すいません。更新速度が先月とどっこいどっこいを辿っています雪宮春夏です。
取りあえず、閑話はこれにて終了です。
次からはまた本編となりますがどうかこれからもよろしくお願いいたします!
「さぁて……これは一体どういうことだと、皆さんおっしゃりたいんでしょうよぉ!なぁ、牛鬼ぃ!!」
ダァンと、足を踏みならし、牛鬼に迫ったのは一つ目入道だった。
以前と同じ、あくまで牛鬼に突っかかる一つ目の対応に、きょうやは内心辟易していた。
まるで子どものようだと思ったのが、第一印象である。
「説明しろよぉ!おい!!武闘派の牛鬼組ともあろう者が……随分な失態じゃねぇか!あぁっ?!」
ガンまで飛ばしてくる一つ目に、しかし相変わらず牛鬼だけに突っかかる精神年齢は、まるで子どもだ。
(……そう言えば、あの子の傍らにいる子ども二人が、こんな感じかな?)
この時雲雀の頭を過ぎったのは、近頃見ることの多い、沢田綱吉の両隣を占める二人の子ども。獄寺と山本のもので。
「なぁっ!?随分嘗めた真似してくれてんじゃねぇか……もしやこりゃあ一枚噛んでんのかぁ?なあ、謀反ですかなぁ!?牛鬼殿ぅ?」
一つしか無い目を大きく開け、唇をも突き出す姿は、はっきりと言って恐ろしくは無い。
寧ろ周りが無言を貫く中で一人だけ騒がしく喚くという表現をも用いられそうなその姿は、ある意味滑稽とも感じられた。
「ぎゃあぎゃあと煩い駄犬だね」
「なぁにぃ?!」
「……いや、その言い方は忠節を持つ総ての犬に失礼か」
無意識に最初の一言を口にしてしまったきょうやは、僅かに思考を巡らせた後、あからさまにバカにするように薄い微笑を浮かべながらそう続けた。
因みに総ての犬の中には、この局面にて彼が思い浮かべた片割れ、獄寺隼人も含まれている。
体育祭のあの一件で山本武共々見せたあのあり方は、妖怪、人間は関わりなく、純粋にきょうやには好感を抱けたのである。
一方、この場にいる者達は、腐っても最高幹部の一席に座する一つ目入道に対するその口の利き方に言葉を失っていた。
「あっはっはっは……面白ぇたとえだが、一つ目は犬とは言えんだろう。なぁきょうの坊?」
その中で笑い声を上げたのは、同じく最高幹部の一席につき、長老格でもある大妖怪、狒々。
「……じゃあ小鳥だね。ピーチクパーチク煩い害鳥だ」
フッと鼻で笑ったきょうやに、一つ目は大層分かり易く怒りを表していた。
「この……クソガキ……!」
膨れ上がった畏れにきょうやも笑みを浮かべ身構えた時。カァンと、部屋の中にキセルを打ち付ける音が響いた。
「言葉遊びしとる暇ぁねぇだろう?きょうや」
ドスのきいた声で問いかける総大将、ぬらりひょんがギロリときょうやを睨みつける。
「端的にきくぞ。その二人……おめぇに任せた「緋眼」と関係あるんじゃねぇだろうな?」
「随分突拍子もない言葉だね?この件に緋眼の緋の字も出てはいないはずだけど?」
薄く笑みを浮かべたまま問いかけるきょうやだが、その目に笑みはない。きょうやからすれば、「緋眼」に関しては彼に一任された問題で、だからこそ無関係と思われるこの事件で言及された事について怒りを覚えたのであろう。
きょうやの怒気を含んだ眼差しに、しかしぬらりひょんは焦り一つ見せることなく、目を眇め、ぐるりと周囲を見渡す。
「何?儂としては余計な手間を省いただけよ。おめぇの管轄地である並盛で起きてんだ。そこに
彼の言葉とその眼差しに、思うところがあったのか、何人かの幹部達は目を逸らしたり俯いたりしている。
「ふぅん……」
それに対してのきょうやの仕草は、単に鼻をならしただけ。
とても責任能力を問われ招集された存在には見えない。
そんな彼らのやりとりを見ながら、事情を知る者の一人である鴉天狗は背中を濡らす冷や汗に必死に耐えていた。
この二人、打ち合わせなど何もしていないと言うのに、この阿吽の呼吸のような掛け合いの妙は何なのか。
今回隠そうとしている内容は内容が内容なので下手に知られれば求心力低下では済ませることは出来なくなるだろう。それほどそのリスクは高い。
しかし、それを考慮に入れても、今は真相を伝えるべきではないと言うのが総大将を含め、奴良組中枢の決定であった。
先日鴉天狗が並盛を訪れた際に起きた、虎狼狸の「婆娑羅」への変化。
それだけでも、殺すための口実としては十分だっただろう。
しかし、それだけだ。
(それだけではただ……奴良組二代目総大将を殺した下手人が死ぬ、それにしかならんわ)
二代目鯉伴が死んだあの日から、ぬらりひょんげ抱き続けた疑問は一生解けることは無くなるだろう。
何故鯉伴は殺されなければならなかったのか?
