ベリアル物語   作:ヴァンパイア

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ゼラス「言い忘れたけど、この宇宙にいるウルトラ兄弟はゾフィー君以外は全員君達が知っているウルトラ兄弟達と互角だよ。後、タイトルは誤字じゃないからね。」


エピソード9「守るべき物」

マリナとエスナは、絶望の淵に突き落とされた。ミヤが殺された事に、そしてそのミヤを殺した張本人が今まで自分達を必死に守ってくれたゴモラである事に。

 

すると、そんな様子を見たDゴメスはなんと、低い男性の声にエコーが掛けたような声で笑い出した。

 

Dゴメス「グッハはハはハははは」

 

マリナ「こいつ、私達を笑ったな!」

 

マリナとエスナはDゴメスに笑われた事に苛立ち、攻撃を開始しようとするが、EXゴモラの伸縮自在の尻尾(以降:テールスピアー)に遮らてしまう。

 

エスナ「ゴモラ目を覚ましてくれ!」

 

音声機能を使って、EXゴモラに呼び掛けるが、そのまま暴れ続けた。

 

EXゴモラ「ウォギャォォォオン」

 

その様子にDゴメスは笑い続けた。

 

ゾフィー「何を笑っているんだDゴメス!仲間に仲間を殺された奴等を笑うとはなんと外道な。恥を知れ!」

 

ゾフィーはマリナ達を嘲笑うDゴメスを怒鳴った。すると、それに苛立ったDゴメスはゾフィーの方に振り向いた。

 

ゾフィー「なんだ!私に刃向かうというのか!Dゴメス!言うことを聞け!」

 

Dゴメス「グッハはハはははハハハ」

 

Dゴメスは、ゾフィーを嘲笑うと突然右目の二つの瞳孔から赤い稲妻を放った。

 

ゾフィー「何!グァァァァァァァ!」

 

絶叫を上げ、ゾフィーは吹き飛ばされ、大ダメージを負った。

 

ゾフィー「バカな!このカプセルを使えば、Dゴメスを制御できるのではないのか⁉︎」

 

そう言うとネオバトルナイザー?は粉々になった。そして、巨大なビルが倒壊し、ゾフィーに降り注いだ。その様子に再びDゴメスは笑い始めた。

 

 

 

 

〜この宇宙のM78星雲〜

 

「アハハハハハハハハ」

 

突然、前にこの宇宙のウルトラ兄弟が集結した王座から高笑いが響き渡った。笑い声を上げたのはハヤタだ。

 

ハヤタ「あのマヌケ顔最高です!!まさか、自分が不良品を摑まされただなんて、夢にも思ってなかった顔ですね!そう思いませんか?セブン兄さん。」

 

ハヤタはセブンに質問するが、返事が来なかった。何事かと思い、セブンを見ると何やらモニターに大きく写っているゾフィーを見ておらず、画面の端を見ていた。

 

ハヤタ「あーあ、またセブン兄さんの女好きが始まったようですね。」

 

一人で納得したハヤタはセブンの返事を諦めてモニターを見つめた。

セブン「(まさかグリーザがあんなふうになるとは、アロアも良いが奴も美しい。欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい、欲しい。あいつらが欲しい。)」

 

腹の底でそう考えているセブンの目に写っているのは、画面の端にいるグリーザだった。

 

 

 

 

〜惑星アルカディア〜

 

Dゴメス「グははハハハはハはハは」

 

Dゴメスの笑い声と共に、荒れ狂うEXゴモラの咆哮が鳴り響いた。

 

「おいおい、お前何さっきからバカ笑いしてんだ?」

 

突然、爆煙の中から聞き覚えのある声がした。Dゴメスは笑うのを止め振り向いた。

 

爆煙が徐々に晴れていくと、そこには腕をクロスさせているベリアルがいた。

 

マリナ「あいつ!!」

 

エスナ「ホォー、流石は陛下。」

 

マリナは驚愕し、エスナは感心した。そして死ぬ恐怖で気を失ったていたミヤも目を覚ました。

 

