アル「さて、学園の校庭にこのゴミを放置する訳にはいかないな。おいお前ら、これ処理しておいてくれ。」
アルベルトがそう指示すると、撃たれた要人達をトラックの荷台に乗せて、走り去っていった。
一夏「あの・・・、あの人達はこれからどうなるんですか?見つかったら、流石に罪に問われるんじゃ。」
アル「ん?あれをか?さぁ?だってあれがどうなろうが、興味も無いし、仮に見つかってもどうでもいいさ。」
自分は死人扱い、アルベルトは物扱い。
その些細な違いに、表情に出さなかったが一夏は自分がまだ通常の思考をしていると思えた。
ロゼット「では社長、総理大臣に関してはどう対処する予定なのですか?」
ロゼットがそう言うと、アルベルトは携帯をいじりだし一つの速報を見てた。
そこには、総理大臣や沢山の政治家の電撃辞任。そして新たな総理大臣に寿 秋水(ことぶき しゅうすい)という人物が就任したと書かれていた。
ロゼット「げっ!秋水さんですか。まぁ、適任と言えば適任と言えますが。」
一夏「アルさん、この人も寿の姓をしてますが、幸太郎さんの関係者ですか!!」
アル「詳しい話しは後でするよ。お前に話したい事は一杯あるし、それで混乱するかもしれんしな。」
アルベルトは一夏に1枚の名刺を差し出した。
アル「とりあえず、後で大量のコピーを渡すが、これを持ってろ。お前やお前の知り合いに何かあったら、これを相手に見せれば万事解決だ。」
渡された名刺には、寿家直属国際連盟会長 織斑 一夏と書かれていた。
あまりにぶっ飛んだ内容が書かれていて、名刺とアルベルトを何度も見ていた。
アル「さっきの見せしめの効果で、全世界の国々が続々と寿家の下についた。お前にはそいつらのトップをしてもらう。」
ロゼット「よかったな一夏。ちなみに俺も会長だ。つまり二人で1つの権限って訳だ。」
一夏「えっ!!国際連盟っ!会長!!えっ!!」
アル「つまり、引退した宗次郎さんを別にすれば、この地球上で幸太郎や松陽さんに次ぐ権力や発言権を持つお偉いさんって訳だ。」
突然の事で、一夏は開いた口が塞がらない状態になってした。
確かに今の一夏には、寿 秋水の事を言われても理解できる状態では無かった。
ロゼット「諦めろ一夏。アニキをサポートしている俺らには、必要な事でもあり、ある種の試練でもあるさ。
これくらい勤められなきゃ、アニキのサポートなんて出来やしない。」
アル「幸太郎の目も覚めたみたいだし、さっさと帰って寝ようぜ。ここ最近立て込んでたせいで、すっかり寝不足だぜ。」
ロゼット「ですが社長、校舎の破損部分はどうするのですか?明日から通常通り生徒を通わせるのでしたら、多少の修復をした方がいいのでは?」
アル「良いの良いの。それは俺の管轄外。それに、何か聞かれたら、千冬や一夏が何とかするさ。」
そう言って、校庭に残っていた人間は続々と帰り支度をしていき雑談をしながら幸太郎のいる校舎へと歩いていった。
その姿は、先程まで人を殺めたとは思えないほど普通の日常をかもしていた。
一夏「はっ、はは・・・。はははは・・・。」
一夏は渇いた笑いをするだけで精一杯なほど、頭がこんがらがっていたのだった。
つい先程まで世界初の男性IS適合者程度だった一夏が、まさかいきなり物凄いお偉いさんになるとは。
戸惑うのも無理ないですね。
そして新たな総理大臣、寿 秋水とは一体何者なのでしょう。