己の内なるものは答えるだろう。奴良組への恨み、己へと恨みと。
ならば何故、鯉伴とリクオの内、リクオを救命したのか?
己の内なるものは首を傾げる。
証言者を作るため?そんなものを作らなくても、遅かれ早かれ彼に疑惑は降りかかっただろう。
彼の……虎狼狸の生い立ちを考えれば尚のこと。
その真相を知るには、事の背後にいた者を知る必要がある。
組の者のほとんどは、背後に羽衣狐がいると言っている。それも誤りではないだろう。
二代目の死から突如活発となった西の勢力。その中心にいるのはいつの時代もあの大妖怪だ。
彼女と、彼女を世に出そうとする者達。
(じゃが……婆娑羅となるには術が必要じゃと言う話……!じゃが、
500年前、ぬらりひょんと同じく、京都の陰陽師、花開院家も、羽衣狐の呪いを受けている。
見ようによれば、ぬらりひょん達よりも遙かにひどい呪いだった。
そんな彼らが、五百年の間受け続けた呪いをかけた本人と協力?……まず、ありえはしないだろう。全体的には。
(じゃが、あのような切迫詰まった状況下でかたぎのそれも
しかし、それならばその恨みがぬらりひょんや奴良組に行くのは不自然のようにも感じられた。
結局あの事件の真相を鴉天狗に聞かされたあの日から、ぬらりひょんが内心で続けている問答はいつも決まった場所で止まるのである。
何故、虎狼狸を使い、鯉伴を殺したにも関わらず、リクオは生かしたのか。
その理由を考えるには、まだ情報が足りないのだ。だからこそ、情報を持つ者が接触する可能性が少しでもある間は、虎狼狸を殺す訳にはいかない。
(……結局儂も、あやつ自身の命を惜しんで助命しようとしたわけではない。……それを知ったら、逝ったあいつは、何と言うんじゃろうな……)
それこそ、敵に向けるような眼光を向けて、激怒するだろうか。
鯉伴は我が子のように、虎狼狸を可愛がっていたからこそ。
(あやつがもし死んだ後も口をきけていたら、己の死さえ、人のせいにするなと言って側近の奴らを叱り飛ばしていただろうのう……)
そこにはもしかしたら、己も入っていたかもしれないが……。
そんなことまで考えてしまったぬらりひょんは、今の状況では全く合わない微かな微笑みを浮かべてしまった。
「余裕だね?人を呼びつけてこんな仰々しい会合まで開いておいて、本人は居眠りかい?」
きょうやの僅かな苛立ちと揶揄が入り混じった声に、ぬらりひょんも、大袈裟に溜息をついてみせる。
「お主がいつまでも答えんのが悪いんじゃろうが……それで?どんなんじゃい!」
ぬらりひょんは笑みを浮かべてはいたが、その目が笑っていないのはきょうやにとて分かっただろう。
ぬらりひょんを注視していた幹部格の者達は一様に息を潜める。
それをさして気にする様子もなく、きょうやは続けた。
「緋眼との繋がりね……まぁ。無いわけじゃ無い。でなきゃ……僕が目を瞑る訳ないでしょ?あんな目障りな群れ」
ククッと笑い声をたてるきょうやはまるで本性を現すかのように舌舐めずりする。その姿に、古株連中は三代前の彼を重ねてしまったのか、息を吞む者もいた。
動揺一つ見せなかったのは、ぬらりひょんを始めとする、別格の力を持つ連中だけだ。
そんな様子は手に取るように分かるのか、満足げに笑みを浮かべ、雲雀は言い放った。
「あれらは、君らが危惧するあの「
とめる……それを弑すると受け取った者がほとんどだろう。きょうやも、そう受け取るようにあえて言葉を選び、自らの本性……殺戮を好む、獣の本性さえちらつかせたのだから尚更である。
