アナザーラバー   作:なめらかプリン丸

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第122話

周りの要人達は、アルベルトの取り出した銃を見て慌てて取り乱し始めた。

 

「まさか、銃を取り出すなんて!!」「ここは日本の筈だぞ!!」

「それで私達を撃つつもりなのか!!」

 

だが、銃口を向けられた男は依然済ました顔をしていた。

 

「ふん、それは脅しのつもりか?その程度の脅しに屈する私では無い。ここは日本。銃を持つだけで取り締まられる国だ。それに未来の英雄IS学園の織斑 一夏くんもいる。こいつに引き金を引ける訳がない!!」

 

男がそう言うと、アルベルトは銃口を外し笑いだした。

 

アル「さすがはA国の要人だな。良くも悪くも、修羅場を越えている。確かに一般人がいるこの場で、まさか殺人だなんて・・・」

 

“バン!!!”

 

最後まで言い終わる前に、再び銃口を向けたアルベルトは何の躊躇いも無く、男の眉間を撃ち抜いた。

 

アル「ここにいる時点で、無関係の一般人の訳無いだろバァカ。」

 

撃たれた男はその場に倒れこみ、そのまま動かなくなった。

即死だった。

 

あまりにもいきなりのことで、周りの要人達はよりザワつき始めた。

 

予想はしていたが、はじめて見た人殺しに目を背けたくなった一夏だったが、宗次郎との約束、そして自分の強い決意があるため目の前で起きている彼らにとっての日常を脳裏に焼き付けた。

 

アル「意外と強いな一夏よ。さて、次はお前にしようかな。」

 

そう言ってアルベルトは、右隣の人物に銃口を向けた。

 

「ま、待ってくれ!!わかった。私達の完全敗北だ!!お前の条件は何でも飲む。この通りだだから!!」

 

そう言って役人は、アルベルトの靴を舐めた。

 

アルベルトはニヤリと笑、そのまま役人を思い切り蹴りあげた。

 

アル「利口だな。他の奴らはどうなんだ!?まだ幸太郎に逆らって死にたい愚か者はどいつだ!?」

 

「私も完全降伏だ!!」「私も!!」「頼む!!殺さないで下さい!!」

 

役人達は、その場で這いつくばりまるで、土下座をしている様だった。

 

アル「なるほど。全員お利口さんだな。無駄弾を使わずにすみそうだ。だが・・・。」

 

アルベルトはお構い無しに、役人に発砲した。

 

アル「残念ながら、お前達の命にもはや無駄弾ほどの価値もない。」

 

アル「それに、お前達の国すべてには今回の事を許すかわりに、俺達・・・いや、2代目寿家 寿 幸太郎の下につく事が決まってる。今からは、粛清の時間だ。」

 

そう言ってなんとか逃げようとしている役人達を、アルベルトは容赦なく撃ち殺していった。

 

一夏の目の前で起きている光景は、まさに死屍累々。その言葉以外似合わない地獄絵図だった。

 

役人を撃っているアルベルトの顔は、怒り、憎しみ、楽しさ、喜び。

それらの感情が一切ない無表情だった。

 

まるで当たり前。自分達が呼吸する事に意味を考えない様な感じであった。

その顔を見て恐怖を感じない一夏は、自分がいよいよ普通の男子では無くなったんだと実感していた。

 

 




皆殺しですね。
まぁ、それだけの事をしたので、自業自得ですけどね。

これで一夏も、本当に後戻り出来ない舞台まで登って来ましたね。
ですが、それでなければ幸太郎を護る事は出来ませんし。

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