次の日も一夏は、朝早くからアルベルトから同じトレーニングを受けていた。
ただ機能と違うのは、今日はIS無しの生身だと言うことだった。
二日目にして、生身の緊張感と持ち前のセンスからか昨日よりは竹刀による攻撃を避けれる様にはなっていた。
アル「俺の予想よりも、なかなかの上達具合だな?でも、まだまだ動きに無駄がありすぎる。せっかく授業を休ませてやってるんだから、もっとがんばれ。」
一夏「それはわかってますけど、難しいですよ!!」
アル「へこたれるな。それに、俺は甘い方だぞ。松陽さんなら、本物の日本刀でしてくるからな。」
一夏はもし日本刀でやられていたらと考えると、鳥肌がたっていた。
そして昼頃を迎えたときには、さすがの一夏もヘトヘトになっていた。
千冬「様子を見に来たら、この前と同じだな一夏。」
アル「まぁ、これでもだいぶ形にはなってきてるぞ。これでも。」
千冬「ですが、さすがにスパルタ過ぎるんじゃ無いんですか?これだと、一夏が壊れてしまいますよ。」
アル「お前の言いたい事はわかる。俺だって、もっと段階を踏んでやりたい。けど、情報によるとあと二、三日で各国の要人どもが行動を開始するらしい。
だから、今は時間が足りないくらいなんだよ。」
アルベルトのことばを聞いた一夏は、震える足を無理やり立ち上がらせた。
一夏「そ、それを聞いたら、休んでなんていられません!!こっからは、休憩なしで来てください!!」
アル「ふっ、さすがは織斑一夏だ。ならば、お前の覚悟にこたえてやろう!いくぞ!!」
そして一夏が攻撃を完全に避けれる様になったのは、2時間後だった。
それまで、休憩なしのぶっ通しだったが要人達の攻撃が間近に迫っていると聞いた一夏は気迫のこもった動きだった。
アル「これにて、特別レッスンは終了だ。だが、ここからが本番だ。その前に予行練習にいくぞ一夏。」
そう言って、疲労で動けない一夏をアルベルトは無理やり引っ張り出していった。
~~~IS学園の外~~~
アルベルトに連れられて、一夏は暗い路地裏に来ていた。
一夏「ここで何をするんですか?それに予行練習って・・・」
アル「ここら一帯は、不良のたまり場らしい。よってそいつらに喧嘩で勝てばいい。それだけの話だ。」
すると、二人の回りにいかにもな格好のお兄ちゃん達が集まり、囲まれていた。
不良1「おいおい。ここらは俺達の縄張りだぞ!?」
不良2「調子乗ってっと、ころすぞアァン!?」
不良達の手には、鉄パイプが握られていた。
そして一夏達の答えを待たずに不良達は殴りかかってきた。
ヤバい!!と一夏は身構えていたが、不良達の攻撃が物凄く隙だらけに見え、一夏は簡単に不良達をいなしていた。
そして、怒りが溜まってきたのか不良達の攻撃がどんどん大振りなりより隙が出来ると、一夏は攻撃を避けたあとにカウンターを決めることが出来た。
そしてそのまま、二人程を倒したときに他の不良達は一夏にビビってしまい一目瞭然に逃走していった。
一夏「あの、アルさん。あの人達の行動が俺には隙だらけに見えたんですけど、これもあのトレーニングの成果なんですか?」
アル「そう言うこと。これが、前に言った防御型の戦い方だ。さて、後はナターシャに触れるだけだな。」
こうして二人は、学園へと帰っていったのだった。
まぁ、アルベルトの攻撃を死に物狂いで避けてたのですから、そこいらの不良どもの攻撃なんて、見え見えでしょうがないですよね。
そして、いよいよ世界各国の要人が動こうとしています。
決戦の火蓋が切って落とされるのはもうすぐですね。