また、ぬらりひょん達にたいして嘘を述べたわけではない。
あれらは、虎狼狸を……あの「沢田綱吉」のあらゆる暴走を止める切り札となり得る。彼はそれをあの体育祭の日に確信した。
少なくとも、現状においては、と言う但し書きが付くが……。
「……でもよぉ。可笑しくねぇかい?きょうの坊。人嫌い、妖怪嫌いのおめぇが集団を容認するなんてよぉ。……しかも幽閉されて七年たった今更。どういう心境の変化だい?」
お面からくぐもって聞こえたかん高い声に、きょうやは瞬間眉を寄せる。しかしさして気にすることなく続けた。
「役にたつのなら利用するさ。僕がバレるようなへまをするわけないだろう。……今更?今だからこそだよ。あれが何度も
原因不明を強調して鼻で笑えば、納得は出来るのだろう、反発の声は聞こえない。
そんな時、小さくか細い声で、算盤坊が切り出してきた。
「その二人組の事は分かった…だが、それでは今回の件はどういうことだ?貴様の謀反ということか?」
眼鏡の奥でギロリときょうやに向けられた眼差しに、しかし本人に怯む様子は無い。
「バカじゃないの。単なる小手調べじゃない。……大体僕は奴良組の傘下じゃ無い。弱々しい本家の連中を態々敬ってやる気は無いよ」
暗に試したと言い切ったきょうやは次いで、期待外れと言うように吐息を零す。
「本家の下の奴らは無能揃いみたいだね。あんな微弱な畏れ一つ刃向かえないなんて」
その言葉に当然のように反発するものは必ずいる。
武闘派でない連中は特に顕著だ。
「些かこれは……」
「問題ではありませんかな?本家に忠誠を誓っていない者に監視とは……そもそも何故そのような形で奴良組の領土下にいるのか……!」
ヒソヒソと囁く声音は隠す気も無いのだろう。一人、また一人と物言わぬ、しかし強い熱の混じった視線で総大将を抱いた。
「何故と……いわれてものぅ。きょうやが並盛に住み着いたのは鯉伴の代でじゃ。鯉伴が許容したものを儂が咎めることもできんじゃろう」
ふぅ、やれやれと肩を竦める総大将に、しかし周りからすれば笑い事では無い事態なのだろう。
恐る恐るでも進言する者まで出て来る始末だ。
「しかしながら総大将。二代目の時と今回とでは、明らかに状況が違います。二代目もたとえ総大将が定めた決断が、嘗ての己と違うものでも、咎めるようなことは致さぬ筈です」
何度も首肯を続ける取り巻きの存在も合わせたその姿は、圧倒的な群れの典型方だ。
どうやら囀ることしか能の無い連中は、一つ目以外にもいたらしい。
僕達の続けざまの懇願を、両眼を閉ざしてきいていた総大将、ぬらりひょんは、カァンと片手にしていたキセルを叩いた。その音で自然と、辺りが静寂に包まれる。
「おめぇらの言い分は分かった……きょうや」
最後の一言をきょうやに向け、キセルを噛みながらジロリと瞳を向けた。
「奴らはおめぇも信じられないらしい。だからといって、不安定な現状の緋眼をよそに移せるとは思えねぇ……あまりにもリスクの方が高ぇかれだ。大体、あの時もテメェ以外適任者はいなかったと言って良い。そんな状況で、誰か手ぇあげようって奴はいんのかい?」
「…なればこそ、きょうや諸共緋眼とて、弑するべきでございましょう!」
感情の高ぶりのままに誰かが叫べば、追従するように続く声。
「……いや、しかし……牛鬼組は西との境界線。あまり大きな騒ぎは、西の者達に好機を与えてしまうだけではございませんかな?」