ミヤ「うーん、あれ?私生きている⁉︎も、もしかして、陛下が守ってくれたのですか?」

 

質問されたベリアルは答える為に、上半身だけミヤに振り向いた。

 

ベリアル「言っただろ。誰も死なせねぇってよ。」

 

質問に答えたベリアルはミヤに背を向け、EXゴモラを睨んだ。

 

ベリアル「ゴモラ。お前のその姿はどうしたんだ⁉︎」

 

ベリアルは先程までビルの下敷きになっており、一部始終を見ていないため、ゴモラがEXゴモラになった理由を知らないのだ。

 

グリーザ「ゴモラは私の力であの姿になってしまったの。」

 

ベリアル「お前の力だ⁉︎」

 

グリーザ「私には、怪獣や宇宙人を凶暴化させ強化する事ができる、ダークサンダーエナジーが使えるの。力が強い人だったら、凶暴化はしないのだけど、どうやら彼女は力が足りなかったようね。」

 

ベリアル「おま……まぁいい、じゃあお前がゴモラを制御する事はできないのか?」

 

グリーザ「残念ながら、それは無理。」

 

すると、ベリアルは溜息を吐き、地上に降り立ち、EXゴモラににじり寄る。

 

EXゴモラ「ウォギャォオォォン」

 

EXゴモラは咆哮を上げると、EX超振動波を放つ。それをベリアルは、右手から赤いバリヤー(以降:ベリアルシールド)を生じ、それでEX超振動波を受け止めながら歩み続け、EXゴモラの目の前に立つと左手でEXゴモラの首根っこを掴み、持ち上げる。

 

ベリアル「これを使うのが一番手っ取り早いんだ。少しの間だけ我慢しろ。」

 

そう言うとベリアルはベリアルクローからベリアルウィルスを生じ、ベリアルクローをEXゴモラの腹に突き刺し、ベリアルウィルスを注入する。

 

それを妨害しようとDゴメスは左手をガトリングガンに変えると、ガトリングガンから無数の光弾を発射した。しかし、ベリアルは光弾が迫り来るのに対して余裕の素振りを見せる。

 

すると、突然ジャタールが目の前に現れ、三つの突起物からヒッポリトビームと胸からブレストクラッシャーを放ち、Dゴメスの放った光弾を防ぐ。

 

しかし、Dゴメスも追い打ちに甲羅から無数のミサイルを発射した。ジャタールも負けじとヒッポリト・ファイヤーボムを放ち、ミサイルを相殺するが、流石に全てを壊す事が出来ず、数個程のミサイルがベリアルに迫る。

 

しかし、それをエスナやミヤが宇宙船から放つ光弾で相殺した。

 

 

EXゴモラは刺されている箇所を押え苦しむ。そして、EXゴモラを心配したマリナはベリアルに怒鳴った。

 

マリナ「ちょっと!!あんた何やってるの!!」

 

ベリアル「見りゃ分かるだろ。このまま暴れられてもしょうがねえから、俺の部下にしてDゴメスをぶっ潰すんだ。」

 

マリナ「それって、洗脳じゃない!どうせあんたこの戦いが終わった後もゴモラちゃんを自分の手元に置いておくつもりでしょ!」

 

ベリアル「そりゃ、俺の気分次第だ。」

 

マリナ「このロリコンオヤジ!だったら、あのデカ物を操ればいいじゃない!」

 

ベリアル「誰がロリコンオヤジだ!俺は断じてそんな趣味は無ね!!それにあそこまで図体がでかい奴を洗脳するには時間が掛かる。あいつが何時間も待ってくる筈ないだろ。」

 

マリナ「じゃあ、ゴモラちゃんを正気に戻せる方法を探せばいいじゃないの!」

 

ベリアル「じゃあ、一つ聞くがお前はこいつを制御できんのか?こいつはミヤを殺そうとしたんだ。どう考えても今は話し合える状況じゃねぇ。それともお前には他にいい方法でもあんのか?」

