fate/present of love   作:A H

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こんな下らないものを書いてしまい、誠に申し訳ございません。
でも、でも!士郎とカルマ君が見た目ちょっと似てるとか、エミヤと安室さんスペック被るとこあるとか思っちゃったんです…。
本当に、ごめんなさい…。
こんなのですが、楽しんで頂けると幸いです。

*今回はクロスオーバー要素はありません。


冬の奇跡

一つの小さな墓の前に、一組の男女が立っている。

一人はこの寺の僧侶である眼鏡をかけた男性。

もう一人は、肩程の長さに髪を切り揃えた美人と称されるであろう女性。

二人の前にある、小さな墓には、学生時代を共に過ごした友人が埋葬されていた。

寺の片隅にある、小さな墓。

その墓に埋葬された友人は、とある国の内乱を治めるために、無実の罪を着せられ処刑された。

誰かを、世界を憎んでもおかしくないような状況でありながら、彼は、

 

笑っていたのだ

 

幸せそうに、笑っていたのだ。

 

二人は実際に見た訳ではない、人伝に聞いただけだ。

それでも、容易に想像がついたのだろう。

 

あいつらしい

 

そう、二人は、哀しそうに、寂しそうに、悔しそうに、

眉を寄せ、瞳に涙を浮かべながら、

笑った。

 

二人は、彼は戻ってこないと思っていた。

異国の地で殺されたのだ。

それも、処刑という形で。

けれど、それを許すことの出来ない人間がいた。

彼を愛した者達だ。

彼が救った者達、彼を慕っていた後輩、彼の姉がわりだった人、そして、彼の師であった赤い女傑。

その他にも、沢山の彼を愛した者達、彼等は友人を母国に還すために、動いた。

そんな彼等の努力により、友人には、小さくとも墓をつくることができた。

彼等には感謝してもしきれない。

淡い青春の一頁に記されただけといえど、二人にとって彼は、忘れられない、忘れることなど出来ない程に、大切な友だった。

それこそ僧侶の男は、学生時代に天敵であった赤い女傑に心からの感謝を言うほど。

それほどまでに、大切な友人だった。

 

僧侶の男は、学生時代に天敵だった傍らの女性に、大切な、けれども古びてしまった宝箱の中を見せるように、言葉を紡ぐ。

「まったく、あれほど警告していたというのに。あいつらしいと言えばあいつらしいが。」

呆れたような、けれども、どこか優しい声。

「そうだね。あいつは何時も、誰かのためにしか動けない人間だったから、仕方ない。」

哀しさを滲ませた、けれども、やはりどこか優しい声で、女性はこたえる。

「もしも、来世というものがあるのなら、そのときにはまた、あいつの作った弁当を食べたい。」

ポツリ、と溢された小さな言葉。

それに女性は同意を示した。

「いいね、もしも来世があるなら、私もあいつの手料理が食べたい。藤村先生のお弁当が羨ましかったもの、来世くらい食べさせてもらっても、バチは当たらないでしょ。」

…それは、ささやかで、優しい、暖かな願い。

けれど、決して叶わぬ願い。

世界と契約をした彼と二人の運命は、二度と交わらない

 

…筈だった。

 

そこは偶然にも、かつて大聖杯と呼ばれる万能の釜があった場所で、偶然にも、穢れて解体されたとしても、その器であった冬の聖女の後継機にあたる人物達の意思が残っていたのだ。

万能の願望機としての力は、殆ど残ってはいない。

けれども、彼女は、自分が愛した男を救ったこどもに、幸せでいてほしかった。

少女は、弟であり、兄であった彼に、幸せになってほしかった。

だから…たとえ相手が世界だとしても、彼を取り返した。

一部ではあったが、確かに、世界から彼を取り戻したのだ。

それは、紛れもなく、愛が起こした奇跡だろう。

彼女の夫への愛、少女の家族への愛、彼に救われた人びとの愛、彼を慕っていた後輩の愛、赤い女傑の彼への愛、そして、二人の友人への愛、沢山の彼へのにより起きた奇跡。

 

…これはきっと、運命。

赤い正義の味方の、新しい運命。

彼を愛した人たちからの、優しく、暖かな、願いに満ちた贈り物。

 

「…また来る、衛宮。」

 

 

新たな運命の物語が動き出した。

友情が紡ぐ、運命の物語が。




うわぁぁぁぁぁぁ!ごめんなさいぃぃぃぃぃ!
た、楽しんで頂けましたか?(冷や汗)
えっと、これからも時たま投稿しますので、温かく見守って頂けると幸いです。



(アンリマユ2枚目来たことでテンションが上がって書いてしまいました。すみません。)

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