そこに割って入って来た声は、一つ目や牛鬼と同じく、最高幹部に座する三ツ目党党首、三つ目八面だった。
(へぇ……)
明らかに嫌悪の方向が強かった総会の空気の中で、逆側の考えを控えめな物腰とは言え、言い切れたのは流石は最高幹部と言うべきか。
(腑抜けばかりじゃ無いって訳か……)
一人きょうやが頷いていると、双方の意見を取りなすように、木魚達磨が言葉を紡いでいく。
「三つ目殿の言うことも尤も。しかし、ここまで猜疑心が広がってはこのままきょうやを野放しと言うわけにも行きますまい」
そのまま周囲に集う幹部達を見渡した達磨の視線は最後に鴉天狗に、そしてぬらりひょんに向けられた。
「本家より、監視役を付けるのが、得策と思われますが。如何か?」
「待ってよ。何でそんなものを、僕が付けられなきゃいけない訳?指図される謂われは無いはずだよ……!」
ギリと、殺気さえ飛んできそうな程の鋭利な気配に、しかし牛鬼も鴉天狗も、木魚達磨も、ぬらりひょんも……気にかける様子すらない。それは端から見れば、眼中にする迄もないと何よりも雄弁に語る行為で。
「……本家の者、となると、それ相応の者でございましょうね?」
静まりかえった部屋の中から、誰のものかも定かでは無い声が零れ……それを皮切りに次々と言葉が飛び交っていく。
「やはり武闘派が……!」
「いや、牛鬼組は距離が近すぎる……!」
「貴様……!最高幹部を疑うなど……!」
一向に止む気配の無い喧噪に総大将がついに痺れを切らした。
「……全く。カラス!」
「……はっ!」
呼ばれた鴉天狗の行動は早かった。ネズミも絶句する素早さである。
「し、ず、ま、れぇ!!」
ガァンと、どこにあったのかさえ分からないシンバルを、己の足打ち鳴らしていたのだ。
「並盛には……本家のお目付役「鴉天狗」一族……その中でも精鋭である我が息子達、三羽鴉を派遣する!」
「まぁ、監視役じゃからのう……鴉もかなりの数入っているだろうし、こうすれば、お主も緋眼も下手な勝手は難しくなるばかりじゃろう?のぉ、きょうやよ」
そこまで言い終えたぬらりひょんは、次いで内緒話などするかのように軽く声を潜めてみせる。
「まぁ、これからの事も考えれば、使える手は多いに越したことはないじゃろうがの?」
揶揄するような口調で、このぬらりひょんという妖怪は、一体どこまで知っているのか。そう問いたくなるほどの手際の良さにきょうやは、虎狼狸と、彼と戦ったとき並みの興奮を覚えた。
「……良いよ。君の土俵に乗って上げる」
獰猛な笑み……その中に、隠す気も無く殺気を混ぜながら、ぐるりときょうやは我がことのように勝ち誇る笑みを浮かべる幹部格をにらみ据えた。
力の無いものもいる彼らからすれば、冷水を浴びせられたかのような心地であったことだろう。 一様に顔を青ざめさせる様子にも構うこと無く、きょうやは続けた。
「だけど、鴉の息子だろうと関係ないよ。僕の邪魔をするならただじゃおかない」
そのまま立ち上がり、広間を出ようとするきょうやに再びぬらりひょんは声をかけた。
「……奴らに遭遇した首無の報告によれば、その赤子の姿をした妖怪は、奴良組を「貴重な同盟候補」と言ったらしい。……それはテメェの意思か?」
背を向けているきょうやには、そう尋ねたぬらりひょんの表情は見えない。勿論それはぬらりひょんの方も同じ事だろう。
それを分かりながらも、きょうやは僅かに顔を顰めた。