 

マリナ「それはその」

 

マリナはこの状況をどう乗り越えようか考えた。しかし、ゴモラは話し合いは不可能で、Dゴメスはいつ攻撃してくるか分からない中で、この状況を打破するのは不可能だ。

 

マリナ「……本当に、戦いが終わったらゴモラちゃんを返してくれるの?」

 

ベリアル「この戦いが終わったら取り敢えず返してやるよ。まぁ、お前らの態度によっては変わるかもしれないがな。」

 

マリナはベリアルの態度に腹を立てるが、それをエスナが宥める。

 

エスナ「マリナ、確かにゴモラの事が心配なの分かるが、今は奴を倒さなければこの星に未来は無い。ここは耐え凌ぐんだ。」

 

マリナ「わ、分かりました。」

 

マリナは渋々だが、了解した。

 

そして、ベリアルはEXゴモラから爪を引き抜いた。

 

ベリアル「さぁ、俺の部下として暴れてもらうぞ!」

 

EXゴモラ「ウォォギャォォオォン」

 

EXゴモラはベリアルに返事をする様に咆哮を上げ、EX超振動波を放った。

 

Dゴメス「ウォォィイィィィン!!」

 

DゴメスにEX超振動波が直撃し、体制を崩し、攻撃をやめた。

 

ベリアル「かかれ!」

 

激励ともに戦いの火蓋は切られた。

Dゴメスは空かさずガトリングガンで迎え撃つが、EXゴモラは高速で回転し、大量の火花が散るがそれでも何事も無かったかのように進み続け、ガトリングガンに体当たりをした。そして、怯んだところを空かさずジャタールはブレストクラッシャーをベリアルはデスシウム光線で追い打ちを掛け、木っ端微塵に爆散した。

 

Dゴメス「ウォォィイィィン!!」

 

Dゴメスは自分の一部が破壊されたことに驚愕するが、すぐに落ち着き、元の手に戻すと、その手をロケットの様に飛ばし、EXゴモラを殴り飛ばし、ビルに叩きつけた。

 

Dゴメスは空かさず手を戻そうとするが、ベリアルはそれを受け止め、闇のエネルギーをDゴメスの手に流し、それを力一杯投げ付けた。

 

闇のエネルギーを纏ったDゴメスの拳は見事に顔面にヒットした。

 

Dゴメス「ウォォィイィィィン!!!」

 

Dゴメスはあまりの痛さに顔を抑えた。それに追い打ちを掛ける様にジャタールは禍々しいエネルギーを纏っている手(以降:タールハンド)を伸ばした。

 

しかし、Dゴメスもやられているばかりではない。尻尾を振るい、ジャタールを薙ぎ払った。

 

すると、Dゴメスの機械部分の溝が紫色に禍々しく輝き始めた。それに続く様に胸やモノアイの目など次々と輝きを放ち、口を大きく開け、口の中に膨大なエネルギーを溜め始めた。

 

ベリアル「させるか。」

 

そう言うとベリアルはデスシウムクローを生じ、Dゴメスを切り掛かる。しかし、Dゴメスは背中の甲羅を翼の様に真っ二つに開くと腰部から煙が生じる。すると、上半身だけが宙に浮かび、そのまま飛んでデスシウムクローを回避した。

 

ベリアル「逃がすか!!」

 

地面を蹴り上げ、両腕を後ろに伸ばし、猛スピードで暗雲に飛び去ったDゴメスを追いかける。続く様にジャタールも飛ぼうとすると、突然背後から攻撃を受けて撃ち落とされる。振り向くと捨てられたと思った下半身が上半身があった部分から光弾を発射していたのだ。

 

ジャタール「我々の相手はこいつか。」

 

そう言うとジャタールはEXゴモラとマリナ達の乗る円盤と共に駆け寄る。負けじと下半身も無数の光弾を放つが、彼等はそれを難なく避ける。下半身は光弾だけでは無駄と判断し、自身の巨大な尻尾を振るい、ジャタールとEXゴモラを吹き飛ばした。しかし、ジャタール宙に浮かび、EXゴモラは難なく着地した。

