。」

 

そう言って弾は電話を切った。

 

胸のつっかえが取れた一夏は、今まで以上にすっきりとした顔つきをしていた。

 

秋水「いや~、やはり青春と言うのはいくつになっても、輝かしく美しい素敵な時間ですね。感動しましたよ。貴方は良いご友人に恵まれているのですね。」

 

一夏の背後には、いつの間にか新たに就任したばかりの総理大臣、寿 秋水が立っていた。




カッコいい!!
弾が物凄くカッコいいですね!!

本作には深く関わっている訳ではありませんが、やはり弾も男の中の漢ですね!!

そして秋水と一夏の初コンタクトです。
実は前話で絡ませる予定だったのですが、秋水のキャラが掴みきれなかったのか、出番が1話持ち越しになってしまいました。

まぁ実際、今でも掴みきれてませんが。

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