それは余計なことを態々幹部の眼前で言ったぬらりひょんか、それともこちらにも緋眼にも意向の確認もせず、さっさと外堀を埋めてしまおうと画策している赤ん坊にか。
「そんなものにまで答えてやる義理は無いよ」
どちらにせよ、己は彼らの手の上で踊るつもりはない。
それだけは強く心に決めながら、きょうやの胸には言い知れない不快感が蓄積していた。
こちらの意向を尋ねもせず、従うのが当たり前という風のぬらりひょん達三人も、彼らの威を借る狐同然の幹部格の連中も気にくわない。
(二代目の時は少なくとも、ここまで酷くは感じなかったのに……)
忌々しげな舌打ちを何とか飲み込みはしたが、寄せられた眉間の皺は良くなるどころか酷くなるばかりだ。
しかしそれにも気にする事無く、きょうやは歩き続ける。
(腐臭……腐敗かな。あからさまに言えば、そう感じる。朱に交われば赤くなるとは言うけど、結局は牛鬼もそういう立場な訳か……)
このまま悪化するだけならば。きょうやもまた、これから先を決めなければならない。
きょうやは奴良組傘下では無い。
それでも良いからここに居てくれと、三代前のきょうやが治めていた並盛をきょうやに任せたのは鯉伴だった。
その鯉伴はもう居ない。
ぬらりひょんは、きょうやと鯉伴の間にあった暗黙の了解を破る気しか感じないし、何よりも。
(沈むと分かっている船に乗るほど、僕はお人好しじゃ無いよ)
一番の本音はここだった。
現在いる唯一の三代目候補があの体たらくでは、奴良組の未来は暗雲が垂れ込めていると言って良いだろう。
側近達からすれば、何とかしたいと言った所なのだろうが、物事はそんなに容易にいくものでは無い。
(さて……僕はどうしようか)
薄笑いを浮かべながら、廊下を歩くきょうやは、彼が出てきた襖、その反対側の道の端に、ちょこんと雪女が一人へばりついていることに、最後まで気付かなかった。
(何これ……どういうこと?)
雪女は己の血の気が引いていくのが分かった。
始めは総会の内容はくぐもってあまり良くは分からなかったが、鴉天狗の一声以降は、口を開く者が居なかったのも相成り、はっきりと聞こえていた。
(監視…緋眼に、
次の瞬間、雪女の心に吹き上げたのは氷河だった。
雪女は奴良組本家で生まれた訳ではない。母親は奴良組の古株ではあったが、諸事情あって奴良組を離れ、その後に雪女……
幼い
そんな中、自分よりも早く本家に迎えられていた己と年の近い妖怪……それが緋眼……いや。
(
本家の中では出せなくなった名前。それでも
(あんた……本当に鯉伴様を殺したの?本当に奴良組に牙を向けるつもりなの……?じゃあ……)
そこから先を思い浮かべてしまった
(貴方は……リクオ様を……)
その先はいくら考えても、分かるものではなかった。
ゆっくりと、世界は回り続ける。
それがどのような結末を迎える事になるのか、それはまだ誰にも分からない。
最後に一言。
「閑話」とは大筋には関係の無い脇道……の筈ですが、どう考えても、これ、これから先の話の布石が盛りだくさんですよねぇ?
とおっしゃりたい方はいると思います。それは否定しません。(なぜなら春夏も書いている途中で思ってしまったので)
しかし、春夏はこれをあくまでも閑話とします!(キリッ!)
なぜならこの話、この物語の中心であるはずのツキ君が、影も形もいませんので。
一つたりとも描写がありませんので!!(名前のみの表記除く)
……以上、春夏の主張(笑)でございました。