 

ジャタール「ゴモラ行くぞ!」

 

EXゴモラ「ウォォギャォォォオン」

 

すると、EXゴモラはまた高速で回転をし下半身に向かう。そして、ジャタールはヒッポリトビームをEXゴモラ放った。すると、ヒッポリトビームは回転しているEXゴモラに纏わり、そのまま突撃する。

迎え撃とうと、下半身は尻尾から熱線を放とうとしたその時、尻尾の先端がブロンズ化していた。

 

ジャタール「ヒョホホホホホホ。私がタダで吹き飛ばされたと思ったのか?」

 

実は最初に尻尾で吹き飛ばされた時に、ジャタールは尻尾に触れ少しずつブロンズ化させていたのだ。

 

そして、回転しているゴモラはヒッポリトビームを纏い(以降:HBローリングアタッカー)、尻尾の先端を粉砕し下半身に直撃した。かなりダメージが大きかったことと尻尾の武器を失ったことに大きく後ずさる。

 

ジャタール「さぁートドメだ!」

 

そう言うとジャタールは胸の発光体と三つの突起にエネルギーを溜める。それに続きEXゴモラとマリナ達の円盤が並び、それぞれエネルギーを溜め始めた。

 

そして、ジャタールはヒッポリトビームとブレストクラッシャーをEXゴモラはEX超振動波をマリナ達の円盤から極太のレーザー(以降:レーザーシュート)をそれぞれ放ち、下半身に直撃した。

 

ジャタールとEXゴモラは振り返り、彼等の背後で下半身は爆散した。

 

 

 

その頃、上半身は今だに妖しく輝きながら暗雲を抜け、上空を飛んでいた。すると、赤いレーザーが上半身目掛けて来た。空かさず上半身はそれを避けた。レーザーが来た方向に顔をむけると、そこには猛スピードで接近しているベリアルがいた。

 

ベリアル「待ちやがれ!」

 

そう言われて待つはずがなく、上半身は逃げ続けた。しかし、ベリアルは徐々に距離を縮めていた。追い付かれる事を悟った上半身は、ゴメスビットを大量に出現させ、更に無数のミサイルを発射すると、そのまま上へと飛び去った。

 

ゴメスビットは迫り来るベリアルにゴメススラッシュを次々と放つが、ベリアルはそれを難なく避け、デスシウムクローを振るい、ゴメスビットを全て切り裂いた。その次にミサイルの雨がベリアルに降り注ぐがそれを全て避け、デスシウムクローを刀の鞘の様に消すと、ベリアルのバックで全て爆散した。

 

上半身は惑星アルカディア外に出ると、動きを止めこの星を見つめると、口を大きく開けた。

 

Dゴメス「ウォォィイィィィン」

 

そして、溜めに溜めたエネルギーを発射しようとしたその時、ベリアルが猛スピードでこちらに向かって来たかと思うと、彼は拳を握り、上半身の顎にアッパーカットを食らわせた。

 

すると、Dゴメスは上を向いた状態で極太の光線(以降:デストロイキャノン)をそのまま吐いてしまったため、その衝撃により上半身は小惑星に叩き付けられた。そして、デストロイキャノンは本来放とうとした軌道から逸れ、銀河系に当たった刹那に銀河は消え去った。

 

これ程の威力を見せられたら、大抵の者は戦慄するが、ベリアルは寧ろその威力に感心した。そしてベリアルは小惑星に叩き付けられた上半身を睨んだ。

 

ベリアル「あの星もあいつらも全て俺の物だ!貴様等なんざに渡すつもりはねぇんだよ。」

 

彼は首を回し、デスシウム光線と同様に右手に赤黒いエネルギーを纏った。すると、今度は左手にも右手と同じエネルギーを纏った。

 

ベリアル「本当はゼロのイージスに対抗する為に編み出した技だが、てめーに使ってやるよ。ありがたく思いな。」

 

そう言うと、ベリアルは目が赤く光り手を十時に構え、自分の体よりも巨大なデスシウム光線(以降:ネオ・デスシウム光線)を放った。その威力が強すぎるため、ベリアルは飛ばされそうになるがなんとか堪えてその場に踏み止まった。

 

そして、ネオ・デスシウム光線は上半身だけとなったDゴメスに直撃した。

 

Dゴメス「ウォォィィイィィン」

 

Dゴメスは断末魔を上げると、小惑星ごと遥か遠くに飛ばされ、星をも巻き込む程の爆発を起こした。

 

ベリアル「ハア、ハア、ハア、なかなか、手強い相手だったな。」

 

ネオ・デスシウム光線を使ったため、ベリアルを息切れをし、疲れてしまった。

 

 

 

〜惑星アルカディア〜

 

気づけばもう夕日だった。夕日が無いにも関わらず何故か夕焼けに包まれていた。ジャタールは自身の耳を澄まし、Dゴメスの断末魔が聞こえたため、ベリアルが勝ったことに確信をした。

 

ジャタール「流石は陛下。どうやら、奴を倒したようだ。」

 

彼の発言を聞くと、全員一気に力が抜けてしまう。

 

マリナ「ところで、どうやってゴモラちゃんを元に戻すの?」

 

グリーザ「それなら、私に任せて。」

 

そう言うと、グリーザは腕を伸ばし掌をゴモラに向けると、突然ゴモラから先程の暗黒の稲妻が現れ、グリーザの掌から体の中に入っていった。

 

すると、EXゴモラは気を失っているが元の少女に戻った。

 

マリナ「良かった。どうやら、ゴモラちゃんは無事なようね。」

 

ミヤ「でも、気を失っていますよ。急いで手当てしなくては。」

 

そう言うと、ミヤは円盤から光を浴び、ゴモラを回収した。

 

ベリアル「どうやら、何事も無そうだな。」

 

突然ベリアルが降りながら話し掛け、ミヤは少し戸惑った。

 

ミヤ「ハ、ハイ。あの、その、ゴモラさんには何処も異常はありません。」

 

ベリアル「それならいいんだが。」

 

マリナ「ちょっと、あんた忘れてない?ゴモラちゃんを早くあんたの洗脳を解きなさいよ。このままだと何しでかすかわかったもんじゃないからね。」

 

ベリアル「だから、俺はそんな趣味はねぇ!たく、しょうがねぇ。」

 

そう言うと、ベリアルはミヤの円盤に手を添えた。すると、ゴモラからベリアルウィルスが出て行き、ベリアルクローに入っていった。

 

だが、ベリアルはある事に気付いた。それはグリーザが居ないことだ。

 

ベリアル「おい、グリーザは何処にいった?」

 

エスナ「そういえば、見かけなくなったな。先に基地に戻ったのではないでしょうか?」

 

 

この時、彼等はグリーザ以外にも忘れている者がいる事に気付かなかった。そう、ビルの下敷きになったゾフィーだ。

 

ゾフィー「なんということだ!Dゴメスがやられるとは。」

 

彼はDゴメスが負けた事に驚愕していた。

 

ゾフィー「しかも、この状況で奴等に勝てる見込みは無い。ここは引くとするか。」

 

そう言うとゾフィーは人間大ぐらいの大きさになった。瓦礫をどかしながら進むと、なんと瓦礫の下に目が点滅してるレッドマンがいたのだ。

 

ゾフィー「レッドマン‼︎どうやら、まだ生きているようだな。」

 

そして、ゾフィーはレッドマンを担ぎビルの下から出ると、彼等に見つからないように離れていった。

 

 

マリナ「グリーザちゃん、どうやら基地にもいないみたい。」

 

基地にいるザンドリアスに報告をし、グリーザを探させたようだが、何処にもいないという。すると、ベリアルは周囲を見回した。

 

ベリアル「たく、あいつ何処に…………ん?」

 

彼は微かにだが、グリーザの姿をビルの上で確認した。

 

ベリアル「あいつあんな所にいやがって。お前らは先に行ってな。俺は後でグリーザと一緒に戻る。」

 

ベリアルはジャタールとマリナ達を基地に戻るように命じ、彼等が行ったのを確認するとグリーザの元に歩み寄る。

 

グリーザ「あれ?ベリアル陛下、なんでこんな所にいるの?」

 

ベリアル「それはこっちのセリフだ!お前こそ何でこんな所に居るんだ?」

 

すると、グリーザは何を戸惑っているのか、そっぽを向きなかなか話そうとしなかった。

 

ベリアル「話が長くなるようでも構わねぇ‼︎とっとと言え!!!!」

 

ベリアルの発言を聞くと、やっと口を開き始めた。

 

グリーザ「私のせいで、ゴモラにミヤを殺させるところだった。彼女達と何だか顔を合わせずらくなっちゃたの。いったい私はどうすればいいの?」

 

グリーザの発言を聞くと、ベリアルはため息を吐くと、グリーザに語り出した。

 

ベリアル「お前、あいつらに悪かったと思うんなら、逃げずに目合わせな。あいつらのことだ、すぐに許してくれるだろう。」

 

そして、グリーザはベリアルと目を合わせ再び喋り始めた。だがその際、夕焼けに照らされ笑みを浮かべるグリーザの長髪が風に靡く。

 

グリーザ「ありがとう。私少しだけだけど自身がついた。ベリアル陛下の言う通りにしてみる。」

 

ベリアル「…………あ、あ、そうか。」

 

グリーザ「じゃあ、帰りましょう。」

 

 

ベリアルside

 

なんてこった。まさか俺があいつに見惚れちまっただなんて、死んでも言えねぇ。まぁ取り敢えずこれは置いておいてだ。

 

基地に帰ってすぐにグリーザは意識を取り戻したゴモラやミヤ達に謝ってた。案の定全員許していた。

改造ベムスターの奴はゴモラが許したからと言って、あっさりと許したのは以外だったな。

 

その後俺は自分から料理を買って出て、筑前煮と春巻きってのを今度はグリーザと一緒に作った。今回も美味そうに食ってくれて俺は満足した。ああん?何故今回グリーザと作ったか?流石に量が多かったからな。

 

勿論、皿洗いはあいつらに任せて風呂に入って後に歯を磨いて、寝る準備に入った。後どうでもいいがマベルとダズが今回戦闘に出なかった理由は改造ベムスターからドクターストップを受けていたからだそうだ。

 

ベリアル「あいつを倒したところで、今度は奴よりも強力なデストロイ怪獣達が来るのか。」

 

彼はゾフィーが言っていたことを思い出していた。Dゴメスは言ってしまうと失敗作だ。失敗作であれ程の力を持っていたとなると完成した個体はいったいどれ程の力を持っているのか。

 

ベリアル「しかし、どうでもいいがこの星の名前はアルカディアというのか。じゃあ、この宇宙もいっそのこと“アルカディアスペース”とでも言うべきか。」

 

これ以上考えるのはやめにしてベリアルは寝ることにし、毛布を捲り布団に入ろうとした刹那、扉が勢い良く開かれた。何事かと思い、扉の方を見るとそこには何故か息切れをしているグリーザだ。

 

ベリアル「どうしたんだ?なんか疲れてるみたいだが。」

 

グリーザ「匿って。」

 

そう言うと彼女はあろう事かなんとベリアルがいる毛布の中に入って来たのだ。

 

ベリアル「お、おい!お前急に何」

 

グリーザは文句を言い出したベリアルの口を両手で塞ぎ黙らせる。すると、彼女は突然涙目になりながら言い出した。

 

グリーザ「お願い、私が此処にいることは内緒にして。」

 

そう言うとグリーザは両手を離し、ちょうど扉の死角になっている壁の端まで行くと毛布にくるまって震え始めた。

 

その時、突然扉の先から異様な気配を感じた。これにはベリアルも肩をビクッと震えた。そして、扉はキィキィキィという音を立てて開かれ、その先には目を見開いて瞳孔が鋭くなっているマリナが居た。すると、マリナはいつもよりもドスの効いた声で話し始めた。

 

マリナ「ねぇベリアルさん、正直に言ってよ。“私のグリーザちゃん”が何処にいるか知らない?」

 

マリナの威圧感は正直言うとDゴメスの比では無かった。一瞬口を滑らせそうになるが、震えているグリーザを横目で見ると正気を取り戻した。

 

ベリアル「あいつならさっきあっちに行くって言ってたぞ。」

 

ベリアルは廊下の方に指を指した。

 

マリナ「本当に?嘘じゃないですよね?」

 

ベリアル「本当だ。第一に俺が嘘ついて何の得あるんだ?」

 

彼は堂々と嘘を言った。マリナの眼差しに刺され、冷や汗が出た。

 

ベリアル「(さっさとどっか行け!こっちは色んな意味で心臓がうるさいんだよ‼︎)」

 

そして、マリナはベリアルの堂々とした態度に此処には居ない判断し、扉を閉めた。ベリアルは扉に耳を当て、マリナの足音が遠ざかっていくのを確認した。

 

ベリアル「おい、もう行ったぞ。」

 

グリーザ「そう、ありがとう。」

 

彼女の顔を確認すると、やっと泣き止んでいた。

 

グリーザ「ねぇベリアル陛下。お願いあるんだけど。」

 

ベリアル「今度は何なんだ?」

 

グリーザ「私と一緒に寝て。」

 

すると、彼は深いため息を吐いた。

 

ベリアル「俺も歳だな。この距離で聞き間違えるとは。もう一回言ってくれ。」

 

グリーザ「私と一緒に寝て。」

 

ベリアル「ハァァァ⁉︎……おっと。」

 

大声を上げたら、マリナがやって来る事を悟ったベリアルは口を塞いだ。

 

 

〜アルカディアスペースの光の国・王座

 

七つの玉座に五人が腰掛けていた。すると、その内の一人のセブンが急に立ち上がった。

 

セブン「ハァ、美しい奴だった。あいつは必ず俺の物にしてやる!」

 

邪な事を考えいるセブンは思ってることを全部口に出した。

 

セブン「ゾフィーの奴は今頃やられてるだろうから、今度はこの俺が惑星アルカディアに行き、アロマとグリーザをいやあの星にいる全ての女を俺の物にしてやる‼︎ヌワッハハハハハハハハハハ。」

 

すると、玉座に座ってる内の一人ウルトラの父が深いため息を吐いた。

 

父「残念な事にもうハヤタが行ってしまったぞ。」

 

セブン「何ですと⁉︎」

 

父「まぁハヤタに女どもだけは引っ捕らえるのだと伝えることだな。」

 

そして、セブンはよほど悔しかったようで、走り出すと柱に殴り掛かり、柱を粉々にした。

 

セブン「ハヤタの奴!覚えておけ‼︎」

 

 

〜惑星アルカディア〜

 

ベリアルside

 

話を聞いたところ、最初にエスナを怒らせて、その迫力にビビって一人で寝れなくなってマリナと一緒に寝ようとしたら……後は察してくれ。

 

 

ベリアル「お前なぁ、だからと言ってなんで俺なんだ?」

 

グリーザ「だって、頼りになるのベリアル陛下以外いないもん。」

 

ベリアル「他の男共もここまで言われると哀れだな。」

 

彼はここにいる男達に同情した。しかし、グリーザはそんな事にも話し続ける。

 

グリーザ「ねぇお願い。今日だけでもいいから。」

 

ベリアル「あのなぁ、俺だって男だ。マリナのようにお前を襲う確率はゼロではないぞ。」

 

グリーザ「えっ!?ベリアル陛下は私をDゴメスみたいに殺すの?」

 

ベリアル「いや、ああゆうのじゃなくってな」

 

グリーザ「それなら安心。早く寝ようよ。」

 

ベリアル「だからお前なぁ」

 

彼が何かを言いかけると、再びグリーザは泣き出したかと思うと今度はその状態で上目遣いをして来た。

 

グリーザ「ダメなの。」

 

これにはベリアルも心臓が震えた。ここまでされたら流石のベリアルも断り切れなかった。

 

ベリアル「たくしょうがねぇな。その代わり」

 

グリーザ「やった!じゃあ早く寝よう。」

 

彼女はまるで子供のように無邪気な笑顔を浮かべ、ベリアルの腕を引っ張りベッドに連れ込んだ。

 

ベリアル「お、おいだからな(いや、待てよ。もしかたらこうやってバニートラップを仕掛けられるかもしれん。だったら今の内に慣れておいた方がいいかもしれんな。)そうだなとっとと寝るか。」

 

そう言うとベリアルは毛布を被り、グリーザも毛布を被った。

 

ベリアル「(こいつは特に俺を落とそうとする気はさらさらねぇ。これぐらい余裕だ。)」

 

すると、グリーザはベリアルの腕にその大きな胸を押し付けて抱きしめた。

 

ベリアル「お、おい!お前急に何してんだ‼︎」

 

グリーザ「だって、こうしてるほうが落ち着くの。何か問題あるの?」

 

ベリアル「(平常心を保て俺。)いや、特に問題はねぇ。」

 

グリーザ「そう、じゃあおやすみ。」

 

そう言うと目を閉じ、すぐに眠りに就いた。

 

ベリアル「(何なんだこいつ。こいつからは何だか体温が感じられなぇな。まぁどうでもいい。このまま俺も寝ちまえばいいんだ。)」

 

彼は最初にグリーザに腕を抱き着かれて時は心拍数が異常に上がったが、徐々に慣れて来たベリアルは眠りに就こうとするが、彼は本当にグリーザが寝ているのか顔を確認した。

 

ベリアル「(よく眠ってるな。人の気も知らないでよ。しかし、改めて見るといい顔してんな。特にこの艶のある唇を奪いてえなって、何考えてるだ俺!平常心を保て。)」

 

しかし、寝ているグリーザはそれに追い打ちをかけるように(本人に悪意は無い)熱気のある吐息を吐き始めた。それにより、心拍数は更に上がり、ベリアルが抑えている欲望を高めた。

 

そして、無意識のうちにグリーザに手を伸ばすが、我に帰ったベリアルは必死に自分の手を止める。

 

ベリアル「(何やろうとしてんだ俺は!自分の部下を襲うとするだなんて恥晒しもいいところだ!)」

 

心の中で彼は必死に自分と凄まじい格闘を繰り広げた。すると、ドアを誰かがノックする音が聞こえた。そして、ベリアルは小声で悪態をつける。

 

ベリアル「嘘だろ。こんな状況を見られたらまずいぞ!」

 

しかし、そんな彼に御構い無しにノックを繰り返し、流石に鬱陶しくなり、グリーザを布団で深く被せ見えなくした。

 

ベリアル「誰だ!入って来い!」

 

すると、ドアを開けたのはゴモラだった。

 

ゴモラ「こんな夜遅くにすみません。」

 

ベリアル「謝る必要は無え!とっとと用件を言え!」

 

ゴモラ「陛下、その、僕を、僕を陛下の弟子にして!」

 

ベ「はっ!?」

 

彼は驚愕し、間抜けな声を出した。

 

 

 

 

 

 

 




ゼラス「さてさて、ゴモたんが何故ベリちゃんに弟子入りを申し込んだのか。そして、次に来るデストロイ怪獣は色々と扱いが不遇なあの彗星怪獣だ!そして、何故グリちゃんがエスナやマリナを怖がったのかも分かるぞ‼︎次回をお楽しみに!!!!」

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